実はとても大きなダンジョンでした
実はとても大きなダンジョンでした
サリの吸引力の減らない唯一の武器で無理矢理穴を開けて降りていくというとんでもない不正な方法でダンジョンを下っていく。
第3階層までは同じような造りだったが、第4階層に穴を開けるとその下には街並みが広がっていて、それまでと違い軽く10m以上の高さがあった。
さすがに戦闘員達はロープを使って下っていく。
「これは素晴らしい! これなら使えますよ。前線基地として……いやむしろ本拠地にも出来そうです!」
石造りの建物が軒を連ねており街としては結構な規模あるが人気は全くない。
少し調べてみると、どうやらここを根城にしていた人間が居る様子もあった。
アッキーはメモを書きまくっていた。
どうやらレポートを書いているらしい。
「お待たせ致しました。では次の階層に行きましょう」
あらかた書き終わると、床に穴を開けて進むのだった。
「はぁはぁ……、なんか色々と酷い目に遭ったよ……皆さん怪我とかはない?」
モンスターが居るわけでもなく、トラップの類もないのに何故か全員が疲れていた。
第5階層では一面が水で気付かずに飛び降りサリとアッキーはまともに泳げず大変な目に遭い、なんとか地面を見つけて第6階層に降りると今度は一面の森で降りた先で変な動物が居て追いかけ回されたり、7階層では氷ばかりで乾ききっていない状態で降りたので危うく凍って死ぬところだった。
やっとの思いで第8階層に辿り着くと浅い階層と同じようなブロック状のダンジョンになり、全員疲れて休憩をしていた。
「少し侮っていたかもしれません……。それにしても水に森、氷まであるとは……拠点としてこれほど便利なものはありません……是非ともこの迷宮を手に入れるべきです」
「そんなに簡単に手に入るものなの?」
「ここは閉鎖しておりますから通常の人間共は入ってこられません。我らだけが入れるのですから奪うのは容易いかと。もしここが拠点となればサリの迷宮とかサリの大ダンジョンと命名されるはずです」
「なんと!? そ、そっかぁ……サリ様のダンジョンかぁ……、よ、よし! じゃあもう少し休憩したら、更に調査を進めるのだ!」
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