烈風「真田幸村戦記(大助編)」6
六
海軍との、打ち合わせの結果、一箇所ずつ同時に攻める方針が決定した。
輸送船は、充分に連合部隊を、運べるとの、ことであった。
ビスケー湾、大西洋、カディス湾、地中海の四方面からの上陸とピレネ山脈の海側の切れ目から陸軍が向かう事になった。
四方面作戦である。
各国の残留部隊を半分に、減らすのと、本隊から五師団を応援に、出すことにした。
上陸には強襲揚陸艦の海兵隊が、加わるので、十分な数となった。
一斉に、船が動いた。
(これで、イベリア半島は、見るも無惨な形になるな。)
と、ドイツの将校たちは、思った。
対して、鳳国側は、スペインと、ポルトガルは、許せる物ではないと思っていた。
散々に奴隷を使って、植民地を作り、簒奪の限りを尽くして来た。
その罪を償わせるためにも、絶体に、痛い目に遭わせると、思っているのであった。
スペインと、ポルトガルは、心底怯えていた。
すでに隣国のフランスは、抵抗運動をやったがために、鳳国の怒りに油を注いだ形になって、白旗を掲げても、「嘘だ」と思われてしまっているのである。
それ故に、何をやっても、皆殺し(ジェノサイド)になって仕舞うのだ。
レジスタンスは、スペインも、ポルトガルもやっていた。
それの調べは、ついているだろう。
言い逃れは出来ない。
ひたすら、怯えていた。
三方向から、艦砲射撃の音が、聞こえだした。
恐怖は、極限に達していた。
艦砲射撃は、一時間続いた。
その間に、海兵隊が素早く、上陸していた。
続いて、陸軍が上陸してきた。
特別な船が戦車を乗せて、上陸してきた。
全ての、兵器が降ろされた。
その間にも、海兵隊が、素早く攻撃を開始しだしていた。
海兵隊の戦力だけでも、相当のものであった。
他国の一国分の、戦力が充分にあった。
やがて、兵器も、兵員もすべて、上陸した。
こういうときのために、貨物の陸揚げを、専門にしている部隊もあって、その動きは、相当に機敏な動きがあった。
すぐに、部隊はいつものように、整列した。
「行くぞ」
と司令車の中で、武蔵が命令を、発した。
凄い数の、兵士が動きたした。
進軍しなから、陣形を作っていった。
戦車、自走砲、戦闘装甲車、装甲車、新たに、重機戦車が、加わった。
これは、ブルドーサーや、ユンボなどが付いている、多機能戦車で、勿論、大砲も、ガトリング銃も付いていた。
どんな、障害物でも、破壊して突き進んで行くのである。
当然、前方の第一戦に、並んだ。
この時代に、現代の自衛隊が、現れたような物であった。
幸村の遺産であった。
元の、チンギスハーンの侵攻の、何倍もの迫力と、威力があった。
それが、一斉に並んで、進んでいくのである。
その偉容を、見ただけで、相手は、足が震えた。
「各車、一斉に発射用意・・・撃て」
司令車の旗が、振り降ろされた。
各車の、大砲が、轟音を発した。
その瞬間、地響きがした。
土嚢を積んで、陣地を構築していた、敵兵が、陣地ごと、吹き飛んで、人馬とも、手足が、千切れていた。
さらに、バルカン砲や、銃が、雨霰と撃たれた。
生き残った敵が、陣地を這い出て、逃亡を図った。
「機動騎馬隊、出撃!」
各騎が、一斉に、敵を追った。
バルカン銃が、逃亡兵の背に、次々と当たり、兵の体が、宙に舞い上がっていった。
イベリア半島は、スペイン、ポルトガル二カ国が敵であったが、ポルトガルの方が、えげつないないことを、やって来ている。
たとえば、高砂(台湾)に、デエーランデア城などを造って、東シナ海への進出を図っていたのである。
オランダと、ポルトガルが一番、許せない、と言うのが、武蔵の考え方であった。
実は一番、狡いのは、イギリスだったのである。
たとえば、インドを取り、シンガポールを奪取し、ジブラルタル海峡に、ジブラルタル市という、軍事基地の街を造って占有した。
ここぞと言う要衝は、必ずイギリスが取っているのである。
イギリスほど狡知な国はない。
現代は中国共産党(中共)だろう。
他国の選挙にまで、陰から、関与して、ついには、自由の国、アメリカの大統領選挙にまで、魔の手をのばしている。
州知事や、職員にまで賄賂の金を撒き、あからさまに、バイデン票が増える、操作を行っている。
バイデンが、大統領になったら、アメリカも終わりだろう。
汚れきった大統領で、中共政策も、弱腰になってしまう、民主党の政権では、駄目なのである。
なんと、夢物語に、現代の一番、醜悪な記事を入れてしまった。
誠に申し訳ない。元に戻る。
といいながら、現代の日本に、眼を転ずれば、管首相、江戸時代の『越後屋の番頭』だろう。
いずれ、大旦那の安倍前首相が、カンバックして、第三度目政権を作る。
ロシア方式なのだ。プーチンと、メドベージェフのやり方だ。
二番煎じなのにね。
しかし、大旦那の方が、押し出しがいいからね。
きっと、三度目の正直をやるよ。
日本の国民も、舐められたものだ。本当に、本来に戻る。
リスボンは、再び、艦砲射撃で、再起不能の街になった。
マドリードは、イベリア半島の中央にある。
四方面からの攻撃を受けることになって、見るも無残な、惨劇の街となった。
最早、無人の街となった。
抵抗など、しようも無い国になっていた。
全国的に、絨毯攻撃を受けたのである。
それでも、捕虜が出だので、豪州に送った。
豪州には、大きな砂漠が二つあった。
その砂漠の淵に収容施設を、造ったのである。
捕虜は全て、一時、そこに収容した。
国庫の軍資金と、武器兵器になる物は、すべて、没収した。
鳳国のやり方は、幸村のときと変わっていない。
掃討した後、死体を全て、裸体にして、大きな穴を掘り、その中に入れて荼毘に付して、土地を戻して、周囲を綺麗に掃除、読経して終わりである。
全ての物は、残さずに、台車に入れて、船に積み込んだ。
兵士の服から、小銭まで積み込んだ。
下着類まで、剥ぎ取った。
「死者に衣類は、不要だ」
と言う考え方であった。
本国の至る所に、再生工場があった。
幸村の時と同じであった。
全員が輸送船に乗り込んだ。
残留部隊を、一旅団置いた。
「次は、スカンジナビア半島の三国だ」
艦艇も殆どが、スカンジナビア半島の三国に、航路を取った。
大助の元には、伝令が走った。
「戦勝です。当分立ち上がれないまでに粉砕しました、次は、スカンジナビア半島の三国の攻撃です」
たまさか、接待車にドイツの皇帝と、司令官たちを、招待していた。
凄まじいまでの、戦闘能力である。
ドイツの皇帝も司令官たちも、溜息をついて、
「常々貴国に、逆らうのは、狂気の沙汰であると申しております。ジンギスカンが襲来したときよりも、凄まじいことになる、と言っておりました。鳳国の通った後には、何も残らない。綺麗に掃除されていく。国には金も残らない。食料も残らない。残るのは、破壊された、街々の惨害だけである。と・・・」
と、皇帝が言った。
「スカンジナビア半島の三国も同じ結果かに成るでしょう」
スカンジナビア半島の三国もドイツの皇帝がいった通りになった。
そして、全員が帰ってきた。
「残すは、イギリスだけとなりました」
と武蔵が、報告をした。淡々としていた。
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