第3話戦いの果てに

龍生はこの前と同じ山道に立っていた。今日は制服ではなく、着物と袴である。大婆曰く、陰陽師が戦う時の正装であるそうだ。

 そしてしばらく経つとリーン、リーンと鈴の音が聞こえ、あの男が姿を表した。

「どれ小僧、少しは腕を上げたか?」

「お前のせいで期末試験むちゃくちゃだったんだぞ! 絶対倒してやる!」

「面白い」

男は次々と火の玉をぶつけてきた。龍生は難なくかわした。

龍生も氷の人形を飛ばした。男に届く前に全部粉々に消し飛んだ。そして男は何やら呪文を唱え始めた。

龍生の足元から何本もの手が現れ、龍生の足を掴んだ。見動きが取れない所へ男が火の玉を放ってくる。龍生はブロックしたがいくつか被弾した。

「ふむ、確実に仕留めた方が良さそうだな」

男は火の剣を出すと龍生に向かって突っ込んできた。あと2メートル、1メートル。龍生はこの時を待っていた。大婆からおそわって唯一使えるようになった技。

「斬!」

龍生の氷の刃が男の腹に突き刺さった。男の動きが止まった。龍生の脇腹に痛みが走った。

「見事だ、正当後継者よ」

男の姿が消えて、人形の燃えカスが残った。

「奴も人形だったのか!」

あれ程の人形を使える正当後継者がいるなんて! 大婆よりも凄腕かもしれない。とにかく龍生は家に戻ることにした。あちこち痛いし、血は出てる。早く自分の部屋に帰りたかった。

部屋に帰って電気をつけると、

「きゃっ!」

て声がした。なんとひびきが彼氏とよろしくやっていたのだ。

「あんた! 帰ってくるのが早すぎるのよ! 早く出ていきなさいよ!」

姉の裸を見て不覚にも龍生は勃起してしまった。

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大和一族の掟 ヒロ @hirosikosikosiko

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