悪役令嬢の華麗なる断罪フラグ事件簿

作者 八兵衛

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★★★ Excellent!!!

 ゲームの世界に悪役令嬢転生した主人公は、本編の舞台である学園への入学を避けて断罪フラグを根から圧し折った……かと思いきや、訪れたパーティでたまたま起きた殺人事件の犯人として糾弾される。
 それは世界の補正力なのか。それとも、シナリオライターの「本編中の事件は大体悪役令嬢が裏で糸を引いていた感じ」という適当な設定による、生来の疑われやすさによるものか?

 周囲で事件が起きるのは物語の探偵にとって重要な資質(?)ですが、世界による補正・強制力にそれを保証されてしまうマリナお嬢様。
 執事にすらも疑われる四面楚歌、身を守るためには真犯人を探すしかない。
 “お約束”による必然性の生み方が面白い短編です。

★★★ Excellent!!!

「探偵の行く先々では殺人事件が起こる」という探偵モノのお約束が、
「悪役令嬢は改心しても断罪に導かれる」という悪役令嬢モノのお約束と交わり、
「悪役令嬢の行く先々では殺人事件が起こり、断罪に導かれる」へと進化する。

メタフィクション的にのみ笑い話される「話の都合」を、メタフィクション的な構造のテンプレートに取り込むことで違和感をなくす構造が、よく纏まった良短編。