　結局は運だ。やはり運だ。勉強にしても、夢にしても、いくらやったって、１００%などないのだから。運も実力のうちとはよく言われることであるが、きっとそうだ、そういうことだ。

　わずかばかりの運によって、今まで幻想であったものが希望に見えるようになる。もしかしたら、嘘でなく、本当に届くかもしれないなんて。月みたいだ。決して届かないと諦めていたであろう古代人も、もし現代の夢を見たならば、月に行くことは幻想から希望へと彩度を上げるのだろう。望めばどこまでもカラフルになれる、可能性に満ち溢れた未来が待っている。そこにおいて、誰かの夢は現実味を帯びる。私の夢も、もしかしたら。