調印式
----------
魔族神族間調印式
----------
どうしてこうなった?
スラーパァはペンを持ちながら震えていた。
目の前には数枚の誓約書、その向こう側には魔王とその部下『七つの冠』がいた。
魔王よりも少々実力は劣るが、3級以下なら確実に負けるだろう。そんなのが7人もいるのだからたまったものではない。
スラーパァの後ろには1級神族が大人しく座っていた。
『死』のデスヘル、『時』のイズ、『次元』のネイン、『命』のガイア、『宇宙』のザ・ティス、『創造』のカオス、『有無』のユミル。
どれも敵対すれば確実に勝てない存在のはずなのに全員の頬が腫れていた。おそらく魔王のせいだろう。
スラーパァはそんな恐るべき力を持った存在に挟まれた状態で誓約書のサインを書かされるようとしている。
魔王側が時間を指定して会場の設営を押し付けられ、時間になったら向こうからこちらの『領域』に入ってきた。
一度入った場所には例え異次元でも行き来を可能に出来るとか言っていたがあまりの規格外に半分聞き逃した。
スラーパァは走馬灯のように直前の事を思い出しながら誓約書に名前を書いた。
予備としてこの場にいる全員分の枚数同じ誓約書にサインし、その後魔王もサインする。
1級神族と七つの冠、スラーパァと魔王の力が込められた誓約書は成立した。
その日、たった一つの存在に神達は屈服した。
真の『魔王』という存在に。
・・・・・
調印式を終えた魔王は独り、とある場所に来ていた。
小鳥が鳴く平和な森の中、目の前には小さな墓石が一つ。
墓石の前に供え物を置き、黙禱する。
「……ようやくだ。あんたの故郷を見つける手筈が整ったよ」
どこか寂しげな口調で語る。
「もう魂も無いけれど、遺骨だけは返せそうだよ……」
「喜んでくれるか?
----------
お読みいただきありがとうございました。
次回から本格的に転移転生者のお話に突入します!
お楽しみに!
もし気に入って頂けたなら、☆☆☆からの評価、♡の応援、感想、レビュー、ブックマーク登録をよろしくお願い致します。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます