第117話  仰天

 大輔は晃達が予定外の事があり今夜は34階層で過ごす事と、体力の有るパーティ2つを送り込むとしてガラグともう一つを指定していた。

 誰も何も言わず、行ってらしゃーいと送り出していた。


 エニーは晃がいない事に不満だったが、装備の回収に時間が掛かり、心配するからと大輔達が先に戻って来た位にしか思っていなかった。


 ただ、今日は大輔が酒を出した。何樽か収納に有ったのだ。先日奪った輜重の中に混じっていたから、あまり旨くないぞと言うも、予め樽ごと氷水を張った桶に樽を置いておいたのだ。皆何だろうとは思うも、まさか酒だとは思わず、酒を振る舞うと大いに盛り上がった。


 大輔は晃に6人の事を伝えてくれと言われていなかったのだが、クレールが言いそうになったので


「明日のサプライズに取っておこう!顔を見た皆の反応が楽しみだ」


「えっと、あなた?サプライズってどう言う意味?」


「ああ、驚かそうって事だよ。それに今分かったらさ、皆が34階層に戻りかねないならな」


 分かったのか分からなかったのかクレールは引き下がった。

 回収した装備は地上に戻ってから渡す事になった。


 明日も頑張らないと行けないので早々に休む。


 晃はソレイユとレヴィに挟まれて寝ていた。助けた6人は食事をすると即寝ていった。体力回復が急務だからだ。


 彼らが寝た後ガラグ達が来て3人一組で見張りをする。晃はソレイユとレヴィ、ローラン、レオナ、グラッグの組みといった感じた。


 時間は18時位だった頃に6人が寝ていった。その為4時に出発する感じになり、魁としてカラグのパーティが魔物を倒してくれていった。


 お陰で晃はただ進むだけだった。そうして皆が出発する前の8時に30階層のセーフエリアがもうちょいの所に来た。が、しかし運が悪く主が復活してしまい、弱っている6人をターゲットに選んでいた。 晃は既に極大魔法を発動した。


 晃はサイクロプスの進路に割って入り、皆を逃し、ソレイユもレヴィも全員を護衛につけた。特にレヴィが反対したが、6人は体力的に回復できておらず足が遅い。晃が食い止める以外に無事に逃す術を思いつかなかった。


 ソレイユが飛び出して救助を求めに出た。足の早いグラッグも同行した。皆に張り付くよりは応援をいかに早く呼ぶかが大事と判断したからだ。2分掛からずにセーフエリアに着いていた。


 晃はヒットアンドアウェイで攻めては引いてを繰り返していた。前回の時とは獲物が違った。かなり厚みのある片刃の曲刃の大剣だった。


 中々倒せれなかった。かなり素早く、色が違い灰色だった。やがて270秒が訪れて主が消えて魔導書と大剣、魔石に化けた。


 駆けつけたカラグ、ダグラス、大輔と主要メンバーが最後の30秒を見ていたが、ランク8相手に一人で戦っていた晃に呆れていた。この中で最高レベルのダグラスでも単独は無理な相手で、灰色サイクロプスは最悪な系統だったと後で教えられた。晃の持っている加護に仲間の危機に際して真価を発揮するのがあるのだが加護が仕事をしたのであった。


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