プラトニックレインREBOOT シーズン3

聖戦再び

プロトタイプスーツ、その名はまだない

チームBURST、オールドタイプ6戦士の一人、闇の属性の能力者「吉崎巧」と、防衛省チームBURST長官「藤村省吾」は、千葉県館山市にある、今はなき「緒島剛」の豪邸にたどり着いていた。


吉崎と藤村は、緒島の遺品であるスマホのデータを解析、緒島のアジトを突き止めたのである。


豪邸の中に入った吉崎と藤村は驚愕した。


そこはまさしく、武器弾薬、ありとあらゆる武装兵器の開発所であった。


「ネクストタイプを出し抜くために、このような準備をしていたとは・・・」


「これは・・・! チームBURST本部から持ち出されていた、プロトタイプスーツ!?」


開発所の一番奥に置かれていたのは、のちのBURSTスーツの原型となった「プロトタイプスーツ」。


吉崎と藤村は、まがまがしく武装されていたプロトタイプスーツの前に立ち尽くしていた。


「使えるかも知れん。我が妹、純の暴走を止めるためには、このスーツ、メンテナンスさえすれば・・・」


「吉崎くん。これを装着して、森山くんの暴走を止めようというのかね?」


「今の私は、闇の属性の能力を奪われた、単なる人間・・・。妹と対等に戦うためには、これが必要だ。今の私は甲冑の騎士、ダークナイトになれんからな・・・」


オールドタイプ6戦士は、今、分裂していた。


光の属性の戦士、吉崎巧の妹「森山純」は、その子宮に「フルオッグシード」を宿し、精神も肉体もそれに乗っ取られ、更には仲間である藤村岬、海津丈、名護龍樹、そして兄である吉崎巧の「能力」さえも無効化し、時空の彼方へと去ってしまったのだ。


純がフルオッグの使徒となってしまった以上、それを止めねばならない・・・。


吉崎は大きな決断をせざるを得なかった。


「藤村長官。これをチームBURST本部でメンテナンスする際に、ひとつお願いしたいことがある・・・」


「なんだね、吉崎くん」


「このスーツに”自爆装置”をつけてほしいのだ・・・」


藤村長官は、吉崎巧の決意に満ちた表情に驚愕した。


「私はかつて、時空の彼方で、ネクストタイプ魂の守護者、レインこと小林雪の導きで、フルオッグと対峙している。あれは人知を超えた究極生命思念そのものだった・・・」


「まさか、その時に・・・!?」


「私にも純と同じく、フルオッグシードが装填されているかも知れない・・・」


吉崎の額を、一筋の汗が伝う。


「今の私は、闇のパトスを失っているせいで、意識は保てているが、万が一私が、フルオッグシードに精神も肉体も乗っ取られたときは・・・」


吉崎は藤村の眼を直視した。


「長官、私を殺してくれ・・・」


動揺を隠せない藤村。


「・・・。分かった。だが、幸いにも今は、ジーザスエンドのキールームでは、的場ジェイジェイちゃんが祈りを捧げ、岬、海津くん、名護くんも出動している。実質頼りになるのは君と、あの・・・」


吉崎は、緒島の開発所の窓から、夕暮れの空を眺めた。


「ただひとり、いまだ能力を失っていない、チームBURST真のリーダー、辻山憂歌に、全てを託すしかない・・・」


今や地球の命運を握るのはただひとり、オールドタイプ6戦士の真のリーダーにして風の属性の能力者、「辻山憂歌」だけの惨状であった・・・。

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