憂歌、信じてるよ

奈良県明日香村にある、石舞台古墳。


日本有数のパワースポットであり、その存在は有名である。


普通古墳は土で覆われ、石状の棺が露出していることは少ないのだが、この古墳は石状の棺がむき出しになっている。


興味がお有りの読者様は、ぜひググって頂きたい。


その石状の棺から、裸の「藤村岬」と、裸の「海津丈」が現れた。


チームBURST、「元火の能力者」と「元地の能力者」は、不謹慎なことに、石舞台古墳の中で、いかがわしいことをしていたのである。


「ヤリマン、ホンマに1万円でよかったんか?」


「海津の旦那には、これからもリピーターになってほしいからね、中出しオプション付きで1万円でいいよ」


「助かるで! 20代との生本番なんて、今どき最低でも2万円が相場やからなぁ」


【岬さん! 丈さん! もう石舞台は3勢力に包囲されてます!!】


元水の能力者、名護龍樹からの脳波通信が、岬と丈の頭に響いた。


顔を見合わせる、岬と丈は、それぞれ左腕を振りかざし、叫ぶ。


【・・・。バースト!!】


ふたりは、それぞれの左腕に装着された腕時計から、ナノ粒子拡散された「ナノBURSTスーツ」を装着した。


赤いナノBURSTスーツの岬と、オレンジのナノBURSTスーツの丈は、石舞台古墳のはるか上空へ飛び立つ。


そこには、緑のナノBURSTスーツを身にまとった「名護龍樹」が待機していた。


ナノBURSTスーツ戦士たちは、石舞台古墳の上空から、それを取り囲む「3勢力」を俯瞰する。


人間の心を失った「魔獣ビスコム」の群れ。


人間の心を残した「ハーフビスコム」の群れ。


AIでビスコムを自動検知し、殺戮する軍事アンドロイド「バーガリー」の群れ。


「海津の旦那、くれぐれもビスコムを殺すんじゃないよ。私たちは今、能力者としてのパトスを失っている。ビスコムを殺したらビスコムになっちまうよ・・・」


「ヤリマン、そんなことは分かっとる! わしの腕力で叩きのめすだけや!」


「龍樹はハーフビスコムのリーダーを説得して! 集落に戻ってもらうしかないから!」


「分かりました! 変身を解除してもらうようにも頼みます!」


「私はバーガリーを駆逐するよ・・・。あいつら、ビスコムとハーフビスコムの違いさえも認識できないんだから・・・」


辻山憂歌が失意のどん底にある今。


吉崎巧がプロトタイプスーツのメンテナンス中である今。


森山純が行方不明である今。


チームBURSTの実質的なリーダーは、藤村岬に任されていた。


「ヤリマン。憂歌さえおったら、こんな奴らひとひねりやのになぁ・・・」


「そうですよ、辻山さんなら、風の能力で竜巻を起こして、一瞬で鎮圧ですよ」


「いない奴をアテにしてもしょうがないよ。いいかいみんな、行くよ!!」


赤とオレンジと緑の3戦士は、石舞台上空から、三方向に散った。


藤村岬は、スーツのバックパックから、対バーガリー用マシンガンを取り出す。


【憂歌・・・。待ってるよ・・・。絶対あんたなら立ち直れると信じてるから!!】

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます