大和一族の掟

ヒロ

第1話正当後継者

大和家13代目当主正当後継者、 大和龍生やまとりゅうせい。平安時代安倍清明の流派を汲む大和家であるが、龍生はただの中学生である。時々着物や袴を着て外を歩いていたり、家ではお香を炊いてるので、同級生から、あいつやばい宗教に入ってるのか? と噂されている。とにかく1週間後には期末試験が始まる。勉強しなくては。龍生は家に向かって歩を進めていた。

家に繋がる山道に入った瞬間、リーン、リーン、と鈴の音がした。何だろうこれは。それに周りの鳥たちが一斉に飛び立った。何より、気配がおどろおどろしい。前を見ると、頭に編笠を被り、杖をついている男が立っていた。虚無僧の様な格好をしている。その男が鈴を鳴らしている。

「何と!」

男が口を開いた。

「あの、おじさん誰ですか?」

「こんな小僧が正当後継者とは!」

男は怒りで震えているようだった。

来る! と思ったときは遅かった。男の顔が眼前まで迫っていた。そして片手で首を絞められた。華奢な体つきからは想像できない万力のような力であった。

ちょっと待って! まだ童貞なのに! 死にたくない! 龍生は必死に逃れようとした。その刹那、男の手が緩んだ。龍生は思いっきり咳き込んだ。男の手に蛇が巻き付いていた。蛇は男の手を絞めようとする。

「こしゃくな」

男は蛇を投げ捨てた。蛇は人形ひとがたの姿にもどった。

「面白い、小僧。貴様に猶予をやろう。半月後またここに来い。決着をつけようぞ」

男の姿が消えた。

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