　おはきょむ！　六月じゃないですかやだー！　東京の六月ってなんでこんなジメジメするんでしょうか。やだー！　とにかく架空ラノベ紹介していきます、きょうはこれです！

「タクシー運転手、異世界に転生して話術で成り上がる！」著・もろおかいるか　イラスト・葉　セイリューブックス

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　タクシー運転手、異世界に転生して話術で成り上がる！　あらすじ

　中年のタクシー運転手、中島年秀は、ある日回送中にトラックと正面衝突し、異世界に転生する。生まれ変わった先は冒険者を乗せる馬車の御者で……？

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　単純に言ってしまうとタクシー運転手さんの話術ってすごいよなあ、というお話です。地元のグルメに詳しかったり、有名な観光名所が意外とガッカリ名所なのを知っていて本当の見どころを教えてくれたり、移動の間退屈しないくらいお喋りが達者だったり。

　年秀さんは大手商社に勤めていたのがリストラされてタクシー運転手をやっている、という設定なんですけど、そもそも大手商社時代から話術が達者だった、みたいな描写がたくさんあります。恐らく営業マンだったんですね。そのスキルをタクシー運転手の仕事に活かして仕事をしているのですが、あらすじ通りトラックと激突して転生してしまいます。

　そこでトシさんのついた仕事が冒険者を危険な土地に送っていく馬車の御者なわけです。冒険者たちにいろいろな情報を教えたり、逆に冒険者からモンスターやダンジョンの噂を聞きだしたりして、情報通になり、次第にトシさんの馬車を指名してくるＳランク冒険者、みたいのが現れます。そこからの成り上がりが気持ちいいんです。

　シンプルな異世界転生成り上がりものなんですが、しかし目の付け所が面白い。話術で成り上がる元タクシー運転手というのはなかなか面白いです。遠くから来た冒険者に名物料理や観光スポットを教えながら、「これって転生前と同じ仕事じゃねえか……」とぼやいたり、なんというか中年なのがせつない。

　最終的に勇者のパーティを魔王の前まで送っていくんですが、魔王が昔勤めていた大手商社の社長と同じ顔というのはすごく笑いましたよね……。

　あとほかの要素としては、トシさんの異世界における家族の描写がとてもいいです。現実世界では離婚され子供を元妻に連れていかれ、という境遇なのですが、異世界ではきれいな奥さんと可愛い子供が三人いて、すごく幸せそうなんですよね。成り上がりものにスローライフを合体したような印象を受けました。テンプレと言われたらそれきりなんですけど、細かい描写が面白いです。馬に向かって「ガソリンは食わないが草めちゃめちゃ食うな？！」とか。

　なかなかの良作でした。面白かったです！

　それではスクショタイムです！（ＩＳＢＮと日本書籍コードと表紙画像）

　それではまた！　きょむなら！