あなたを忘れたくない……【記憶のない島の小さな恋の物語】

作者 アメリッシュ

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★★★ Excellent!!!

大人になると「過去の記憶」を綺麗さっぱり忘れてしまい、一日ごとに新しい自分へと「生まれ変われる」不思議な島の恋物語。
記憶を喪失することは本来ならば大事件で、とっても悲しいアクシデントであるはずなのに、この島の住民はなぜかみなが幸せに暮らしているのでした。

でもたった一人、主人公の女性だけは他と同じように過去を忘れることが出来ず、記憶に囚われて生きているのでした。それはとても悲しいことでした。
この島では思い出なんて何も意味をなさないからです。その代わり苦しみや辛さとも無縁で新鮮な毎日を楽しむことが出来るのです。

ひとり思い出に囚われる彼女の姿は切なく、また人間は誰しも忘れてしまいたい過去があることを思い出せば、必ずしもこの作品に描かれている内容が荒唐無稽ではないと判るはずです。それどころか、もしかすると、貴方もこの島で暮らしたいと願うかもしれませんね。

幸福と思い出について考えさせられる深くて素敵な寓話。
日々の生活に疲れた貴方に、おススメです!

★★★ Excellent!!!

 記憶という言葉には、多様な意味が含まれているものだと思います。

 単純な過去の出来事の羅列から、感情を揺り動かす思い出まで、いろんな意味合いで使われるその『記憶』とは、人にとってどういう側面を持つのかをもう一度考えさせられる話でした。

 恋の思い出、そしてその時に自分が感じた記憶をずっと抱えている『エマ』は、その記憶のせいでずっと苦しみ悩むことになります。
 それに反して、記憶を失くした人たちはみんな幸せに暮らしている……。

 記憶すること、過去の出来事をずっと思い続けることが、人にとって祝福なのか、それとも自分を呪縛する鎖となるのか――。
 改めて考えることになった物語でした。

★★★ Excellent!!!

きっとどこかにある不思議な島、イーデン島。

明日になったら全て忘れる。
いい事も、悪い事も、素敵な出会いも、大切な人も……

だからこそ生まれるドラマもある。

素敵な事が起きそうな予感しかないお話ですね。

甘い花の香り、舞い上がる砂ぼこりの匂い、焼きたてのパンが湯気を上げる風景までも浮かんでくる描写にため息がでます。

でも、本当のため息は、ラストに取っておきましょう。

忘れられない人の顔を想い浮かべながら、甘いため息を吐いてください。

★★★ Excellent!!!

記憶について考えさせられる物語です。

大人になったら、一日の記憶しか持たなくなる世界で、ずっと大人になれない主人公エマ。

記憶がリセットされるということは毎日が新鮮で、そして、憂いも忘れてしまう。それはもしかしたら幸せなのかもしれないと読みながら思いそうになりますが、エマの情熱的な幼い恋を目の当たりにすると、そうだよ、恋の記憶は忘れたくないよ! と思わずにいられません。

記憶があることって幸せなのか、幸せじゃないのか。エマの立場になると切なさでいっぱいに。


それでも、真の恋は全てを凌駕する!

潔い、そして希望が見えるラスト。とても素敵でした。

★★★ Excellent!!!


毎日、記憶がリセットされる事で大人たちは幸福な毎日を送る島。
そんな中、毎日の積み重ねを望む主人公のエマ。
理由は、大好きな人を忘れたくないから––––。

人は忘れていく生き物です。
生きれば生きるほど、背負うものが増えていくからです。だけど、それが本当に幸せなのか?
私たちは主人公のエマを通して、『幸せとはなにか』を自問自答しながら読み進めることになります。

もう、恋なんてしない! 疲れ切りました!
是非、そんな大人の方に読んでほしい。
エマの心は、純粋に恋をしていた頃の気持ちを思い出させてくれます。

★★★ Excellent!!!

「大人」になると毎日の記憶がリセットされて朝には何も覚えていない人々の中で、「大人」になれない少女(エマ)の一途な愛の物語です。

凄い切ないんですよ。
皆どんどん大人になる中エマだけは大人になれなくて、忘れられないから辛くて、切なくて。

そしてエマには愛する人がいます。
その彼はいつしか大人になり……。

とても読後感の良い作品です。
朝読むのにぴったりです。
私も今(朝)読んでいますが、とてもいい気分になれました。

★★★ Excellent!!!

哀しい記憶、つらい記憶、忘れた方が人は幸せである。
しかし、感動したこと、うれしいこと、これは覚えていることが幸せである。
認知症の人は記憶は消えても、感情は普通に残っている。
ワタルが、記憶を一瞬でもとりもどしたこと、エマとワタルの心の通い合いが秀逸。
涙が、出るような感動であったことであろう。

★★★ Excellent!!!

島の人みんなが、大人になる過程で「記憶を失う」能力を身に着ける、不思議な島。
そこでただひとり、昨日の記憶を持ちつづける18歳の少女の切なく美しい初恋が、優しい筆致でえがかれていきます。

初恋の切なさは、日々の記憶で磨き上げられる。
初恋まっただなかのひとも、初恋の記憶なんて遠くへ行っちゃた人も(笑)。
しみじみと包み込んでくれる物語です。

読んでね。とにかく多くの人に読んでほしい。
そしてこの物語を、忘れないでいてほしい。
水ぎわは、このお話を大事にポケットにしまうことにしました。
飲んだくれて、酔っ払っても失くさないように。