第58話
俺は自分たちのチームのベンチを見た。みんなやる気が満ちている目があったチームメイトは俺に頼んだぞと言っている。信じてくれるこれだけで俺は力が溢れそうだった。
俺は気合いを入れ直して投球練習をした。長沢先輩はずとんと投げている側が気持ちよく感じる音をキャッチャーミットからだしてくれて、俺のテンションを上げてくれる。
何球か投げると審判のプレボールという声と共に試合が始まった。始まると、相手のチームのスタンドから割れんばかりの応援歌が響く。さすが強豪だけあるな部員も百人以上いるんじゃないか。
俺は投げることに集中をして、長沢先輩を見た。スライダーか、しかもインコースで、いきなりえぐっていくんだな。俺は縦にうなずき思いっきり投げた。
すると直角のような変化をして、バッターの腰が引けていた。ふぅー思った通りに投げれたな。
それから落ちないツーシムを投げて、カウントを2ストライクにして最後に落ちるツーシムを投げて三振を捕った。
あっさり一番打者を抑えられたな。それからの二番打者と三番打者は内野ごろに打ち取った。上々の立ち上がりだな。
俺は口角を上げてマウンドから歩いてベンチに行った。ベンチに着くと高住先輩か笑顔で話しかけてきた。
「ナイスピッチング好希、あの様子だと緊張はしてないみたいだな」
「はいむしろ気持ちが昂っています」
ねるが見てる前で無様なピッチングは見せられない。たから今日は最少失点で抑えて勝つ。まさか森田と最初から投げ合うことになるとは思わなかったが。
「怪我だけは気を付けろよ。あのピッチャーだと好希抜きは厳しいからな」
俺と高住先輩のに二枚看板でやっているので、この後のピッチャーは現状一年しか本職がいないのだ。後は兼業でやっているやつしかいない。だから今日は一人で投げなければいけない。
「はいわかっています」
そんことを話しているとうちの攻撃が終わった。思ったより早いなと思いながらマウンドに向かった。ふぅー二回も三人でおさえるぞ。俺ロージンをポンポンとやって長沢先輩のサインを見た。いきなりツーシムか、ストライクも取れるってところを見せるのと、的を絞らせないためか。恐らくだいたいの初球はスライダーだろう。
俺は腕を思いっきり振って投げた。するとボールはシンカーのように右に落ちていきアウトコース低めにいきストライクを取った。まずはワンストライクだな。この打者はブルーヒッターだからアウトコースを中心に攻める。ねるの情報ノート見といてよかったわ。
俺は渾身のストレートをアウトコースに投げ込む。速さは130キロ台だが今日の俺の球は伸びがあるから打ちにくいだろう。あっという間に追い込むことができた。最後はアウトコースのスライダーを投げた。すると無理やり引っ張りショートゴロに打ち取った。次は森田だ。
あいつ二年でエースなのにクリンナップに入っているのかよ。投打で活躍してたってことか。
まぁ弱点はわかっているから大丈夫だが。
俺はまずインコースにストレートを投げ込みワンストライクを取る。そう森田はインコースが苦手なのだ。だからインコースを中心に投げ込めばいい。一球アウトコースのスライダーのボール球を投げた。なんでかというともしかしたらアウトコースにつられて振ってくるかもしれないからだ。だが振ってこなかった。まぁ追い込まないと振ってくる確率は高くないから希望的観測だがいいんだが。
さて次はツーシムをインコースか、俺はツーシムをインコースに思いっきり投げた。するとツーストライクになり森田は苦々しい顔をした。
これでスライダーをアウトコースに投げて打ち取るか。
俺はサインに首を縦に振りスライダーを思いっきり腕を振って投げた。すると森田は振ってきて空振りをして三振に打ち取った。
次の打者は初球からストレートを振ってきて内野ゴロに打ち取りベンチに向かって歩いた。
さてこの回は打順が回ってくるから準備しないとな。俺は六番なのでベンチのなかでタイミングを計っていた。
すると5番が打ち取られて打順が回ってきた。たしか初球は結構バラバラの変化球を投げてくるんだよな。スライダー、カーブ、カットボール、シュートだっけな。
たから初球は見逃そう。俺はバットを構えて二球目はスライダーが多いので二球目を打ちにいくことにした。
森田はストレートと同じ振りでカーブを投げてきた。あれじゃ変化球を投げるかどうかわからない。とりあえずスライダー一本に絞るか。
すると二球目はスライダーを投げ込んできたので俺はバットを振った。
すると思ったよりもキレがよくてバットの先っぽに当たった。
うわ凡打だな。ボールはショートに転がり簡単に取られてアウトになった。
俺は小走りでベンチに向かうと、高住先輩がグローブを持ってベンチの前に来てくれた。
「ありがとうございます」
俺は笑顔てグローブを受けとり、マウンドに向かった。さて三回も頑張りますか。投球練習をした後、ロージンをポンポンとして、気合いが入った目で長沢先輩を見た。
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