第5話 雨を降らす。

 彼方から降るシニフィアンの雨。それを操る神。雨の恩恵は湖を生むものの逆に反乱させることもあった。

 人間は雨を何とかコントロールしたいとほかの神に祈ったところ、神が答え「それはとある神の涙である」と答える。全能であるにもかかわらず、唯一その神は孤独であることを嘆き、涙する。その感情を他の神は理解することはできない。

湖の水位がどんどん上昇するため、村長はある女をその神に捧げた。

それにより雨は止んだ。しかしながら、そこから雨が降ることがなくなり逆に湖は干からびた。

 これは大変だと改めて他の神に祈ったが返事はない。

 湖は枯れ続けたが、女が返ってきた。

「彼はもう涙を流すことはないが、約束を交わした」という。

 そこからまた雨が降った。時々に降り、そして止みを繰り返していった。

「何を約束したのか。」と人々は聞く。

「私と会ったことを覚えていて、そして思い出してと約束しました。」

「寂しいのに、なぜ解放したのか。」

「寂しいから、私の寂しさを知っていた。」

と。

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日々をすり減らす君へ kuhei @kuhei

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