交響曲 第7番 「夜の歌」 マーラー
<タイトル>
交響曲 第7番 ホ短調 「夜の歌」
<作曲者>
グスタフ・マーラー
<おすすめCD>
オットー・クレンペラー(指揮)
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
https://open.spotify.com/intl-ja/album/0A8GWRnsUBtv3XLV9S9J93?si=_QeYw7vNSWus4yi9QTb-2Q
<解説>
自分にとって、運命の一枚です。
これがなければ、いまのわたしはないでしょう。
「夜の歌」はマーラー本人による命名ではありませんので、この呼び方を嫌うファンも少なくありませんが、わたしとしてはこの名前がしっくりくるのです。
マーラーの交響曲の中でも、もっとも内向的であり、失敗作のように断ずるクラシック・ファンもいるくらいです。
作曲者の個人的な精神世界の吐露とも考えられますから、しかたがないのかもしれません。
小説と同じで、こういうタイプの表現は一般受けはしませんが、一部の人には歓迎されるのでしょう。
5楽章形式であり、偶数楽章は「
この曲については語りつくせないのですが、個人的にはケン・ラッセル監督の映画「マーラー」において、主人公マーラーと妹のジャスティン(ユスティーネ)が、第3楽章の鳴り響く中、緑の庭園のいたるところを踊ってまわるシーンが頭にこびりついています。
この交響曲に「桜の森」をイメージするわたしは病んでいるのかもしれませんが、そんな人間にも救済を与えてくれるマーラー先生は偉大ですね。
「やがてわたしの時代が来る」と彼は言いました。
マーラーの時代は常にあるというのが、個人的な意見です。
精神的な救済を求める人間が存在する限りという意味で。
おすすめはマーラーの弟子のひとりだったクレンペラーの名盤です。
同じ弟子でもブルーノ・ワルターとはベクトルが真逆みたいな人ですが、彼はここで、師・マーラーの精神世界に可能な限り潜り込もうとしているように感じます。
超スロー・テンポなので、慣れないうちは地獄以外の何ものでもありませんが、いったんハマると、もう抜け出せなくなります。
音楽そのものだけではなく、マーラーの精神世界に。
この世からいなくなってもなお、人間を救済する。
それこそあるいは、マーラーの本懐だったのかもしれません。
偉人とはかくや、ですね。
ああ、桜の森が俺を呼んでいる……
ヤバい人ではありませんよ(汗)
深淵に落ちる前に、この辺で。
失礼いたします。
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