「きみは、ぼくのともだち」 SA文庫

 おはきょむ! ついに電書に手を出してしまいました! 物理的に積まないから本棚がたわむ心配しなくてもいいのはアリですね。でもやっぱりきょむは紙の本が好きですが。


 きょうも架空ラノベ紹介していきます! きょうはこれです!


「きみは、ぼくのともだち」著・大井磯野 イラスト・七石恭太 SA文庫


 ◇◇◇◇

 きみは、ぼくのともだち あらすじ

 貧しい境遇でいじめられ孤独に過ごす少年、ナオ。ある日ナオはゴミ捨て場に一台のラブロイドが捨てられているのに気付く。ラブロイドは別に壊れたわけでなく、ただ不要になったから捨てられていただけだった。ナオは、そのラブロイドに名前をつけ、友達になるが……?

 ◇◇◇◇


 はい、以前名前を覚えた大井磯野先生の過去作です。なんせ刊行が十年ちかく前なので、電書しか入手手段がありませんでした。古本はきょむとしては反則だと思ってるので……。あと表紙の昔懐かしいばちばちの萌え絵がなんともいえない時代の薫りがしますね。


 主人公のナオは「チョコレート」中毒の母親と二人で暮らしていて、その「チョコレート」がなんなのか想像すると悲しみしかないんですけど、ナオはそれをチョコレートとしか認識していません。ナオはライトノベルの主人公としてはちょっと幼い9歳の男の子です。


 ちょっとだけ未来の世界が舞台なんですけど、ラブロイドってまあ名前で用途を察していただくアンドロイドがお金持ちのオモチャにされていて、それがゴミ捨て場にあるシーンから物語は始まります。ナオは、その旧式ゆえに捨てられた少女と友達になります。母親が勤めに出ている隙に家に連れ込み、充電して、押し入れに隠します。そしてそのラブロイドに、ミーコと名前を付けます。ここから、ナオとミーコの奇妙な友情が始まります。


 ミーコはときどきフラッシュバックでひどいことをされているのを思いだしたりするバグがあって、旧式でそのバグを解消するアップデートができないんです。時々暴れ出すミーコを、ナオは必死で隠し、金目の物があれば何でも中古屋に放り込む母親からミーコを守り、ミーコと友達でいようとします。ミーコは人間社会の仕組みがよく分からない程度の知能しかなく、そんなミーコとナオは喧嘩したり、謝りあったり、不思議な友情が紡がれます。


 でもミーコの充電で電気料金の請求額が増えたことに気付いたナオの母親は、ナオが学校に行っている隙にミーコを見つけてジャンクパーツ屋に売り飛ばしてしまいます。もちろんミーコは解体されて、ナオは絶望してランドセルを置いて家を飛び出します。そこからの展開のジェットコースターぶりがすさまじいのです。きょむ、例によって列車のなかでタブレット持って泣いてる変なひとになってました。ラストのカタルシスがすさまじすぎて、二~三日変な人になってましたね……これからも大井磯野先生の過去作漁ってみようと思います。


 電書なのでいつものスクショタイムはありません! 「大井磯野」で検索してみてください!


 それではまた次回! きょむなら!

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