「グノシエンヌ」 サティ

<タイトル>


6つのグノシエンヌ


<作曲者>


エリック・サティ


<おすすめ盤>


アルド・チッコリーニ(ピアノ)


エラート(レーベル)


<解説>


 クラッシック業界では「変わり者」の代名詞のようにあつかわれるエリック・サティ、その代表曲の一つです。


 「グノシエンヌ」という奇妙な名前は、古代ギリシャのクレタ島にあった古都クノーシスに由来するだとか、キリスト教グノーシス派に由来するだとか、いくつか説があるようですが、いずれにしてもサティの言葉遊びだったのではないでしょうか。


 サティが「グノシエンヌ」の名前で発表したのは最初の3番までで、あとの3つはサティの死後に発見され、作風などが似ているからという理由で、勝手につけ加えられたそうです。


 サティの有名な容姿ようしといえば、黒服にシルクハットに丸メガネ、いかにも奇人といったところです。


 彼はバーやクラブなど、大衆のための施設で演奏するために音楽を作曲し、そのスタイルは「サロン音楽」の先駆せんくとなりました。


 かつて音楽は貴族ためのBGMでしたが、市民階級が台頭たいとうして以来、その考え方は忘れ去られていました。


 サティは音楽をもう一度「BGMに戻した」とも解釈できます。


 いまとなっては当たり前ですが、彼には時代の先を見る目が備わっていたのかもしれません。


 やはりというか、「皮肉」ではありますが――


 CDはサティのピアノ音楽をほぼ録音している名ピアニスト・チッコリーニのものを推薦しておきます。


 まされた演奏に定評のある方です。


 サティ録音のみの廉価れんかボックスが存在しますが、ワーナーへのチッコリーニ録音の全集もありますので、時間と予算のある方は挑戦してみてはいかがでしょうか。

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