設定資料集Ⅸ 人物紹介・専門用語解説集

【人物紹介】

 ・篠原圭吾(しのはらけいご)

 七条家警護部隊幹部クラスの男性。年齢は四〇代手前。二児の父でもある。普段は七条家の警護部隊として当主の護衛にあたることが多いが、作中では孝弘の護衛を担当。出身地は三重県北部の方。自宅は井口市文教区の方にある。

 元陸軍所属。

 趣味は息子や娘とやるゲームとDIY。ゲームの方は子供達とやる中でかなり上手くなっており、息子や娘曰く「お父さんの方がガチ勢」と言わせるほど。DIYについてはそこそこの腕前。本棚くらいなら楽勝で作れるらしい。


 ・木戸光里(きどひかり)

 七条家警護部隊幹部クラスの女性。年齢は三〇代初頭で璃佳より少しだけ上。生真面目な性格。普段は七条家の警護部隊として当主及び当主奥の妻の護衛にあたることが多いが、作中では孝弘の警護を担当。運転手も担当した。

 出身は名古屋市緑区。孝弘の自宅がある場所からやや遠いが、何度も千種区の方は通ったことがあるらしい。今の自宅は井口市文教区。元海兵隊所属。

 趣味は編み物。衣料店で売っているようなマフラーを作るのもお手の物。


 ・戸山昇(とやまのぼる)

 七条家護衛部隊の男性。作中では七条本家に向かう時に孝弘と水帆の乗る車の運転手を担当した。警護部隊所属の歴は約一五年と長く、璃佳の大学生時代を知るくらいである。高校生時代の言及は無かったが、その頃も知っているらしい。

 プライベートでは妻と一人の息子がいる。息子は2036年時点で高校二年生。昨年、無事清秋学院大学附属高校に合格した。

 趣味は将棋。アマチュアクラスではあるものの、中々の腕前とのこと。


 ・香椎透(かしいとおる)

 七条家護衛部隊の男性。上記三人の中で年齢が一番近いのは木戸。璃佳より少しだけ上。

 作中においては孝弘の警護役の一人だった。

 趣味はビリヤード。護衛部隊の何人かと定期的に遊ぶことがあるらしいが、その中でもダントツに上手い。


 ・七条由香里(しちじょうゆかり)

 七条本家当主、七条真之の妻。年齢は五〇代半ばであるが、四〇代初頭くらいに見えるほど若さを保っている。璃佳と違いおっとりした感じの人物。

 九条術士に次ぐ日本の魔法名家と呼ばれる『西方十二家』の一つ、『槻木(つきぎ)家』本家の出身。半ば政略結婚の形ではあるが、本人は「結果的に真之さんのことを愛しているからいいのよ〜。政略結婚で夫を愛しちゃいけないなんて決まりはないでしょ〜」と言うから、性格とは裏腹に芯のしっかりとした人物ともいえる。

 真之や璃佳ほどでは無いが、由香里もまた高位の能力者。ランクはA-なので大抵の敵は倒せる実力を持っている。

 趣味は特技を兼ねているが弓道。高校生から続けており、今の段位は六段。他の趣味として甘味作り。和菓子だけでなく洋菓子も作れる。最近はかつてほど甘味料が手に入りにくくなってきているので、それが悩み。甘味料の使用を抑えた菓子作りを色々と考えているとか。

 時折璃佳の私物にあるクッキー類はこの母からの差し入れである。


 ・米原康二

 孝弘の父。

 彼が交通事故に巻き込まれ行方不明になった際には失意の中にのまれることになるが、二年後にはなんとか立ち直るまで精神的に回復していた。

 孝弘が生きて帰ってきた時は大泣きした。しかし数十分後にはとんでもない話を聞かされるが、そもそも絶望視されていた孝弘の生存自体が奇跡のため、息子の話した内容については色々と気になる点はあるが納得せざるを得なかった。というより無理矢理納得しようとした。

 孝弘が再び戦場に戻る時に約束を交わした。実は、戦争に勝って帰ってきたら家族でキャンプをする。という約束もしたらしい。


 ・米原啓子

 孝弘の母。

 彼が交通事故に巻き込まれ行方不明になった時には康二と同様に失意の最中だった。康二よりやや遅れて2年半経過してようやく立ち直るまで回復。それでもどこか吹っ切れないところはあった。

 孝弘が生きて帰ってきた時は大泣きした。しかし数十分後にはとんでもない話を聞かされるが、そもそも絶望視されていた孝弘の生存自体が奇跡のため、息子の話した内容については色々と気になる点はあるが納得せざるを得なかった。というより無理矢理納得しようとした。この点は康二と同様である。

 孝弘がSランク能力者となり、再び戦場に戻ることについては内心反対したいところがあったが、息子の決めたことであるからと、「必ず無事帰ってくること。もう一度元気な顔を見せること」を条件に首を縦に振った。


【設定資料集】

 ・日本軍統合司令本部

 兵庫県伊丹市に所在する日本陸軍伊丹基地内にある日本軍の中枢機能のこと。陸海空海兵隊魔法軍を統括する軍にとっても頭脳にあたる部分。

 本来この機能は東京都区部の市ヶ谷に置かれていたが、東京陥落に伴いここに機能を移転している。

 史実より軍の規模が大きいことから作中の伊丹基地は大規模化しており、統合司令本部を置くことが出来ていた。空軍大阪伊丹基地と機能は一体化されている。

 孝弘達が短期育成プログラムを受けているのもここであり、彼等の一時的な居住先も基地内宿舎になっている。

 かなり大規模な基地であることから娯楽施設も一通り揃っており、生活に必要な施設も大体ある。


 ・日本空軍

 旧名称は『大阪空港』もしくは『伊丹空港』。戦争が始まる前までは関西圏における国内線の拠点空港だった。しかし戦争が始まって民間空路はほぼ運行停止となってしまっており、東京陥落の頃には軍がこの空港を接収して空軍基地として運用している。


 ・幹部高級課程短期育成プログラム

 孝弘達が受けている佐官クラスが対象の修学課程のこと。本来は六ヶ月のプログラムで佐官として必要な知識や実技を学ぶことになる、一定の要件を満たした限られた軍人しか受けられない教育課程である。

 しかし今は戦時でSランク能力者の孝弘達に半年もの課程を受ける時間的余裕は無いため、必要な部分のみ抽出して実施されたのがこの短期育成プログラムである。

 孝弘達の場合アルストルムで6年間も軍人として経験を積んでおり佐官としての心構えやどう振舞ってどう戦うかなどについては必要無しと判断された。さらに九月末から東京奪還まで前線で戦い続けていたことから、現代日本軍として必要な知識とVR演習のみを行えば良いとされた為、かなり内容が省かれている。


 ・井口市文教区

 井口市の中でも北中部に位置している地区が文教区になる。

 市内だけでなく全国的に見ても文教地区とみなされるほどに学校が多く集まっている。そのため、井口市内でもずば抜けて若年層人口が多い。年度末は転出者が多く、年度始めは転入者が多いのも特徴の一つ。

 区内にある学校は大学だけでも国立井口大学・市立井口薬科大学のほか井口女子大学・清秋学院大学と四つあり、特に清秋学院大学は学生数が1万人以上もいることから、文教区鷺山や正木やその周辺は学生街となっている。

 加えて、清秋学院大学附属高校を始めとして高校が五つもある。

 学生街であることから学生の財布に優しい飲食店が多く、他にもラーメン激戦区にもなっている。ラーメン好きの間では文教区のラーメン激戦区は有名。


 ・七条本家

 井口市文教区の中でも東の方に位置しているところに七条本家はある。面積は高校が二つ入るくらいと表現されるほどに個人宅としては破格の大きさ。ただし旧華族の中でも九条術士の本家はどこもこれくらいの大きさはあるらしい。


 ・名古屋市千種区

 作中においても名古屋市内において有名な商業地区や文教地区として有名な地域。史実において有名な所を紹介するならば、東山動植物園や覚王山日泰寺のある区といえば東海地方の読者なら伝わる人も多いと思われる。

 作中においても史実と同様に大学や高校が多く所在しており、高級住宅街が存在している。

 孝弘の自宅は千種区でも北東部の方であるから、都心からはやや離れている地域にあたる。

 ちなみに史実において風変わりなパスタなどのメニューを出す喫茶店(この店に行くことを登山すると表現されるくらい)は千種区ではなく昭和区にある。裏設定として作中でも存在する事になっているが、孝弘は行ったことがなく、璃佳は行ったことがあるらしい。七条のお嬢様が登山とは。と思わんでもない。


 ・第101魔法旅団戦闘団

 作中において2037年1月1日付で正式に新編される旅団戦闘団のこと。

 定数は3150人と、魔法軍基準だと増強旅団にあたる規模となる。

 第一特務連隊と北方特務戦闘団が主な戦闘部隊で、後方支援大隊と魔法工兵大隊が旅団戦闘団指揮下にあるため、本旅団戦闘団が一つの独立作戦単位として任務遂行が可能になっている。

 旅団長は七条璃佳魔法准将。璃佳が准将に昇進した理由の一つが本旅団戦闘団の指揮官にする為とのこと。

 孝弘達も当然ながらこの旅団戦闘団に所属となる。

 軍上層部が本気で一年半以内に戦争を終わらせようと思っている部隊編成と璃佳は考えるほどに高練度部隊の集まりになっている。

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