地上より永遠に(ここよりとわに)

俺の死に方を知っているのか?

「起きろ! 藤村! 起きろ!」


藤村省吾は、緒島剛の残留思念に起こされた。


「何っ! 緒島・・・。緒島じゃないか!?」


その傍らには、島村美咲に肩を貸す、島村美幸(ソープ嬢みゆき)の残留思念が。


「長官・・・。とりあえずパンツを履いて下さい」


美咲は頬を赤らめて言った。


「姉さん、相変わらず、男に耐性がないのね」


美幸はクスクスと笑った。


ジーザスエンドの居住スペースは、照明が赤く点灯を繰り返している。


緒島剛は、かつてのネクストタイプ6戦士、雷(いかづち)の守護者。


島村美幸は、ネクストタイプ6戦士、心の守護者であり、島村美咲の双子の妹、かつ、海津丈のお気に入りのソープ嬢であった。


「ジーンの野郎・・・。自分が死んだ時のための保険として仕掛けていた”レディ・トラップ”を実行しやがった・・・。おかげで俺たちまで残留思念として復活しちまった・・・」


緒島剛は、相変わらずジーンのことを快くは思っていなかった。


「美幸! 戦士たちは? チームBURSTの6人はどうなったの?」


「姉さん。チームは7人に増えてるわ。今、衛星軌道上に上がろうとしているジーザスエンドを取り囲んで、結界を張ってるわ・・・」


藤村省吾が訝しい顔をした。


「結界?」


パンツを履いた藤村省吾に緒島剛が苦々しい顔で語る。


「今キールームにいる、三巨頭の集合体、レディ・ジーンが、このジーザスエンドから邪悪な波動を出しているんだ・・・。このままじゃ、地球全人類が魔獣ビスコムに変容させられてしまう・・・」


「姉さん、藤村長官。彼らチームBURSTの7人は、その邪悪な波動から世界を護るために、パトスを全開にして、結界=バリアを展開しているんです・・・」


「それだけじゃねぇ・・・。このままじゃ、魂の守護者、レインも、あのアレックス・ハートロッカーさえも復活しちまう可能性だってある・・・」


藤村省吾は、ズボンも履こうとしている。


「それは半分好都合だ。アレックスはかつて、KARASUMAという組織に所属していた・・・。我々はジーンも脅威だが、KARASUMAも脅威。アレックスに話を聞ければいいのだが・・・」


「そんなのんきなことを言ってる場合かよ? キールームは内側からロックされてる。俺たち4人で攻め込むわけにもいかんのだぞ、藤村・・・」


藤村省吾、緒島剛、島村美咲、島村美幸は、カゴの中の鳥であった・・・。


衛星軌道上へ向かうジーザスエンドを取り囲む「7人」。


展開するパトスのバリアも、どこまで持つのか・・・。


「だれかひとり! ジーザスエンドに侵入できないかい!!」


火の戦士、藤村岬が、たまらず本音を吐いた。


「私の瞬間移動能力は、さっき純を連れて時の牢獄から脱出する際に使ってしまった!」


ハイパーダークナイト、吉崎巧も叫ぶ。


「ほな、新入り! 全身金色のお前! カイやったっけ? お前はどないや!?」


地の戦士、海津丈も続く。


丈は、かつて愛した女、ソープ嬢みゆきがジーザスエンド内にいることをまだ知らない。


「あなた、身体がフルオッグシードで出来てるんでしょ? 行けませんか!?」


水の戦士、名護龍樹がカイに期待する。


「ダメです・・・。カイと私はフルオッグシードに耐性があります。この展開するパトスのバリアには欠かせません・・・」


光の戦士、森山純は落ち着いて語った。


「父さん・・・。あなたが行くべきです・・・」


カイは、重い口を開いた。


風の戦士、辻山憂歌は、息子であるカイを見た。


「その口ぶり・・・。君は未来から来た・・・。ひょっとして、俺の死に方を知っているのか?」


カイは憂歌に、何も語らない。


辻山憂歌は、最期の決心をする勇気が、あと一歩及ばなかった。


【レインとアレックスの動向がつかめない今、どうやって的場ジェイジェイを救うのか? どうしたらジーンの暴走を止められるのか? 勇気を出せ! 辻山憂歌!!】

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