第497話 まずは、お友達から
リューとベアトリーチェ、マグダレイアとヘレンは、いつまでも訓練場で立ち話も何なので、どこか落ち着いて話せる場所へ移動しようと言うことになった。
マグダレイア 「それにしても……あの時の不思議な感覚、母が言ってたのはアレだったのね」
ベアトリーチェ 「お母様はなんと?」
マグダレイア 「里には竜人しか居ないから分からないだろうけど、外界で竜人族同士が遭えば、感覚で分かるはずだ、と」
リュー 「なぁ……マグダレイアだっけ? 距離、近いんだけど?」
マグダレイアが、リューが竜人だと知ってから、妙に近い位置に立つのである。なんなら腕を絡めてこようとさえする。
ベアトリーチェ 「あら、リーザったら? 運命の人をみつけた感じ?」
マグダレイア 「ちょ、リーチェ、黙ってて」
ベアトリーチェ 「リュージーンさん、どうやらエリザベータ・マグダレイアは、あなたに惚の字みたいですよ?」
リュー 「はぁ? 惚れた? さっきまでレイプ犯だって思い込んでたのにか?」
マグダレイア 「それは、だから、謝ります、本当にごめんなさい…」
ベアトリーチェ 「まぁまぁ、レイアは騙されただけだから、普段は冷静でしっかりした子なのですよ?」
リュー 「あんな簡単に騙されるような奴は、問題だろ」
ベアトリーチェ 「それも純真さの現れじゃないですか?」
マグダレイア 「確かに、出会いは最悪でした、嫌われても仕方がないと思います。本当にごめんなさい」
リュー 「もう分かったから、何度も謝らなくていいって言ってるだろう?」
マグダレイア 「いいえ、何度でも謝ります。
そして、これから、挽回できるよう、好きになってもらえるよう頑張ります。
だから、チャンスを頂けませんか? まずはお友達から!」
リュー 「友達も間に合ってるよ」
マグダレイア 「そんなぁ…」
ベアトリーチェ 「ほら、レイア、こういう時こそ女の武器を使って…」
リュー 「女の涙には騙されんと言ったろう?」
ベアトリーチェ 「あら、手強いですわね」
マグダレイア 「私は、演技で泣いてみせるなんて、そんな器用な事はできませんから……できたとしても、そんな不誠実な事はすべきじゃないと思います」
リュー 「……へぇ。少しだけ、見直した」
マグダレイア 「じゃぁ?!」
リュー 「少しだけ、な! まだマイナスだよ、お前の印象は」
マグダレイア 「そんなぁ……」
ベアトリーチェ 「その、リュージーン様、そこまで邪険にされなくても……」
リュー(ジト目) 「……」
ベアトリーチェ 「まずは、お友達から始めてみたら…」
リュー 「……」
ベアトリーチェ 「……」
マグダレイア 「……」
リュー 「……とにかく。
俺達は、今日、いや昨日か、会ったばかりだ。お互いにどんな人間かも知らん。友達になれるかどうかも分からん状態だろう?」
ヘレン 「ま、まぁ、まずは、お互いにどんな人間か知るところから始めてみたらいかがですか?」
リュー 「いいだろう、俺のことを教えてやろう、まず一つ目。俺は押し付けがましいのは嫌いなんだよ。相手の意志を無視して友情や愛情を押し付けてくるような輩は嫌いなんだ。ふたつ目はない、以上だ。
だいたい、無実の罪を着せられ、問答無用で殺されそにうになったんだぞ? そんな相手に好意を持てるわけだろう?」
マグダレイア 「…っ、分かりましたわ……」
ベアトリーチェ (これは、かなり手強そうね……)
リュー 「で?」
ベアトリーチェ 「?」
リュー 「俺は、伯爵の依頼でここまで来たんだが、まだ依頼の詳しい内容を聞いていないんだが?」
ベアトリーチェ 「あ…そうでした……」
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次回予告
アルバ再び
乞うご期待!
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