「連続Vシネ小説『あさどら』」 SA文庫

 おはきょむ! じめじめしすぎてアパートの風呂場に謎のキノコが生えてきました……。キノコ、触っただけで火傷するキノコがあるとかないとか聞いて、触るのが怖いです……。どうすればいいのこれ……。


 それではきょうも架空ラノベ紹介していきます! きょうはこれです!


「連続Vシネ小説『あさどら』」著・真中みう太郎 イラスト・曾代芥 SA文庫


 ◇◇◇◇

 連続Vシネ小説『あさどら』 あらすじ

 反社会的勢力の組長の娘、筒谷みわ。中学校では怖がられて友達はおらず、思い切って遠くの高校に入学する。そこで初めて普通の人として扱われて、みわは自分の人生を、よりよくしようと思い立つ!

 ◇◇◇◇


 なんていうんですかね、朝ドラテンプレート満載のたのしいお話でした。


 まず冒頭、みわちゃんが街の展望台にいるところから始まります。朝ドラヒロイン、高いところに登りがち。そして第二章では高校でできた友達と川で遊んでてドボンします。朝ドラヒロイン、水に落ちがち。


 というか一章が朝ドラで言うところの「子役週」でして、みわちゃんの小学生時代が語られます。父親に溺愛されていて、小学校に黒塗りのベンツで強面のお兄さんたちがみわちゃんを迎えに来て、それを見て学校のみんなが怯えるとか、そういうなかなかハードモードの子役週です。


 みわちゃんは高校生になって初めて自分の素性を詮索してこない友達を得るのですが、その友達がのちのちつける仕事がなくて場末のスナックで働いたり、高校で一目惚れしてきた先輩と付き合うもなんだかよく分からないなあ、と思いながら付き合ってひどい破局をしたり、と、友達・恋人周りも朝ドラテンプレート満載です。


 みわちゃんの夢は「なにか人の役に立ちたい」という漠然としたものなのですが、ストーリーが進むにつれて夢が具体的になり、最終的に図書館司書を目指します。みわちゃんは読書が好きな大人しい子なんですよね。


 で、一方で父親を組長にいただく筒谷会の様子も逐一描かれていて、みわちゃんをふった先輩をめためたにやっつけるとか、そういう反社会的勢力の様子の描写が完全にVシネなのです。抗争を繰り返して傷つく家族を、みわちゃんは悲しく思いながら励まします。みわちゃんがどこまでも聖母なのですが、しかし終盤のどんでん返しがものすごくて。みわちゃんの人生を応援したくなること請け合いです。


 面白かったです! 今後は単巻完結で「あさどら」シリーズとして続くようです。


 それではスクショタイムです!(ISBNと日本書籍コードと表紙画像)


 それではまた次回! きょむなら!

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