二四 原点にして頂点の神様 天之御中主神 後編
【謎が多い神様】
平安時代より前にアメノミナカヌシを祭っていたという神社の記録が残っていません。
つまり信仰の痕跡が見られない、という事ですね。
このことから古事記編纂の為に作られた神様なのでは? という意見があります。
じゃあ、大した事ないじゃん! と思う方もいるかもしれません。
しかし古事記、日本書紀が制定された以降の書物には、アメノミナカヌシこそが皇室の祖先として書かれているものあります。
このことからアメノミナカヌシは一般的に祭られる神様ではなく、皇室かそれに近い氏族がひっそりと祭っていた神様かもしれない、という説が現れました。
アメノミナカヌシは一般的に祭られていた神様ではなく、地位の高い一部の人々の間だけで信仰されていた神様だったのかもしれないのです。
信仰の痕跡が残ってないのもマイナーな神様だったからだと言われていますが、はっきりとした事がわからない謎多き神様といえます。
【アメノミナカヌシを祭る神社も謎だらけ?】
アメノミナカヌシを祭る神社の総本社は、福岡県久留米市にある
ご利益は水に関わる事と子供です。
水難避け、漁業、海運、また安産、子育て、子宝にご利益があります。
その始まりは平安時代末期、源平合戦の時まで遡ります。平家は八歳という幼い天皇、安徳天皇を連れて壇之浦に沈みました。
このお話はここき記述してあります↓
https://kakuyomu.jp/works/1177354054893517248/episodes/1177354054893698696
平家の関係者の中でも、女官だった
さて、伊勢ちゃんは自分だけ生き残ってしまって、悲しんだのですが、いつまでも涙を流している訳にはいきません。
そこで安徳天皇、安徳天皇の母である
これが、水天宮のはじまりと言われています。
さて、普通だったら水天宮の主祭神は安徳天皇になりますが、何故かアメノミナカヌシが主祭神になっています。
それは明治時代、当時の政府が神仏分離令という神道を見直す法令を出した時、水天宮の主祭神は安徳天皇からアメノミナカヌシへ変えられたそうです。
実はアメノミナカヌシを祭る神社が現れたのは、明治時代以降なのです。
神社が少ないのは、神話での活躍が少なく、また先ほどもお話したように地位の高い一部の人の間だけで信仰されていた、マイナーな神様だったかです。
しかしアメノミナカヌシが主祭神となっている神社は、水天宮と同じように明治政府が神社の見直しを行い、主祭神が変えられた事によって増えていきます。
アメノミナカヌシは天の中心、つまり北極星を神格化させた神様だと、前編でお話しました。
仏教においても北極星を神格化して生まれた、
ちなみに、この妙見菩薩こそが、あの有名なケ○シロウが使う北斗神拳の創始者だといわれています(大嘘)
アメノミナカヌシと妙見菩薩は、お互いに北極星と繋がりが深いため、仏教が伝来して以降に同一視されていきます。
そして妙見菩薩を祭る寺院や、神社とお寺ハイブリットである神宮寺が広がっていきます。
しかし明治政府が神仏分離令という神道を見直す法令をだすと……
明治政府「これからは神宮寺っていうグレーなのは認めないから。社殿残したかったら日本の神様を祭ってね」
こうして妙見菩薩を祭る神宮寺は、神社へ変わります。そして祭神も妙見菩薩からアメノミナカヌシへと変えられました。
このようにアメノミナカヌシは日本古来の神様でありながら、祭る神社が現れたのが明治時代以降です。
そのきっかけが神仏分離という、珍しい信仰の広がり方をした神様なんですね。
神仏分離についてはこちらを参照してください
https://kakuyomu.jp/works/1177354054891982494/episodes/1177354054892124663
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