これまでのプラトニックレイン(ver2.5)

俺の名は「小川改」、「カイ」って呼んでくれ。


俺は今、あの歴戦の勇者「吉崎巧」に指定された、とあるビルの屋上にいる。


今日は張り切って、ICレコーダーを「人数分」用意したぜ。


え、俺の目的?


あの、地球を救った「チームBURST」のメンバーたちへのインタビューさ。


これでも俺は、昔は大手新聞社に在籍した元新聞記者で、今ではネット上でフリーのルポライターをやってるんだ。


あのジーザスエンド発動から約3ヶ月、ずいぶん地球も平和になったもんだ。


生き残った魔獣たちの存在や、人間の心を持った魔獣たちの処遇、N.A.B.R.Sが遺した負の遺産「バーガリー」の暴走など、いまだ問題は山積だけどね。


俺は今、地球上の全てのジャーナリストの代表として、衛星軌道上に待機するジーザスエンドへ向かおうとしているんだ。


何しろ、今や地球の守護者であり、反面、人類の新たな脅威となるのは、チームBURSTだからね。


これまでの事やこれからの事、メンバーたちにインタビューしなきゃならない事は山ほどある。


え、なぜ俺が、地球上の全ジャーナリストの代表に選ばれたかって?


答えはひとつ。


あの火の属性の能力者、藤村岬のセフレの中で、俺が一番の「巨根」だったからさ

(たぶんね……笑)。


まぁ、あの女バウンティハンターの下請けで、いろいろ汚れ仕事をやってきたからね、腐れ縁もあるだろうさ。


ここだけの話、岬の父親、防衛省の藤村省吾長官とも会えることだし、いい男アピールして、岬の「セフレから本命への」昇格も視野には入れてあるのさ。


【小川君だな・・・。待たせた・・・。ジーザスエンドに案内する・・・】


あっ、目の前に「闇のパトス」が拡張して、あの歴戦の勇者、吉崎巧が姿を現した!?


噂には聞いていたけど、なかなかのアラサー長身イケメンだなぁ・・・。


【俺、小川改=カイは、吉崎巧の導きによって、闇のパトスの中へ姿を消した】


(ジーザスエンドの居住スペースにいる、巧とカイ)


巧「聞きたいことは山ほどあるだろう? なぜこのジーザスエンドが、空気も電気も水道もあって居住可能なのか?」


カイ「確かに...」


巧「私の生い立ちから話そうか? それとも20代、養父と共に、ピラミッドやナスカやイースター島、更にはトルコのギョベリク=テペを研究した話とか?」


カイ「いや、別に...」


巧「私たちがなぜジーザスエンドに選ばれ、私がダークナイトとして、いかにビスコムを駆逐した話かな?」

 

カイ「うーん...」


巧「私が時空の彼方にて、いかにフルオッグと対峙し、ネクストタイプを超越するような力を得たのか、知りたいのか?」


カイ「俺が知りたいのは、あなたの今後です...」


巧「...?」


カイ「ジーザスエンド発動によって、フルオッグの波動は遮断され、これ以上地球上にビスコムは増えない。あなたは、ビスコムを倒し、そのパトスによって生きながらえている。あなたはオールドタイプとしてはもう役割を終えた、終わった存在じゃないんですか?」


巧「...!」


カイ「言い返せないんですね...」


(カイは心の中で、ペロッと舌を出した)


(高笑いをあげる吉崎巧)


巧「私はすでに、時空の彼方でフルオッグと対峙済みなのだぞ? もし私の身体に、フルオッグシードが装填済みだとしたらどうする?」


カイ「…!?」


巧「アレックス・ハートロッカーは、何らかの方法にてフルオッグとコンタクトを取り、フルオッグシードを手に入れたのだ。それを元にネクストシードを量産して、強化人間ネクストタイプを作り上げた。更には軍需産業と結託して、フルオッグの波動とビスコムの増殖に合わせてのマッチポンプ…」


カイ「もしあなたがフルオッグシードを手にしていたなら、それ以上のことがやれると?」


巧「ジーザスエンドがそれをさせんだろうさ。ジーザスエンドのコアとなるふたり、魂の守護者レインこと小林雪の後継者、わが妹森山純と、的場ジェイジェイがな…」


カイ「人類を支配できる実力がありながらも、それをしないというんですか?」


巧「それは純とジェイジェイがリスペクトしている、オールドタイプ真のリーダーに聞くといい…。そろそろ地球から戻ってくる頃だろう…」


カイ「辻山憂歌ですか?」


巧「憂歌だけではない。君が懇意にしている藤村岬や、あと、海津丈に名護龍樹。共に戦ってきたオールドタイプ四天王を、わざわざ敵に回すほど私は愚かではないよ」


(居住スペースから出ていく吉崎巧)


カイ「したたかな野郎だ…。焚きつけてやろうとしたのに…」


(舌打ちを打つカイ)


(島村美咲が飲み物を運んで、居住スペースに入ってくる)


カイ「これはこれは、チームBURSTの不良債権さんのご登場だ……」


美咲「妹のことは、申し訳なく思っています……」


カイ「心の属性、オーストラリアの守護者、あなたの双子の妹、島村美幸の暴走こそが、東京事変を招いたのですからね……」


(飲み物をテーブルに置く美咲)


美咲「洗脳されていた時のことは、あまりよく憶えていないのです…」


カイ「俺が調べた限りでは、美幸は藤村長官、あなた、海津丈、名護龍樹、4人のチームBURSTメンバーを洗脳。更にはチームBURSTの特殊部隊を操って、藤村岬の殺害未遂まで起こしていますが……」


美咲「私個人への恨みなら、何もそこまでしなくても……」


カイ「美幸は、キャサリン・オゼとの相討ちに果てましたが、一安心しましたか?」


美咲「……!? そんな失礼な言い方ってありますか!?」


(居住スペースになだれ込んでくる、海津丈と名護龍樹)


丈「美咲はん! 大丈夫でっか!?」


龍樹「意地悪なインタビューをされてませんか!?」


カイ「おっと、これはこれはチームBURST四天王のお二人のご登場か……」


丈「諸事情あれど、わしは美幸を、みゆきを愛してたんや! それだけは事実や!」


龍樹「海津さんの気持ちに偽りはありませんよ!!」


(コーヒーを口に運び、ほくそ笑むカイ)


カイ「頂けませんなぁ、名護くん。島村美咲という愛する人がありながら、その双子の妹にまで手を出すとは? それは洗脳外の話だったんでしょ?」


(カイを睨み据える美咲)


美咲「私はもう、名護くんの過ちを赦しています!」


カイ「藤村長官への想いは断ち切れたのですか? チームBURSTは複雑な恋愛事情でゴタゴタ……。ネクストタイプにつけこまれる訳だ……」


丈「お前! わしらにケンカ売りに来たんかい!?」


(居住スペースに藤村岬が入ってくる)


岬「そこまでにしときな、カイ……」


カイ「おう岬! 半端な奴らの尻ぬぐいも大変だな、おい?」


(タバコに火をつける岬)


岬「腐れ縁でインタビュアーに指名したっていうのに、あんたはチームBURSTのあら探しをするためにやってきたっていうのかい?」


カイ「運よく地球の危機を救えたとは言え、あんたらは今や人類の脅威だ。俺には真実を探る使命がある……」


(美咲、丈、龍樹、岬に睨まれるカイ)


カイ「あんたら雑魚の話はもういいや、真打ちのご登場を願おうか?」


(カイの前に、藤村省吾長官と的場ジェイジェイが座っている)


(その後ろには、藤村岬・海津丈・名護龍樹・島村美咲が立っている)


省吾「この的場ジェイジェイちゃんはね、私の養子にしようと思っているんだ……。実の娘、岬に、弟子のような存在の美咲。私はつくづく、娘運に恵まれているようだよ……」


(省吾に微笑むジェイジェイ)


カイ「綺麗事をおっしゃる……。そもそも、あなたの前任のチームBURST実質の統括者、アジアの守護者こと緒島剛が、そのジェイジェイちゃんの育ての兄、的場翔太さんを殺したことへの贖罪でしょうが?」


(カイとジェイジェイを交互に見、うろたえる省吾)


カイ「ジェイジェイちゃんは確かに、ネクストタイプ魂の守護者、レインこと小林雪の娘にして、森山純と並ぶジーザスエンドのキールーマーだ。でもね、そのジェイジェイちゃんの父親は、あのジーン・ハートロッカーなんですよ?」


省吾「この子の前でその話はやめたまえ!」


巧「藤村岬。厄介な客人を誘い込んだものだな……」


(吉崎巧、辻山憂歌、森山純が居住スペースに入ってくる)


カイ「ようやく真打ち登場だ。地球を救うセックスをした辻山氏と森山氏」


純「そんな恥ずかしい言い方はやめて下さい」


(立ち上がるカイ)


カイ「辻山さんにはどうしてもひとつ、確認しておきたいことがある! あなたは森山純を抱いたのか、それとも、森山純の肉体を借りた小林雪を抱いたのか、いったいどっちなんです!?」


(ジーザスエンドの居住スペースの空気は凍りついた)


地球の衛星軌道上に浮かぶ、超巨大ロボ、ジーザスエンドの居住スペースには、辻山憂歌、藤村岬、海津丈、名護龍樹、吉崎巧、森山純、藤村省吾、島村美咲、的場ジェイジェイ。


そして、謎のジャーナリスト「小川改=通称カイ」がいる。


カイのスマホが着信した。


画面には「KARASUMA」の文字。


突然、森山純が下腹部を押さえ、うずくまった。


純を介抱する、岬と美咲。


純には「妊娠」の気配があった。


しかし純の兄である吉崎巧は、闇のパトスを使って真実を直視してしまう。


純の子宮の中にあるのは「フルオッグシード」だった。


その、フルオッグの意思を継ぐ「謎の胎児」は、岬、丈、龍樹、巧の「属性パトス」を吸収してしまう。


憂歌とジェイジェイだけが難を逃れた。


謎の胎児に精神を乗っ取られた純は、超聖剣ジーザスソードを「魔剣フルオッグソード」に変え、凄まじいほどのパトスをほとばしらせながら、時空の彼方に消えてしまう。


カイの通話相手「KARASUMA」の正体とは?


パトスを失った岬、丈、龍樹、巧の運命は?


なぜ憂歌とジェイジェイは無事だったのか?


フルオッグの意思に子宮を乗っ取られ、「魔神」と化してしまった純は、魔剣フルオッグソードを手に、地球にどんな厄災をもたらすのか?


【プラトニックレイン シーズン3】が動き出そうとしている・・・。

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