架空ラノベバーチャル読書会 ゲスト:佐藤ET
「おはきょむ! きょうは『しあわせ美容院』の著者の佐藤ET先生をゲストにお招きして、架空ラノベバーチャル読書会をやっていこうと思います! 佐藤先生、そちらは大丈夫でしょうか?」
「あっはい、大丈夫です。っていうかこれでいいのかな、機材知り合いから借りたんでぜんぜん自信ないんですけど。聞こえてます?」
「聞こえてますよー。ご安心ください。それではまずは執筆環境のお写真から」
(公園のあずまやの机の上にポメラが置かれている写真)
「お外で書かれてるんですね」
「あ、はい。家の中だと犬が妨害してくるので……かといって居座るような喫茶店とかも近所になくて。どこかに出かけて書くスタイルが健康にいいみたいです」
「じゃあこちらのワンちゃんはお家のワンちゃんですか」
(長毛の赤毛秋田犬の写真)
「はい。親戚が秋田犬のブリーダーで、たまたま長毛の仔犬が生まれて、ドッグショーっていうんですか? ああいうのに出せないから飼ってくれないかとうちに押し付けていったんです。『けだま』って名前です」
「けだま……すごい名前だ……」
「可愛いんですけどね、バカでっかくて困るんです。家じゅう毛だらけですし、毛替えの季節になると西部劇の転がるアレみたいになります。タンブルウィードっていうんでしたっけ」
「わかりみがとてもとても深い……架空ラノベ作家になられたきっかけって何でしょうか」
「えっと、僕、なんていうか……なにをやっても半端で投げだしちゃうんですね。高校をなんとか人並みに出たあと、アート系の専門学校に入ったんですけど、途中で学校がすごく怖くなって、辞めちゃったんです。しょうがないからアルバイトをいろいろしていたんですが、それもどれもすぐ怖くなって行けなくなってしまって。なにか続けられることはないだろうか、と思って、唯一続けてたのがスマホに思いついたことや初めて聞いた言葉をメモすることで。そのメモから小説を書いて、しびれびれ大賞に送ったら、メヂウムワークス文庫賞をいただいて」
「それが『しあわせ美容院』ですか」
「その通りです。僕の祖母がまさに昔あの手の美容院をやっていて、祖母の周りのひとにいろいろ取材して書きました。美容院っていうかパーマ屋ですね……」
「なるほどょむ~。元ネタになったメモとかって残ってたりしますか?」
「そうですねー……『貴種流離譚』とか、『ウソ科学』とかでしょうか」
「えっそんなザックリしたメモからあの感動作が生まれるんです?!」
「はい、ほかには『ビ●ン』とかもですね。沖縄のバンドの……調べてみたら島を出て高校に進学する女の子が、島のパーマ屋で髪を切ってもらう、っていう歌があって」
「ほえー……すごょむ……アイディアの出し方が独特だ……!」
「アイディアを出す、っていうか、思いついたことを垂れ流しにしてる感じですね。オリジナルの小説をちゃんと書いたのは『しあわせ美容院』が初めてです。中学のころいろいろ二次創作とかはしてたんですが、結局誰かに読ませたりはしなかったですね。というか同人誌というものをそもそも知りませんでした」
「どんな作品の二次創作をされていたんですか?」
「……ぜったいきょむちゃんにウケると思うんですけど。『モンゴリアン義経チョップ』です」
「ま、まじですか……? ナカーマ……! 国境先生! 見てますか! ここにもクニザカイストがいました!」
「なんですかクニザカイストって」
「いま作った造語です! 二次創作についていろいろ聞きたいのはやまやまですが、質問のコーナーいってみようと思います。『しあわせ美容院面白かったです。ツイッターであずみN先生と謎のやり取りをなさっていますが、意味を教えてください!』という質問です。これですね」
(ツイッターのあずみNと佐藤ETのリプライ画面のスクショ、文章は主に絵文字と擬音語)
「うわあ読者のひとってこんなとこまで見てるんです?! あずみN先生は僕がデビューしたときに大絶賛してくださった人で、嬉しすぎて語彙の崩壊した謎のリプライ送っちゃって、そしたら謎で返してきて、引っ込みがつかなくなって謎のやり取りを続けてます」
「あずみN先生の作品もお好きなんですか?」
「はい。しあわせ美容院を書くにあたり、かなり参考にしました。憧れの人がいま目の前で変なリプライ送ってくると思うと不思議な感じです。あ、特にリプ合戦に意味はないです」
「それでは次の質問です。『しあわせ美容院の、キミコ美容院や紀美子さんのモデルはあるのでしょうか。わたしの母親がまさに紀美子さんみたいなタイプで、ウソ科学や陰謀論を信じがちで困っています』という質問です」
「舞台の美容院は祖母の美容院がモデルなんですけど、紀美子さんのモデルはデビュー前バイトしていた産直センターの上司です。ウソ科学や陰謀論を信じがちで、なんでかっていうと暇があるとYouTubeでそういう動画みて、関連動画がオススメにくるから世界中そういう意見なんだと思いがちなんですよね。そういう人にはかわいい動物とかVTuberの動画を見せるといいと思います。YouTubeのオススメが浄化されるだけで陰謀論を忘れるので」
「わかりみょむ……きょむのリアル会社の同期がそんなんです……そいつ結婚して忙しくなったらそういうの忘れてましたが。きょむはあえて結婚しない勢なので」
「まあ価値観はいろいろですので。年齢とか関係ないですよ」
「そうやって言ってくれてうれしきょむです。おっさんの上司にずっといじられるので」
「価値観はともかく、年齢ばれますよ」
「きょむの年齢は禁則事項ょむなので……」
「お約束のやつでしたね」
「おほん。では最後の質問です。『主人公がメチャメチャオシャレな人なのに、実家に帰って伯母さんの美容院に勤め出したとたん服装がダサくなった理由がよく分かりません。なんででしょうか』という。あーこれ、分かる人とそうでない人がいそうですね」
「詳しく主人公の内面について描写すればよかっただけの話なんですよね。ごめんなさい。これはですね、東京だとオシャレな人が歩いててもだれも気にしないですけど、田舎だとちょっと変わった服を着てるだけで変な目で見られたりちゃんとしたもの着なさいって言われたりするんです。『下●物語』とかを観てみるとよくわかると思います。でも確かにブランドものの服からしまむらのシャツとズボンっていうのは極端でしたかね」
「わかりみがとても深いです。田舎ってそうですよね……それでは、朗読のコーナー行ってみようと思います。では『しあわせ美容院』245ページから、隣県の全寮制の高校に進学する女の子・真美ちゃんと主人公・孝太郎の会話を、きょむが真美ちゃん、佐藤先生が孝太郎を読みます」
「よっしゃ」
◇◇◇◇
「高校サ進学したら、もう孝太郎さんに髪切ってもらえないんですね」
「そうかな。休みとかで帰ってきたら会いに来てけれ」
「……そうしたい、ですけど。でも、孝太郎さんはいつか都会サ行ってカリスマ美容師になるんですよね」
「大丈夫。俺はずっとここにいるよ。真美ちゃんが来たら、いつでもダッサい一中カットにしてけらぁ。俺は、真美ちゃんを待ってるよ。大人になったら俺の最先端の技術で、カラーとパーマもやるべ。町で一番カッコイイ髪型にしてけら」
「わかりました。休みがあったら必ず来ます。ダッサい一中カット、期待してます」
◇◇◇◇
「はー楽しかった!」
「きょむもです! では、今後の予定などありましたら、差し支えない程度に教えてくださればと思います!」
「えーと、とりあえず『しあわせ美容院』一巻に大重版がかかりました。きょむちゃんのおかげです。ありがとうございます。それで、続編をいま書いているところです。さらなる問題が孝太郎たちに襲いかかります、といっても平和な田舎のパーマ屋のお話なので、結局のところ平和ですが」
「なるほどょむ。期待して待とうと思います」
「せっかく唯一投げ出さずにできることなので、頑張りたいと思います」
「それではご視聴ありがきょむでした! きょむなら~!」
「きょむなら~」
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