道路情報
「お、レベルも上がった」
名前 : アジフ
種族 : ヒューマン
年齢 : 37
Lv : 15
HP : 91/136(+5)
MP : 32/43(+3)
STR : 41(+2)
VIT : 39(+1)
INT : 18(+0)
MND : 25(+2)
AGI : 29(+1)
DEX : 17(+0)
LUK : 10(+1)
スキル
エラルト語Lv4 リバースエイジLv3 農業Lv3 木工Lv2
解体Lv4 採取Lv2 盾術Lv3 革細工Lv2 魔力操作Lv2
生活魔法(水/土)剣術Lv2 暗視Lv1
称号
大地を歩む者 農民 能力神の祝福
暗視の新スキルを得ていた! そう言えば魔道具壊れたのになんか普通に戦えてたな……
全然気が付かなかった。確かに夜勤多かったけども。意識して辺りを見渡すと、月の照らさない森の中もそこそこ見える。これは便利だ。ライトの魔道具が壊れたのは惜しいけど。
しかし、今回のレベルアップは成長が少ない気がする。特に魔力系。今までに比べ、前回のレベルアップからの期間が短いうえに、魔力訓練もできていなかったからだろうか? しっかり訓練を続けなければ。
その後はアンデッドの出現が激減し、忘れた頃に時々現れるだけとなっていた。
「昨夜の討伐数は24匹。上位種のレブナントが現れて以来、激減しました」
「そうですか、山を越えたかもしれませんな。念の為今夜も見回って、変化がなければ完了でいいかもしれませんな」
翌日、村長へ報告するとそう言ってきたが、レブナントはEランクの魔物なのだ。こちらはFランク冒険者って忘れているのではないだろうか。まぁいいけど。
「明日、街までの馬車はありませんか?」
「そろそろ野菜を市に出す頃合いかもしれません、聞いておきますわい」
後になって、馬車は明後日になると連絡があった。
3日目はライトの魔道具の代わりに盾を持っていった。暗視スキルはLv1では月明かりで薄っすら照らされる程度だが、月明かりと違い影がないので割と見やすい。
アンデッドはゴーストとゾンビの2匹だけだった。少し奥まで足を広げたが、たまにジャイアントバットがいる程度でほぼ散歩だった。
翌朝早めに起きて、村長に報告すると依頼完了になったが、ヒマなので薬草採取をする事にした。
森へ入ると、コボルトが多い。夕方まで森に入った結果、撃退数は17匹だった。村のそばとしてはかなり多いと思う。一応村長へ報告しておこう。
街まで送ってくれたのは行きと同じジフトンさんだった。道中は平和で、夕方にギルドに入り、買取りを済ませる。
「コボルト28・ゾンビ29・グール28・ゴースト19・スケルトン21・ジャイアントバット6・レブナント1・薬草100束だ。ずいぶん獲ってきたな、依頼処理はどうする?」
「群れてたんでね。コボルト・アンデッド・薬草でお願いします」
「え~っと、銀貨26枚と銅貨30枚それに依頼票だ」
受付へ行き、赤いショートヘアの活発そうな受付嬢に依頼票を差し出す。受付嬢はこちらを見て口をパクパクさせていた。
なんだろうな? 酸欠か? 隣の受付を何やらゆびさしている。隣は水色の長い髪の受付嬢だ。そっちはだめなんだって。
「依頼の処理を頼みたいのだけど?」
依頼票をジッと見て固まってしまった。、と
<ゴンッ>
机の下で音がして、受付嬢が再起動した。なんだったのか。
「は、はい、コボルト常設依頼が2件・下級アンデッド常設依頼が19件・通常依頼が1件・Fランク依頼合計22件です。合計して金貨1枚銀貨10枚です」
「ありがとう」
「お疲れ様でした」
依頼料を受け取り、ギルドを出た。今回の収入は金貨1枚と銀貨36枚。ライトの魔道具は金貨3枚はするから大赤字だ。
「おのれレブナントめ」
とは言え、収穫もあった。Eランクが見えてきたんだ。あと11件。期間こそFランクに上がるのにかかった半年と同じく半年ほどだが、冬の4ヶ月こもっていたので、実働期間はずっと少ない。
Eランクは生活が安定すると言われるランクだ。緊急依頼に駆り出されるが、是非なっておきたい。
明日は一休みして、装備と消耗品を整え、光曜日だから礼拝に行ってもいいかもしれない。
そしたら、王都に向けて次の街へ移動しよう。スイメルとラズシッタ王都の間にあるのは “キジフェイ”だ。
翌日、用事を済ませてから、キジフェイまでの乗り合い馬車の日程を確認するべく馬車の待機所へ向かった。横に長い建屋の壁にそれぞれの行先の日程が貼り出してある。キジフェイ行きは……明日の朝か。準備も済んだし、いいかもしれない。
「キジフェイ行きの御者の方~いませんか~」
「ああ、こっちだよ」
「明日の便に席はありますか?」
「席はあるが、こっちに来るとき盗賊が出て商人の馬車が襲われたんだ。ちょっと物騒だが構わないか?」
「やめといて様子を見ます。次の便はいつ頃で?」
「2便を交互に走らせてるから3日後だな」
「わかりました。道中の無事を」
「ああ、ありがとよ」
馬車の旅はこんな感じだ。乗るも乗らないも乗客の判断次第。誰も責任など取ってくれないので、リスクの判断は自分でする。現代日本の決まった時間に走る公共交通機関と比べてはいけないし、時間に追われる毎日でもない。
冒険者ギルドへ行くと、Bランクの依頼掲示板にキジフェイ方面の盗賊退治依頼が貼ったままになっていた。
「うわっBランク依頼かよ、おっかないな」
つい、口を滑らせてしまった。横で他の依頼を見ていた冒険者がそれを聞いていた。
「それな、盗賊に元Cランク傭兵と元Cランク冒険者がいるって噂だぜ。今このギルドにBランクは来てないから騎士団が動くかもって話だ」
「そいつは!…ありがとよ」
なんてタイムリーな情報だ! 銀貨を一枚取り出し、冒険者に握らせた。
にやりと笑って、冒険者は視線を戻した。
スイメル~キジフェイ~王都はラズシッタのメイン街道なので、国も管理に気を使っているのだろう。ただ、騎士団は冒険者ほどフットワークが軽くない。3日後の便を狙うよりも日にちをずらした方がよさそうだ。
Fランク掲示板に残っていたコボルト討伐の依頼書を剥がして受付へ持っていった。
幸いにも宿のある村だったので、5日滞在してコボルトとアンデッドを狩って回ったが、マッス村のようなアンデッド祭りもコボルトフィーバーもなく、6件の依頼しか達成できなかった。宿代を入れてなんとか採算ラインだ。やっぱりあの村の状態は異常だったと思う。
一週間ぶりにスイメルへ戻ってくると、Bランク掲示板の盗賊討伐依頼は無くなっていた。依頼処理をしてもらいながら赤いショートヘアの受付嬢へたずねてみる。
「キジフェイ街道の盗賊ってどうなったかわかるかい?」
「それなら騎士団に討伐されましたよ」
「へぇ、ありがとう」
しかし、この受付嬢は実力者や若い人にはにこやかに話すが、興味ない人に対してはハッキリとそっけなくなるな。
こういう所が人気の差になるんだろうなぁ。
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