「メアリー女王の葬送音楽」 パーセル

<タイトル>


メアリー女王の葬送音楽


<作曲者>


ヘンリー・パーセル


<おすすめCD>


フェリシティ・ロット(ソプラノ)

チャールズ・ブレット(カウンター・テノール)

トーマス・アレン(バリトン)

エクアーレ・ブラス

モンテヴェルディ管弦楽団および合唱団

ジョン・エリオット・ガーディナー(指揮)


https://open.spotify.com/intl-ja/album/59IXibPF6cZcudHdvvskrK?si=HB3xfnD6T2GHy2QshvdsVQ


<解説>


 現在でも「英国史上最高の作曲家」といわれるイギリス・バロック円熟期の大作曲家ヘンリー・パーセルが、当時英国民から絶大な人気を得ていた女王メアリー二世の葬儀そうぎのため、同国ルネサンス期の大作曲家トーマス・モーリーの作品に書き足す形で発表した作品です。


 それがすばらしいと好評を博し、のちにパーセル自身が何度か改訂をおこなっています。


 長い間忘れ去られていましたが、スタンリー・キューブリック監督の映画「時計仕掛けのオレンジ」の冒頭で、最初と最後に演奏される「行進曲」がウォルター・カーロスのアレンジによって使用され、再び知られるようになりました。


 メアリー女王はパーセルのパトロンでしたが、天然痘てんねんとうのため、1694年12月、32歳という若さで亡くなっています。


 その翌年の3月、ウェストミンスター寺院での葬儀において、この音楽は演奏されました。


 その年、パーセル自身も36歳という若さで死去しています。


 このとき、「近代音楽の父」ヨハン・セバスティアン・バッハは10歳でした。


 同年11月26日、ウェストミンスター寺院で再びこの音楽が演奏されました。


 ほかならぬ作曲者パーセル自身の葬儀のためです。


 厳粛げんしゅくなムードの音楽であるいっぽう、語弊ごへいはありますがどこかポップな感じもするので、鑑賞はしやすいと思います。


 式典のために書かれた音楽なので、30程度の長さであり、それも助けになるのではないでしょうか。


 CDは、パーセルの音楽をたくさん録音しているガーディナーのものを推薦しておきます。


 おそらくこれがいちばん入手しやすいと思います。


 興味のある方は「時計仕掛けのオレンジ」のサウンドトラックもあわせてどうぞ。

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