第121話  再起動オリオン

 今日は朝からジュダ達の屋敷の方に総出で向かっていた。大輔達の方は大輔のパーティーと、ガラグが同席する事になった。そして今後の身の振り方について2週間考えて欲しいと言い出したが、既にどうするかもう皆で話し合って決めたと言う。抜けるのは3名だけだった。1人は引退し2人は兄弟がいるところに移籍すると言う。

 そしてエニーは晃のパーティーに入る事になった。そしてグラッグも団に残ると。


 またこれから墓を作ることになった。誰のかといっても女神だ。体の一部が残っているわけではないとはいっても部屋を探すと毛髪が数本見つかった。何本かはケースにしまいジェダが首から下げるネックレスにして肌身離さず持ち歩くと。彼女のファーストだった元団長が告げた。


 残りの髪を遺体代わりにケースにしまい、墓の中にしまう事にした。また女神の部屋はそのままにして置く事になった。


 そして分隊の方の分隊名を付けることになった。元の団の名前は残さない事となったからである。


 晃が名前をつけなければならなかった。少し悩んだが安直な名前になってしまった。オリオンにしたのだ。そうオリオン座のオリオンだ。


 昨日ギルドマスターとも確認したが人数の事もあり、元の団員のほぼ全てが残留するので屋敷はそのまま使い、名目としてはイザベラの持ち物になると言う。一気に屋敷二つ持ちだ。屋敷の距離は大して離れていなかった。イザベラは最初に与えられた屋敷は正式にケイトに譲った。それでようやく手続きが終わったところであった。


 脆かった本館の方があっという間に修繕されていてまともに住める屋敷となっていたので皆驚いていたものである。


 晃のパーティーにようやく魔法を本職として使える者のが加わったのだ。

 晃も魔法を使えるが、自力で覚えたものではない。エニー は魔術師に師事し学んで覚えた魔法である。


 晃のように魔導書などで手順をすっ飛ばし無理やり覚えたのとは訳が違う。基本的に同じ魔法を放った場合きちんと学んで魔法の仕組みを理解している方の方が威力が高いものである。


 エニーはパーティーの司令塔になる。普段の決定はパーティーや団のリーダーである晃の肩にかかってくるが、戦闘中となると頭の回転の速さで頭の良さからエニーが適任であるという事をあきらが道中感じていた。


 晃が猪突猛進で突っ込んでいくタイプで、気が付くと周りにはモンスターしかおらず強引に力任せで切り抜けていくという事が多かったのである。


 ただ、今まではステータスの関係で蹴散らすことができたが、これから更に下の階の方に向かうにつれて力の強い魔物が現れてパーティー全体で対処しなければ倒せないものと遭遇する事にもなってくる。


 そうすると今のままでは命がいくつあっても足らないのである。司令塔がいるのといないのでは段違いだ。


 そして大輔達への報酬となったが大輔は断った。十分道中に経験も積ませてもらったし、魔石も大量に確保できていて今ので十分利益は得られていると。本来であればまだ向かうべきではないような階層にまで来れて良い機会だったと。逆に自分がたちがピンチになった時に助けてくれればいいかなとなり、お互い様じゃないか!ということで屋敷の修繕があるからとそそくさと引き上げていったのである。

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