異世界帰還組の英雄譚〜ハッピーエンドのはずだったのに故郷が侵略されていたので、もう一度世界を救います〜

設定資料集Ⅴ 人物紹介・専門用語解説集

【第５章までの人物紹介・設定資料集】

《人物紹介》

　・七条真之(しちじょうさねゆき)

　民間人。日本魔法協会・常任理事。日本魔法教育協会・特級協会員。清秋学院大学名誉教授。博士号(魔法・魔法総合学)。等。

　九条術士・七条家当主。年齢は五九歳と間もなく還暦を迎えるが、実年齢を感じさせない程に覇気があり威厳に満ちている。魔法系旧華族家系九条術士という魔窟に置いて先代から受け継いだ地盤を更に拡大させ、九条術士内で一、二を争う立ち位置にまで高めた人物。

　戦場という現場に立つ璃佳に対してこちらは後方において政界で暗躍しているもよう。あらゆるパイプ(コネともいう)で現場を支えるべく、璃佳を通じて前線に対する支援を行っているらしい。

　趣味は意外なことにオンラインゲーム。特にオープンワールドRPG系。戦前は娘の璃佳とたまにだがパーティープレイもしていたとか。また、娘と同じくコーヒー好き。璃佳がコーヒーを前線に持ち込めているのは彼のストックもあるのではと言われている。

　・六条千有莉(ろくじょうちゆり)

　六条本家令嬢。六条家当主候補第二位。

　紫秋館大学魔法学部魔法学科二年生。能力者ランクＢ＋。将来を大きく期待されている魔法能力者。

　戦前は東京に住んでおり、開戦直後に戦争時の混乱に巻き込まれた点。当主と継承第一位の兄が京都に控えており高貴な身分(旧華族)かつ魔法能力者として務めを果たす為、東京から離れるわけにはいかないという責務から避難をギリギリまでしなかった。そのため避難が出来ず、音信不通となる。

　・六条実裕(ろくじょうさねひろ)

　・日比野昭弘(ひびのあきひろ)

　日本魔法軍第一特務連隊第二大隊所属の魔法中尉。六条千有莉救出作戦に参加した。

　・今池幸葉(いまいけさちは)

　日本魔法軍第一特務連隊第二大隊所属の魔法少尉。六条千有莉救出作戦に参加した。

　・守山彰(もりやまあきら)

　日本魔法軍第一特務連隊第二大隊所属の魔法少尉。六条千有莉救出作戦に参加した。

　・浜名太一(はまなたいち)

　日本陸軍ヘリパイロットで陸軍中尉。六条千有莉救出作戦に参加した。

　・掛川祥一(かけがわしょういち)

　日本陸軍ヘリパイロットで陸軍少尉。六条千有莉救出作戦に参加した。

　・白ローブの男

　甲府で孝弘や璃佳に茜が遭遇した男。神聖帝国の皇帝直属部隊であることが捕虜からの聞き取りで新たに判明している。

　前回の戦闘時間が短かった為ほとんどデータが取れず大雑把な推定しか出来なかったが、今回の戦闘で最低Ａ＋ランクと判明。孝弘は実際に相対してＳランク、つまり自分と同格の魔法能力者と推測している。

　茜の攻撃により負傷するも、途中小柄な白ローブが乱入した為、トドメはさせなかった。璃佳が小柄な白ローブ共々法撃したが、生きているだろうとは璃佳談。

　・小柄な白ローブ

　恐らく女性と思われる謎の人物。体型は小柄。璃佳より少しだけ大きいくらい。

　孝弘達がトドメを刺そうとしたところに乱入した人物で、上級魔法を極短縮詠唱で発動する。茜の呪言を顔を顰める程度にまでレジストする。など、かなりの実力者。孝弘は推定Ｓランクと判断した。

　璃佳の法撃を食らうも手応えが薄いことからせいぞゆしているのではないかと思われる。

　・徳重少佐

　日本陸軍医官。千有莉の治療を担当した。

　・沖山

　日本陸軍看護師。千有莉の治療を担当した。

　・湯川

　日本陸軍看護師。千有莉の治療を担当した。

　・エリアス隊

　日本海軍第一機動艦隊・空母『大鳳』艦載機部隊の一つ。使用機体はＦ－３Ｂ。国産戦闘機Ｆ－３の艦載機仕様。

　・イルージョン隊

　日本空軍無人攻撃機ＡＱ－２部隊。時速約九〇〇キロの速度を誇る現時点で最新鋭の無人攻撃機の部隊の一つがイルージョン隊である。

　・飯田中尉

　日本魔法軍第一特務連隊第二大隊所属の中尉。本名は飯田剛(いいだたけし)。国分寺空域でドラゴンとの空戦にて活躍した。

　・佐久中尉

　日本魔法軍第一特務連隊第二大隊所属の中尉。本名は佐久心奏(さくかなで)。国分寺空域でドラゴンとの空戦にて活躍した。

　・シャドーランサー隊

　日本空軍松本基地所属のＦ－３Ａ部隊。孝弘達のいる空域に航空支援に駆けつけた。

【専門用語解説集】

　・植物工場

　簡潔に言うと野菜を工場にて生育させ、収穫する施設のこと。日本の食糧自給率は作中世界でも一〇〇パーセントは達成しておらず、小麦類に至っては現実世界と大差ないパーセントしかない。

　戦争が始まってから当然国内の食糧事情は悪化している。魔法による食糧保存などはなされている分現実世界よりは備蓄は多いものの限界があり、作中世界において野菜類の生産はこの植物工場がフル稼働している。

　・日本の食糧事情

　開戦から暫く経った一〇月時点で全品目平均食糧自給率は約五六パーセント。ここに史実より多少は良好な中国との関係と、中国が苦手とする魔法科学系及び魔法医療系技術(日本にとっては一世代前の技術)を引き換えにして過剰農産物を華北航路で輸入してようやく約七五パーセント。開戦以来緒戦の混乱で民間人も多くが死亡していることから皮肉なことに現生産ベースと輸入ベースが維持出来ればパーセントの低下はないらしい。

　しかし戦争が長引けば長引くほど食糧事情は悪化し、持って三年と言われている。

　・立川市

　東京西部の主要都市の一つ。立川基地のほか、政府の予備施設もあるなど、都心に万が一があった際にはここに政府機能が移転することになる。一例として某映画の内閣総辞職ビーム以降はここがその機能を果たしていた。

　作中世界では一度首都圏そのものが奪われている為、中央高地戦線が八王子市に続いてここを奪還。同時に立川基地は最前線基地となった。

　・横田基地

　史実では航空自衛隊及び米空軍の基地。作中世界においては空軍基地。空軍航空総隊が置かれていた。滑走路長は史実とほぼ同等。

　神聖帝国に奪われてからはその機能を喪失しめいたが、立川奪還からやや遅れてここを奪還。作戦における最前線基地となった。なお立川基地では滑走路が短い為、長い滑走路を必要とする無人攻撃機、戦闘機、輸送機などはここに配備されることとなった。今後の作戦において重要な基地となる。

　・六条家

　詳細は作中(5-3)に書かれている。

　九条術士が一家。東京に本拠を置いていた、九条術士の中でも七条家とほぼ同等の勢力を持っている。七条家が経済界と強い結び付きを持っているのに対して、こちらは政界と強い結び付きを持っている。

　六条千有莉が発見された際には、政府や国防省を通じて璃佳達に早急な救出要請が出されていた。本作戦を行うにあたり、七条家と取引があったようだが詳細は不明。

　・藤沢市

　史実では神奈川県の重要都市が一つ。近くに江ノ島などがあることから観光地としても有名。作中世界においては神聖帝国によってＣＴの巣窟になっていた為、首都進撃に向けて侵攻作戦が実行されていた。空域はドラゴンとの戦場となる。

　・ドラゴン

　突如首都の都心空域方面から現れた異世界ではお馴染みの飛行生物。空のバケモノ。クソトカゲなどとも呼ばれる。

　全長約二〇メートルとＦ－１５と同じくらいの大きさ。航空祭等で見た事のある方なら想像出来ると思うが、全長約二〇メートルはかなり大きい。

　大型ＣＴですら軽く切断出来る風魔法で攻撃しても複数命中させなければ死なない。二、三程度の命中では速度が下がるくらいとかなりの防御力。爆発系中級〜上級火属性の火球を放つ攻撃力。最大時速約八〇〇オーバーを誇る速度。戦闘機を凌駕する機動力など、異世界であればまさにバケモノ的存在。

　しかし、作中世界は二〇三〇年代と近未来であることに加え魔法能力者が空を飛ぶ世界。高位能力者なら時速約一〇〇〇まで出せることから決定的優位を確保出来ないどころか、魔法能力者達や無人攻撃機、戦闘機が返り討ちにした。流石に現代兵器相手には分が悪かったか。

　しかし、日本軍側も決して無傷では無かった上に空は自分達の支配域という概念をひっくり返された事から決して無駄ではなかったようである。

　・無人攻撃機『ＡＱー２』

　史実にはない架空兵器。本作では二〇二〇年代から実用化された無人攻撃機のこと。日本軍制式採用無人攻撃機。

　大きさはＦ－３５より一回り小さい位。ミサイル及び機関砲を装備していることから攻撃力は戦闘機並。ただし最大速度はマッハまでは到達していない。

　配備数はそう多くなく、約六〇機程度。理由は高価である事が大きく影響している。

　・Ｆ－３戦闘機

　史実にはない本作における架空兵器。国産ステルス多用途戦闘機。Ｆ－２及びＦ－１５の後継戦闘機。本作世界において日本軍の戦闘機といえばＦ－３５とＦ－３となる。

　地上配備型のＦ－３Ａと艦載機配備型のＦ－３Ｂの二タイプがある。

　作中世界において初めて配備されたのは二〇二四年と、日本軍では最新の戦闘機にあたる。

　最大速度マッハ１，８。現時点で開発・実戦使用されているミサイル(空対空・空対地・対艦ミサイル・爆弾・巡航ミサイル)を搭載可能。二五ミリ機関砲を固定武装として搭載している。

　二〇三六年現在の配備数はＡ型一五八機。Ｂ型八六機。