第422話 襲撃決行、結果は……
ギルドの受付で依頼の受任手続きをしたリューは早速ダンジョンへと向かった。
今回はリューとランスロットの二人だけである。ミィも誘ったのだが、今回は足手纏になりそうだからと遠慮したのだ。ヴェラも今回はパスということだった。(パーシヴァルとエヴァンスは「面白そうだったら出る」とのことだった。)
ヴェラとミィを呼びに宿に戻ったため、狩風より少し遅れての出発となったが、リューは転移でダンジョンへ移動してしまう。当然、この時点ではまだ狩風はダンジョンへの移動途中であり、追い越された事に気づいていないのであった。
* * * * *
ダンジョン入口の簡易受付で入場者を記録してもらい、中に入るリュー。直接ダンジョンの任意の階層に転移で移動してしまう事もできるのだが、今回は調査目的なので、一階層から順に見ていく。
そして、リューたちがダンジョンに入ってから大分遅れて狩風がダンジョンに到着した。だが、入場記録を見て驚愕する。自分達の前にリュー達の名前があったためである。(マイオ達はリューが転移を使える事を知らない。)
マイオ 「どこで追い越された?」
オックス 「あんなに馬を飛ばしてきたってのに、どういうわけだ……?」
ベニー 「空でも飛んだのか?」
マイオ 「なるほど、空を飛ぶ騎獣を持っていた可能性はあるか。何にしても、急いで追うしかないだろう」
* * * * *
どんどん階層を進んでいくリューとランスロット。
第一階層、第二階層は、ポツポツとゴブリンなどの魔物が
リューとランスロットは、積極的に襲いかかってこない限りは、弱い魔物はスルーしてどんどん先へと進む。ランスロットが気配を隠していない事もあって、弱い魔物たちも強者の気配を感じて寄っては来ない。
階層ボスも瞬殺して、さらに進んでいく。
三階層目、四階層目も同様で、魔物は徐々にリポップしているようだが、特に多いという印象はなかった。
五階層目、六階層目。
五階層目からは前回潜った時に魔物を狩っていなかったので、またリューは収穫作業を行っていく。階層全域を神眼でサーチ、発見した魔物の魔石を転移で抜き取り、さらに魔物の死体も転移で亜空間に収納してしまう。
リューが入口に立っただけで、その階層の魔物は殲滅され居なくなってしまうのであった。
階層ボスも瞬殺し、六階層目、七階層目、八階層目とズイズイ進んでいく。
だが、五階層目は魔物はやや多いかなと思ったが、先の階層に進むと、それほど多くはない感じであった。この程度の数であれば、標準的なダンジョンの魔物の数と変わらない。むしろ、少ないくらいだろうか。
十階層目まで進み、魔物が溢れていない状況を確認したリューは、街に戻ることにした。
ただ、転移で一気にダンジョンを出る事はせず、第四階層に移動した。第四階層にマンドラゴラがリポップしているのに気付いていたためである。四階層目までは収穫作業をせずにスルーしてきてしまったので、帰りに収穫して帰ろうと思ったのだ。
* * * * *
第四階層の草原フィールド。
リューがマンドラゴラを探知し、収穫しようとしたその時……危険予知能力によってリューは攻撃を察知した。
予知による警告はかなり危険、緊急事態レベルである。
一秒後にかなり強力な攻撃が襲ってくる!
瞬時にその場から移動するリュー。
一瞬遅れて、リューの居た場所に雷撃が降ってきて、地面を黒く焼いたのであった。
天から電撃を降らせる、通称「天罰の雷」。これは、マイオの必
オックス 「おい、躱されたぞ?」
マイオ 「馬鹿な、光の速度で襲いかかる雷撃を躱す事などできるわけがない。たまたま、移動したのだろう、運がいいヤツだ」
これまで一度もマイオの雷撃が外れた事はなかったため、偶然だとマイオは考えたのだ。電気の速度はこの世界でも光と同じくらい速いと言われている。目で見てから躱す事など不可能なはずだったのだ。
オックス 「おい、もう一度だ、早くしろ、気付かれるぞ!」
マイオ 「ダメだ。あの魔法は魔力の消費が大きいんだ。連発はできん」
オックス 「ちっ。どれくらいで次が撃てるようになるんだ?」
マイオ 「五分ほど休めば、もう一発は撃てるようになるはずだ。と言っても一割も威力が出ないが。だがそれでも動きを止めるには十分のはずだ。その間にオックス達がトドメを刺してくれ」
オックス 「分かった。それまで連中を逃さないようにみはっ……」
だが、遅かった。
岩の影に隠れていたマイオ達であったが、いつのまにか背後にリューとランスロットが立っていたのだ。
リュー 「誰だ、お前達? なんで俺を狙った?」
オックス 「うぉ! 見つかった!」
マイオ 「完全に気配は消していたはずだが」
オックス 「ベニー、またお前がミスったんじゃねぇのか?」
ベニー 「ちゃんと気配は消してるよ!」
もちろん、リューの神眼で居場所はすぐに判明したのであるが。最近、リューは自分に向けられた細かい殺気や敵意も感じ取れるようになっていたが、それも神眼の能力の一部のようである。
ランスロット 「誰だと聞いているのですが? まぁ、答えないなら答えないでもいいですかね。リューサマ、殺ってしまいましょう」
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次回予告
「嘘つきめ」
「嘘じゃない!」
「俺には、嘘を見破るスキルがあるんだが?」
「え゛」
乞うご期待!
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