第63話

よっしゃー勝った。ベンチにいるチームメイト達は笑顔全開でマウンドに駆け寄ってきた。


「ナイスピッチングだ好希」


高住先輩が俺の肩を組みながら、見たこと無いほどの笑顔て言った。まぁ嬉しいんだろう。俺も最初本当に勝てると思わなかったし。

でも俺たちは勝った。激戦を乗り越えたんだ。


「ありがとうございます。高住先輩も次頑張ってください」


「ああ、次は俺の番だな。強豪と当たるが、今日のチームよりかは強くない。だから勝てる可能性も高いから、勝ってみせるぜ」


俺たちはひとしきりマウンドて称えた後、整列をして、挨拶をした。信州大学松戸の人たちは涙ぐんでる。そりゃ最後だし悔しいだろうな。俺たちはこの人の達分まで戦わなきゃいけない。それか俺達のような勝ったやつのできることだ。


森田は呆然とした顔で空をであおいでる。今まで森田は負けたことがほとんど無いのだろう。だから俺たちのような並みのチームに負けるとは思っていなかったのだろう。だがこれが野球だ。勝ちへの執念か強い方が実力以上の結果を出せる。俺はこのチームで野球をできてよかった。


俺は涙をボロボロながしている先輩と握手をした後、アルプス応援席に行って元気な声でありがとうと感謝を込めて挨拶をした。すると長沢先輩が手を振ったことによって、私に手を振ってくれたんだと言う言い合いが始まった。長沢先輩人気過ぎだろ。これだからリア充は。だが俺はリア充はうるさくて何事も青春たと片付ける奴らとは違って、長沢先輩は芯を持っていて、心に暑いものを秘めているので尊敬している。まさか俺がリア充のことを尊敬するなんて思わなかったよ。


俺たちは意気揚々と片付けをしてベンチをでた。グラウンドを出て長沢先輩と会話をしていると、肩を叩かれた。俺はこの叩きかたはネルだと思い後ろを振り向くと、やはりねるだった。


「こうくんおめでとー。勝てるって信じてたよ」


なんとしてでも勝たなきゃいけない試合だったからいつも以上に気合いをいれて試合に挑んだ。俺は出せる全力を出したからもし負けても悔しくはなかっただろう。だが勝てた。ねるは付き合うことはなかっただろうが、デートをするだけでもモヤモヤしていた俺の心は晴れた。


「まさか本当に勝てるなんてな」


マジで点を取られた時は諦めかけたが、諦めなければ最後は勝てるってことを知った。これは受験でも、難しいもんだいがでても自分のやったことを信じてといていけば受かる可能性があるってことだ。


「こうくん次も頑張ってね」 


「ああ、たぶん俺の出番は次はないだろうが、登板したらベスト8を目指して頑張るわ」


俺達の目標はベスト8だ。甲子園を目標にしないのかって?自分達の実力は分かっているから、不相応な事は目標には掲げたりしはしない。俺達の学校は進学校だからベスト8でも十分な実績だ。


「おーねるじゃないか、どうだ好希カッコよかったたろう」


長沢先輩がニコッとしながら俺の肩を組んで言った。長沢先輩いつもよりテンション高いな。

そんなに勝ったのが嬉しかったか。そとも自分のバットて打ったのが嬉しかったか。たぶんどっちもだな。


「はいたくさんみれました。こんなに躍動したピッチんくをみれたのは久しぶりてす」


「森田との対戦は特に胸熱だったな」


「はい多分森田君とはある約束をしまして、負けたくなかったからだと思います」


「ほーう約束か、もしかして勝ったら出掛けるとかそんな感じか」


なんで分かるんだよ。透けない情報から答えを出すなんて、さすが知性が雰囲気から溢れているって言われてるだけはあるな。頭の回転が尋常じゃねぇーわ。


「お兄ーちゃん」


ん?なんか聞いたことがある声がしたんだが。昨日せいだな。俺の知り合いなんて片手で数えるくらいしかいないし。恐らくクラスメイトの誰かだろう。そう思っていたが、こちらに近づいてきた。すると長沢先輩は穏やかな笑顔を浮かべてなぞの美少女を迎え入れた。


「おー菜々子久しぶりだなー。試合見に来てくれたんだな」


「うん、最後のお兄ちゃんのバッティングは鳥肌が立ったよ」


あー長沢先輩の妹か。デモなんで聞いたことがある声なんだ?長沢先輩の妹は別の学校だって言ってたし。俺は長沢先輩の妹を見た。キレイなロングストレートの黒髪にパッチリとした目

少し顔はでかいが、またそれがチャームポイントのように可愛い。


なんか見たことある雰囲気だな。独特いうか個性的な雰囲気で、アイドルみたいな雰囲気を出している。ん?アイドル?俺は自他とさらに長沢先輩の妹を見た。


「ねぇーそんなにじっと見てどうしたの?」


ねるは俺のことを疑惑があるような目で見てきた。まるでねるは俺が長沢先輩の妹に劣情を抱いたような目をしている。俺は長沢先輩の妹にたいして、別にひとめぼれはしてねぇーぞ。


「いやちょっと誰かに似ているなって思って」


「うーん、そう言われると確かに見たことあるなー」


長沢先輩の妹は俺達の視線を感じて、不思議そうにこっちを見て首をかしげた。この動き見たことあるぞ。長沢?あ、もしかして櫻坂の長沢菜々子か!


「なぁもしかして長沢くんか?」


すると、あちゃーバレッチャッタかーと言うような顔をした後、こちらにアイドルしている頃のアイドルスマイルで俺達の方を向いた。やっぱりアイドルは違うな。この笑顔は握手会で見せるような笑顔だ。可愛すぎて溶けちゃいそう。










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