第12話国王からの依頼、そしてユキとの関係(前編)
5人が食事を終わり、私が食器を洗い、ユキが軽く店内の掃除をしていると店のドアをノックする音が聞こえた。それに対しユキは「どうぞ」と答えると「失礼します」と礼儀正しい返答と共に青色の髪で、顔つきにまだどこか幼さを残した青年が店に入ってきた。
彼を見た途端ユキは背筋を伸ばし「どうされたんですか?」と聞いた。彼は「そんなに緊張しないでください」とハニカミながら答えた。「…国王陛下ともあろうお方が私の店になんの用かね?」と私が言うとユキはすぐに「また!!」と言うが彼は笑いながら「マスターさんは本当に変わりませんね」と言ったためユキは少し安心した様子だった。
彼が座る様子が全くないため私は「立ち話もなんだろう、それに君が直々に来たということは話が長くなりそうだ、座ってはどうかね?」と言うと彼は「そうですね」と言い、カウンター席に座った。この会話を聞いていたユキはまた「失礼な事はやめて、仮にも国王陛下相手よ?」と言うが彼はまたも笑いながら「マスターさんに無理を言ってここに留まって頂いてるのは僕の方なので気にしないでください、それに僕は皆さんのことを良き友人と思ってますから皆さんも良ければ僕の事を友人、として扱ってください」と言った。私は「但し、公の場ではそうはいかないから国王陛下、と呼ぶしかないがね」と言うと彼は「ははは、確かにそうですね」と笑いながら言った。
そして私はコーヒーを出しながら「で?今日来たのは友人のユウとして来たのか、それとも国王として来たのか…どちらかね?」と聞くとユウは「…友人、としてお聞きしたいことがあり、来ました」と真剣な眼差しで私を見た為仕方なく私も真剣に話を聞くことにした。「聞きたいこと?何かね?」と私が問うとユウは「…軍部からの報告で僕もつい最近知った事なんですが…周辺諸国が軍の強化をしている、と言う話を聞いたんです」と言った為、私は「それは国として当たり前のことでは無いのかね?」と言うとユウは「…訓練を行う、ならそうですが…不老不死の研究やここに昔現れた黒い剣士の魔王の鎧を使っている、という話なんです」
ユウのその言葉を聞き、カップを磨いていたアンがそのカップを握りつぶした音が店内に響き、ユキは頭を抱えていた私は「…どの国が、というのは調べが着いているのかね?」と問うとユウは「不老不死に関してはどの国も行っているようです、しかし黒い剣士の鎧の方は…」と言った。私は続けて「不老不死をどの国よりも先に完成させるためにユキに協力しろ、という話なら断るぞ?」と私が言うとユウは「分かってます、貴方達との約束は破る気はありません」と言った。私は「ではどのような事で我々を頼りに来たのかね?」と言うとユウは「マスターさんが纏めている歴代の魔王の記録をお借りしたくて来ました、そして…仮に不老不死を完成させるにはどれだけの力が必要か、ということもお聞きしたいです」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます