　フィクションだとしても、これは書いていいことだろうかと悩むことがあります。

　それを読んだ人が気分を害さないか、傷つかないか、そんなことを考えるからです。

　ノンフィクションのエッセイだと、尚更悩みます。

　フィクションなら登場人物の気持ちになって書くので、自分の考えだけでなく、俯瞰して書くことができます。だから、こういう考えの人もいるなあと、書いている私も読者さんも、まだ客観的に思えるのではないかと思います。

　でも、ノンフィクションでは、作者の考えそのものが投影されてしまうので怖くなります。

　特にデリケートな問題だと、持論を述べていいものかと悩んで、結局書くのをやめることがあります。

　そんなことを考えるようになったのは、実際に炎上してしまったエッセイを見たからかもしれません。作者さんに悪気はなくても、受け取る方がそう思わないこともあるということを体験しました。難しい問題だなと思います。

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