第81話 視線の正体。

俺は取り敢えず自分の課題は全て終えた為、すずちゃんの視線を気にしながら、奏ちゃんの課題の手伝いをしていた。


ーーすずちゃんの視線。


おそらくは水族館の件だろう。

俺は伊崎さんに頼んですずちゃんを病院へ連れて行ってもらった。


あれから軽い捻挫だという事や、他に異常も見られない事をすずちゃん本人から聞いた後は、なるべく身体を休めて欲しいという思いから、電話を控えてラインのみに留めておいた。


ーーーーーー。


わからん!!

何かがおかしいのか!?

ここはやはり家にまで出向くべきだったのか!?

電話をするべきだったのか!?


「大丈夫ですか、海斗先輩?」

一人悶えている俺に奏ちゃんが心配して声を掛けてくる。

「だ、大丈夫……。」

「お姉様の事でしたら、大丈夫ですよ? 海斗先輩の事に対して怒ってなどいませんでしたから。」

「じゃ、じゃあさっきから刺さる様な視線は……。」

「色々あるんですよ、色々。」

鈍感な俺にため息をつきながら課題をひたすら解いていく奏ちゃん。


そんな時だった。

「か、かか、海斗さん!!とっ、と、隣いいですか!?」

すずちゃんがオドオドしながら声を掛けてくる。

「ど、どうぞ……!」

俺の両端に美少女姉妹が……!!


「す、すずちゃん、さっきから俺の事見てた?」

「ふぇっ!? ……ば、バレちゃってましたか……。じ、実は……。」

何だ、俺が何かやらかしたか!?


「海斗さんの横に行きたかったんですぅ!!!」

これまで聞いたことの無い絶叫!

完全に皆の目線が俺とすずちゃんに注がれる。


「えっ…………。二人は付き合ってる……の?」

綾瀬と浜辺は呆然とした顔つきでコチラを見てくる。


ーー言ってなかったっけ?


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