「ピーター・グライムズ」 ブリテン

<タイトル>


歌劇「ピーター・グライムズ」


<作曲者>


ベンジャミン・ブリテン


<おすすめCD>


ピーター・ピアーズ(テノール)ほか

ベンジャミン・ブリテン(指揮)

コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団および合唱団


https://open.spotify.com/intl-ja/album/6qo8SZdI88VBw98MvxXJ4X?si=FEUT0uYySYuiQ70vTYHorQ


<解説>


 イギリスの作曲家であるブリテンの、もっとも知られているオペラ作品です。


 英語の歌詞により合唱を主体とした、いわゆる「合唱オペラ」になります。


 実際に起こった事件をもとに台本が書かれています。


 舞台は港のある小さな村で、作品は主人公である漁師ピーター・グライムズが、裁判にかけられているシーンから始まります。


 ピーターの船「ビリー号」が沖合いに出ているとき嵐がやってきて、彼はアシスタントとして乗り込んでいたウィリアム・スポードなる少年を、口減らしのため海に放り投げたという容疑をかけられています。


 ピーターは否定し、証拠も不十分であることから、彼は無罪となります。


 しかし場所は小さな村。


 噂に戸は立てられず、ピーターは大衆から疑念の眼差しを浴びせられます。


 そこから最終的に、彼は沖合いに船を出して、そこで自決を遂げるよう指示されます。


 ピーターはそれを実行し、幕となります。


 現代にも通じる、社会の闇を扱った重いテーマのオペラになります。


 おすすめするのは、作曲者ブリテンによる自作自演盤です。


 ピーター・グライムズを演じるピーター・ピアーズは、彼のパートナーであったことが知られています。


 もしかするとブリテンは、マイノリティに位置づけられる立場として、物語の主人公であるピーター・グライムズに、自身を投影していたのかもしれません。


 その輝かしい功績にもかかわらず、ブリテンは生前、ナイトと呼ばれる一代貴族に叙勲されることは、ついにありませんでした。


 彼の死後、その名誉を回復するための運動が起こっています。


 英語のオペラというのは珍しいですし、近代の音楽としては聴きやすいほうなので、長いですが英語の勉強も兼ねていかがでしょうか。

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