「交響曲 第2番」 シューマン

<タイトル>


交響曲 第2番 ハ長調 作品61


<作曲者>


ロベルト・シューマン


<おすすめCD>


ジュゼッペ・シノーポリ(指揮)

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団


https://open.spotify.com/intl-ja/album/3UsuUimzmFNeM0MuFEnUJZ?si=IAzu3n-ISryLupVW9bJ3lw


<解説>


 シューマンは後年、精神疾患に罹患し、これに苦しめられた作曲家です。


 現代でいう統合失調症だったとの研究もあるようです。


 親友であったメンデルスゾーンへ当てた手紙の中で、「ハ長調のトランペットが頭の中で鳴り響いている」と書いていますが、あるいはこれも、統合失調症特有の幻聴症状だったのかもしれません。


 いずれにしても、この辺りから交響曲第2番ハ長調の作曲は開始されました。


 手紙の通り、トランペットが何かのメッセージであるかのように鳴り響く第1楽章、せわしないスケルツォの第2楽章、明らかに病んでいる、しかしその中にも形容しがたい美しさのある第3楽章、大団円と呼ぶのにふさわしい堂々とした第4楽章で構成されます。


 彼がもっとも精神的な苦しみを抱えているときに作曲されたともいわれますが、それを否定する学説もあるそうです。


 おすすめするのはイタリアの指揮者ジュゼッペ・シノーポリが、ウィーン・フィルを振った盤になります。


 シノーポリは指揮者であると同時に精神科医でもあった異色の経歴の持ち主で、彼の演奏はよく「解剖図」と称されました。


 ヴェルディの歌劇「アイーダ」の指揮中に心臓発作でこの世を去るという、壮絶な最期をとげています。


 彼はフィルハーモニア管弦楽団とシューマンの交響曲全集を録音していますが、これは単独に再録音されたものです。


 精神科医として、患者を診察するような眼差しがあったのか――


 とにもかくにも、すばらしい名盤の一つです。

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