箱に残った最後の
『複数の艦隊に分かれたガル星人艦隊は各地の惑星を攻撃。現地の防衛隊や救出の為に派遣された軍が、決死の活動を行っていますが、残念ながら奮戦虚しく次々と敗退しています』
◆
『20歳以上を対象に行われる予定だった徴兵令でしたが、既に18歳に引き下げられており、最終的には国民皆兵令が施行される可能性があります』
◆
『大統領の臨時演説です≪現在我々人類は未曽有の危機にあり、全てのリソースを人類存続、勝利に注ぎ込まなければなりません。敗北は人類の死滅に繋がります。国民の皆さん。銃を取って下さい。家族を守って下さい。バリケードを作って下さい。トーチカを作って下さい。政府としてありえない発言であります。しかし、どうか立ち上がって欲しいのです。それともう一つ。人類の存続を脅かす活動、暴動は武力を持って排除します。マジで≫との声明でした』
◆
『司令官!レジスタンスが大規模な攻勢を仕掛けています!』
『よし!現地編成という事で取り込む!』
◆
【徴兵対象外の18歳以下でも軍への志願は可能です。ご家族とよく相談してからご連絡ください】
◆
『どいつもこいつも、敵討ちとかもう何も残っていないとかそんな奴ばっかりだ!ここは兵士を育てる所なんだぞ!クソクソクソ!』
◆
安全のしおり
目次
避難場所
備蓄に適した食料
窓の塞ぎ方
銃器の手入れ方法
緊急時の治療方法
地区の防衛計画にご協力お願いします。
◆
『指定日より避難民以外の、センターの入出管理が厳格化されます。避難予定の方は指定日の確認をお願いします』
◆
【サードニュースペーパー
人類を守るとのメールを最後に、メル星の記者から連絡が途絶えた。メル星は現在交戦状態にあるようで、記者の無事の帰りを祈るばかりである。見てるなら連絡を寄越せ!我々の戦いはこれからなんだからな!死んでも補償なんざ出さんから生きて帰ってこい!給料はセンターの本社でしか出さんからな!】
◆
【アーロン・ベーカー 男 42歳 アワー出身 見かけられたか方は連絡先ーー】
【カーラ・フローレス 女 23歳 ヴァリン星 宇宙港で離れ離れになった娘です 連絡先ーー 】
【ジョナサン・イグレシアスへ 親父と連絡が取れていないけど、他の皆は無事だ。端末を無くしてたら、野球ドームに来てくれ。そこにいる。単に番号を忘れてるだけならーーだ】
【モンスロト星のタニヤさん。旦那様の遺品をお預かりしています。--まで連絡をください】
◆
≪後方の星に疎開する事になっちゃった≫
≪私も≫
≪いつかまた会おうね!≫
≪うん!ずっと友達だよ!≫
◆
『強化兵の準備は?』
『敵のセンター到着には間に合うかと』
『よし!連中の活躍で私の発言力は頂点に達するだろう!』
◆
『遠隔装置なしの携行用の爆弾なのに、どうして要求している爆発量がこんなに大きい!誰に運ばせるつもりなんだ!当てはあるだと!?ふざけるな!』
◆
『元帥閣下。最後の守備艦隊をセンターに集結させていますが……』
『分かっている。だがやらねばならんのだ』
◆
『ごめんね。ママまだお仕事があって、そっちの星にいけないの。お婆ちゃんの言う事よく聞くのよ』
『休憩中すいません!特別防衛隊の集結ですが予定より遅れています!』
『分かったわ!ごめんね。うん。愛してるわ。お願い神様、どんなに仕事が辛くてもいいんです。もう一度娘に合わせてください』
◆
名無しの情報員さん
詰んだ?
名無しの情報員さん
多分ね
名無しの情報員さん
10割
名無しの情報員さん
万が一暗号解読成功しても、正面戦力がね。
名無しの情報員さん
それでもちゃんと仕事してる俺ら
名無しの情報員さん
社畜の鑑
名無しの情報員さん
やめーやw
名無しの情報員さん
実際のところどう?
名無しの情報員さん
個人的な結論だけど、3~4世代先のスパコンが無いと無理。
名無しの情報員さん
じゃあ無理じゃん……
名無しの情報員さん
はあ……
◆
『本日はお医者様をお招きして、応急手当の実演を』
『惑星バッファ、マクロー、ゴロからの避難民が』
『実践的なサバイバルを』
『飲料水の濾過方法は』
『救急キットの使用方法は』
『惑星マハが壊滅』
『避難計画は』
『行方不明者の写真とご家族への連絡先を自動放送しております』
『皆さんまたこの星で会いましょう』
≪緊急速報:惑星メルで人類が勝利≫
『緊急速報です!惑星メルで人類が勝利しました!』
『大統領の緊急声明です!『惑星メルでの勝利は最初の一歩です!特に勝利に貢献したのは、名前は現在不明ですが特務大尉であり、ガル星人の司令部を破壊しました!彼こそ英雄であり、人類の希望です!彼を称えましょう!特務!特務!特務!』』
【号外!特務大尉の活躍で人類が勝利する!】
『本日は予定を変更して、メル星での特務大尉の活躍についてお伝えします!』
『軍の正式発表では特務大尉の活躍が特に大きく、メル星での勝利は彼の貢献無くしてあり得なかったと伝えています!』
◆
『軍から特務大尉を知る上官の方をお招きしています。特務大尉とはどういった方なのでしょうか?』
『在り来たりな言葉になってしまいますが、彼はまさしく軍人の中の軍人で決して諦めず、どんな状態でも我々に勝利をもたらしてくれる品行方正な人物です。まさに人類の希望でしょう』
『素晴らしい人物なのですね!』
『皆さん特務大尉を称えましょう!彼がいれば人類は負けません!』
◆
『マールに行く』
『はい!特務!』
◆
まだ飾りであった。まだ。
まだ嘘であった。まだ。
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