Nola ―ノラ―

作者 雪菜

97

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★★★ Excellent!!!

五年前に降り注いだ謎の魔力により、一般人の一部が魔法使いとなってしまった桜禍市に生きる少年、ノラこと祠堂蓮。
 市立星陵高校に通う普通の高校生であるはずの彼は、実は唯一にして最強の魔術師なのだった。
 魔法師の集まりである組合にも、戦えない魔法師を保護する施設である教会にも所属しない、まさしくノラ猫のような彼は、行動を共にする『魔術を使わない魔術師』、玖蘭姫愛によって桜禍市に蔓延る「ある事件」に巻き込まれていく──。
 
 雰囲気作りがとても秀逸な作品です。
 昼──桜禍市の普通の日常的な平和な世界から、夜の無法地帯な雰囲気へのシフトが凄い。
 現実感はそのままに、一気に夜の世界に引き込まれます。
 またそれだけでなく、戦闘描写や心理描写の両方ともレベルがとても高いです。
 自分はこの作者さん超好きなんですが、やっぱりこの作品もお気に入りになりました。
 「ある日とてつもない力を手に入れた少年少女たち」と、「元々力を持っていた少年少女たち」が紡ぐ現代ファンタジー。
 ぜひ一度、お読みください。

★★★ Excellent!!!

五年前、桜禍市に降り注いだ災禍と呼ばれる魔力の欠片。
その欠片を宿した十代の少年少女は魔法と呼ばれる異能に目覚め、魔法師と呼ばれる存在が生まれた。

魔術と魔法。その在り様は根源から異なる異質なものとして描いているのが本作です。

生まれながらの魔術師である本作の主人公「祠堂蓮」は、魔法師達から天敵と恐れられる存在。

その生き様は気まぐれな野良猫を思わせる様であり、彼自身の実力に裏付けされていることもあってか、掴みどころがなく一見軽薄そうに思えます。

そんな彼が大切に思っているのが、同じ高校に通うふわふわとした雰囲気を持つ天真爛漫な少女、玖蘭姫愛。
訳ありな蓮が彼女を大切にしている理由は是非本編で確認ください。
——かなりエモいです。

魔術師と魔法師達が命を掛けて戦う魔法戦(サバト)のシーンは迫力満点で、現実には存在しない魔術や魔法を巧みな筆致で再現しています。

複雑に絡み合う各勢力の思惑に、蓮と姫愛はこれからいかなる運命に立ち向かってゆくのかも見どころな本作。

上質な伝奇を思わせる、現代を舞台にしたダークファンタジーサスペンスの世界を覗いてみませんか?

(本作をお読みになる前に、前日譚を読了していると更に世界観に浸れること間違い無しです!)

★★★ Excellent!!!

負の感情を増長させ、他者に危害をもたらしてしまう魔法を使えるようになった「魔法師」と呼ばれる十代の少年少女が、殺し合いや犯罪に巻き込まれていくダークファンタジー。迫力と疾走感に満ちた戦闘シーンや、サスペンス要素が含まれた展開など、見所も良さも多くある作品ですが、特筆すべき点は主人公とヒロインの関係性だと思います。

重い秘密を一人で抱え、危うい思考を持つヒロインの姫愛と、そんな彼女を守る主人公のノラ……なのですが、二人の関係には暗く複雑な背景が潜んでいます。そんな彼らが見せてくれる信頼関係や、互いを思い合う気持ちには、一言では言い表せない良さがありました。

作中で展開される不穏で危険な事件の行方、ノラと姫愛の過去やこれからと、続きも非常に気になる作品です。

また、こちらには前日譚となるお話もあります。少ない話数の中で、作者さんの筆致や展開の仕方、登場人物のカッコよさに魅了されてしまう作品なので、そちらから読むのもおすすめ。もちろん、先に本編を読んで最新話に追いついてからでも楽しめると思います。

両作とも、ぜひご一読ください!

★★★ Excellent!!!

五年前に起きた災禍と呼ばれる厄災。
それは奇跡を紡ぐ魔術師を滅ぼした。
しかしその厄災は、それだけに留まらなかった。

桜禍市という街に降り注いだ魔力の流星群。
それらはまだ若い少年少女たちの身体に宿り、魔法という異能を覚醒させた。

本人の意思にかかわらず魔法師となった彼ら。
その力は未熟な精神に影響を及ぼしていく。

異能の力に取り憑かれ、他の魔法師を殺すことによって力を増していく者。
力を恐れ、ひた隠しにする心優しき者。
或いは――。

物語の主人公、ノラは魔法師ではなく、災禍によって滅びたはずの魔術師だ。
もちろん、そんな存在がこの世界で放っておかれるはずもなく。
否応も無く魔法師たちの戦いに巻き込まれていく。

はたして、自由を望む少年ノラの運命や如何に――!?


この物語の魅力の一つに、各キャラクターの心理描写の緻密さが挙げられます。
それぞれが何を悩み、葛藤し、何を選択していくのか。
一つ一つの行動に意味があるので、非常に感情移入がしやすいと思います。

バトル中にもそれは上手く表現されており、かといって冗長することも無くスタイリッシュに構成されています。

また主軸となるストーリーも重厚で(ここでは詳しく言えませんが)、過去の背景や背負った宿命などがキャラクターの個性をグッと魅力的にしています。

きっとお気に入りになれるキャラクターがこの作品の中に居ると思います。
是非、この機会に貴方もこの心が揺さぶられる現代ファンタジーを読んでみてください!!




★★★ Excellent!!!

初めまして。ご縁がありこの物語に出会いました。
更新分まで読み終えましたので、レビューさせていただきます。

ノラと呼ばれている少年の歩み。そんな彼が守る特別な力を持つ少女の存在。互いが互いに寄り添い、時にはぶつかりながら、二人は共に歩んでいきます。
そんな彼らに関わってくる組織の存在や、逃れることのできない過去。そういったものが徐々に明かされていく物語は、続きを気にさせてくれます。

少年と少女の交わりが様々な運命を巻き込んでいく、そんな物語。
他の皆様も是非読んでみてください。

★★★ Excellent!!!

 災禍と呼ばれる事件を切っ掛けに「魔法」の力を得てしまった少年少女は「魔法師」と呼ばれ、数奇な運命に巻き込まれてゆく――。
 望まぬ非日常と隣り合わせを強いられた環境で、戦いに身を置き生きる「魔術師」の少年ノラと、彼に守られ生きるヒロインの少女の物語です。

 物語の設定上、魔法と魔術は異なるもので、魔術師であるノラはほかの魔法師たちから一目置かれる……むしろ怖れられる存在。しかし、彼が魔法師との戦いに身を置く理由は力でも名声でもありません。
 ふわふわとした雰囲気の可愛らしいヒロイン、姫愛。彼女の過去が紐解かれてゆくにつれ、ノラが背負ったただならぬ宿命のようなものも明らかになっていく、という構成です。彼の悩みを知る頃には、読み手もすっかりその魅力に引き込まれて、応援したいと思うに違いありません。

 繊細な表現、かつ臨場感あふれる大胆な筆致。日常回とバトル回、過去編との緩急によって、ぐいぐいと物語に引き込む筆力も素晴らしいです。
 読み応えのある現代ファンタジー、ぜひご一読ください。