月に沈む澱 〜地底カラノ叫ビnoisy〜

作者 春川晴人

月に沈む澱は降り積もる4人の心の叫ビ

  • ★★★ Excellent!!!

圭太、秋月、亜美、雪ネエは紆余曲折を経てバンドを組んでメジャーデビューをめざします。

メジャーデビューしたい
メジャーになって周りの人を見返したい

バンドを組んでいる人たちなら誰もが夢見るであろう欲を
利用する輩たち

そんな卑怯な思惑に巻き込まれ
彼らは傷つけられ、また傷つけもし、
離れ離れになってしまいます。

4つの個性
4人の想い
4つの音色
それぞれの過去

それらが絡み合い、
とくにはほぐれ、
また結び合い、
産まれ出た唯一無二のメロディー

それは「生きていく道」

どんな風に生きていきたいか
叶えたい夢はなんなのか

そんな道がおぼろげながらにもイメージできたのなら
必死でもがいてあがいて進めばいいのだと
この物語は伝えてくれます。

人から見て
カッコいいとか綺麗とか
成功しているとか
ステイタスが高いとか

そんな評価って結局はその人を幸せにしているんだろうか

心身ともにいためつけられた4人の心に降り積もるもの
それぞれの想い
共に生きていきたいと願う人
愛とは何か
愛する、愛し合うとは

ラストに訪れるとってもシンプルなココロの叫ビを聞いてください。

地上から見上げる月は手が届かない綺麗な灯
でもそこには地上からは見えない澱が沈んでいる
彼らの地上ではない地底からの叫びが
低く深く心にしみてくる物語です。

決して楽しいストーリーではありませんが、
心に強烈に訴えかけてくれる御作品です。

「あなたはどんな風に生きていきたい?」
読了後にそんな問いかけが聞こえてきそうです。

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