第99話 強敵
晃はセーフエリアを出る前に円陣を組んでいた。皆よく分かっていなかったがノリで参加した
「よし、皆生きて三重芯団の所に行くぞ!エイエイオー!」
そしてセーフエリアを出る。丁度ケンタウロスがいて
「邪魔たど失せろ!」
少し興奮していた晃が頭に回し蹴りを決めた。皆呆れていた。顔は220cm位の所だが、飛び跳ねていたからだ。
ひとまず34階層のセーフエリアを目指した。
やはり魔物避けの効果は絶大でどんどん進んでいた。
しかし、33階層では運悪く前方からと後方からも魔物が来た。ポニー位の大きさの人面馬で、涎を垂らしニヤけているかなりキモい顔だ。晃が前方を受け持ち、他は後方だ。
晃は雄叫びを上げながら突っ込んでいき、両手に掴む剣をひたすら振っていた。
前方を倒しきり後方に向かう。するとレヴィが飛んできた。受け止めて転移で奴らの只中に突っ込んでいき、晃は鎌鼬を出しまくった。
既に4人共酷い怪我をしていて、レヴィが慌てて治療をしていく。晃が食い止めると信じたから治療に専念していく。
程なくして晃は倒しきって、魔石を集めて階段に向かう。レヴィのヒールの威力が本人も驚きの強さだったので、魔石を拾った時にはもう傷は無かったのだ。
想定内の状況ではあるが、エニーが傷ついているのは耐えがたかった。と言うより血を見て気を失い掛けていた。自分の血は大丈夫だったが、人の血は駄目だった。そう、治療している所を観ていられなく、顔を背けていた。傷が完治するとクリーンを掛けていた。
階段近くだったのだが、更に後ろから魔物が来ている気配がするので、一気に階段に向かい走る決断をした。
「後ろから来てるから走って!」
一目散に駆けて行く。
殿を晃が努めて鎌鼬で倒しつつ走り、追いつかれる直前に何とか階段を降りた。20頭はいたから、乱戦必須だった。戦えば勝てるのだが、エニーが傷つく姿を見たくなく、逃げる選択をしてしまっていた。
皆息が切れてゼイゼイと喘いでいた。
階段近くにあるセーフエリアに何とか辿り着き、しばしの間休憩を取る。
今走った分の疲れが取れるまで横になっていた。疲労がうかがえるが、今が踏ん張り所だ。
一時間位経過しただろうか、お腹を満たし再出発だ。
幸いそこからは魔物を避けながら進む事が出来た。
そして38階層に来た。目的地まであと僅かだった。
10分位先にセーフエリアがあると言い、慎重に進む。
不思議と魔物がいなかった。避けたとかではなく、居ないのだ。
そしてもう目の前だとなった時、晃は急に嫌な予感がして一旦歩みを止め
「嫌な予感がするんだ。何かいる気がする。警戒を」
そしてセーフエリアは角を曲がった直ぐという。先程から時折ゴーンと何かが響く感じの音と振動があった。そして最大限警戒しつつ曲がると何かが壁を叩いて壊していた。かなりでかい奴だ。
気が付くと晃は壁に叩きつけられていた。胸には岩があった。どうやらデカブツが岩を投げてきて避けられずに喰らってしまい、吹き飛ばされたようだ。
ぐはっと呻き岩を投げ捨てて対峙する。
「うそ、何でこいつがいるのよ?」
40階層の主だそうだ。団長が40階層で食い止めていたのがこれだった。
晃はやばいと感じ冷や汗が背中を伝う。
身の丈4m、三つ目で腕が4本のトロールをでかく強くした感じの奴で、ヴァルムという。
晃は皆に下がるよう指示し、鎌鼬を投げつけるも表面に付いた傷は瞬く間に癒える。無手だがかなりの膂力で、捕まったらアウトだと思われた。
見た瞬間から極大魔法を展開していた。皆晃が魔法を展開し始めたのが分かるが、先程見た少し開けた場所まで後退していく。
晃は果敢に攻め始めるが、剣で切り裂くも腕を切断するに留まる。
やばいとしか感じない。
直ぐに切断箇所が再生したからだった。
残り230・・・
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