第43話 海で姉妹サンドイッチですが、なにか?

「海に行こう!」


 その私の言葉で、三人で海に行くことになった日曜日。

 場所は舞鶴市の海水浴場だ。

 西舞鶴駅から、近畿タンゴ鉄道へ乗り換えて行く丹後神崎駅。

 そこから歩いてすぐの場所だ。

 京都市内からだと、泳ぐとなると日本海に出るか、琵琶湖か、和歌山の方に下るかになる。

 なら定期がある舞鶴方面だ。琵琶湖は海ではないし。


「おまたせー!」

「……!」


 っと、私は先に着替えてパラソルやシートを設置してくれたしどーくんに声をかける。

 私に見とれているのか、言葉を失っているしどー君の視線が上から下へ。

 太陽の熱がキラキラと私を焦がすよりも、その視線は私を熱くする。

 うへへ。


「際どい方を持ってきたのか……!」

「そうよ?

 だって、しどー君をドキドキさせたかったんだもん。

 だから端の方に陣取ってと言ったわけよ!」


 そう、水着を買いに行った時の、下のラインが際どい方の赤いビキニだ。

 豊満な胸元はともかく、下が過激すぎるとビッチな私でも思う。

 毛は剃ってきているの問題ないのだが、後ろからだと筋が見えそうになるので、パレオをまいている。

 私は露出狂ではないのだ。ビッチだけど。


「……ドキドキしてる?」


 私はしている。

 とはいえ、しどー君を意識させたい。

 後ろを向いてパレオをたくし上げ、自信がある桃尻を見せつけてやる。


「日の下で改めてみると魅力的過ぎる!

 ドキドキしてるし、他の人に際所が見えないかハラハラもしている……!」


 しどー君の素直な所は私を嬉しくしてくれる。

 頬が熱を持ち、今ここで襲いたくなってしまう。

 だから意地悪したくなって、


「チラリとな」

「初音!」


 さすがに水着を指でずらして彼氏に見せたら顔を真っ赤にして大きな声が飛んできた。

 童貞でもないのに初心うぶよの、うへへ。


「しどー君にしかしないもん、安心して?」


 くるっと前を向き、しどー君に抱き着き、私の大きな胸を押し付けて鼓動を伝えてやる。


「……興奮した?」

「……した」


 重ねて言うが、こう素直に返してくれるしどー君が好きな私である。

 こういうことが出来ない男性は多い。


「姉ぇ、抜け駆けしないでよ……」


 後ろから来た妹が、そう不満そうに言う。


「ほら、離れて離れて」

「……判った、判ったから。

 ちゃんと妹も観てあげて、しどー君」


 しどー君から離れ、妹の後ろを押してあげる。

 ちゃんと髪も整えてあげたし、眼鏡もしていない。

 私に似た整った顔は、少し丸い。

 でも、それはそれで良いと思う。

 ちゃんと美少女だ。


「どうですか……誠一さん」


 そして肩から蒔いていたタオルを脱ぎ、水着を披露する。


「……初音、正直に述べて良いのか?」


 っと、私に罪悪感を覚えながら言う。


「どうぞ」

「なんで燦はスク水なんだよ……!

 胸元がパッツンパッツンだし、魅力的ではあるがインモラルだ!」

「てへっ☆

 そんなに興奮すると、妹も驚くわよ?」

「興奮はするが、そういう問題じゃない!」


 という訳で、妹の姿はスク水だ。

 本当なら私のもう一着を着せる予定だったのだが、試したところ、胸元と胴回りがキツイと言いやがった。

 デブったらしい。

 結論、先の電車に乗せて、実家から学校でも使うスク水を持ってこさせた。

 胸元にネームが張られているが、胸のボリュームで引っ張られて伸びている。

 買い替えろと思う。


「興奮してくれるんですね……えへっ……」


 スケベ処女ビッチな妹が顔を赤らめる。

 とりあえず、海に入る前に濡れないように足元を蹴飛ばして正気に戻しておく。

 この妹、最近、発情が酷くなっている気がする。

 まぁ、私も人のことが言えないので血筋だと思う。

 ママもパパを発情して押し倒して出来ちゃったらしいし、間違いないだろう。

 さておき、


「とりあえず、先ずは……」


 取り出したるは水落ちしにくい日焼け止めだ。

 クラスでよく日焼け止めを知っているアルビノな白髪爆乳ロリ双子妹委員長に聞いたもので、間違いないモノだ。

 褐色に焼くのも考えたが、クラスのお嬢様が天然金髪褐色碧目長身ハーフなので目立たないし、やめた。

 ……よく考えなくても、属性がお腹一杯すぎてクラスに居ると日本かここはと思うが、多様性の流れなのだろう。

 私だって天然茶髪巨乳姉属性ビッチで、普通より多いし。

 さておき、


「ちゃんと塗るんだぞ?

 初音と燦で塗り合えるし、ちょうどいい」

「しどーくんが私たちに塗るんだけど?」


 逃がさん、とガッツリとしどー君の手に日焼け止めを握らせる。


「なんだと……」

「しどー君やよく考えてみ?

 こういう所でBをね、合法的にやれるんだよ?

 いつも家でやっているけど、太陽の下で……ふふふ。

 ほら塗れ!」

「燦、どうにかして初音を……って」

「誠一さん……、塗ってください♡」


 既にシートに寝そべる妹。

 呼吸が浅くなっており、今か今かと待ちわびている。

 もし尻尾か耳が生えていたら、犬のようにブンブン回しているだろう。


「諦めて、楽しんだら?」

「……はぁ……。

 確かに必要なことだ。

 やるとするか」


 という訳で、先に妹を塗らせる。 

 しどー君の手が震えているのを私はニヤニヤとしながら、指導だ。

 妹とはBまでは済ませてるのに初心うぶよのぅ。


「まず、横に座ります。

 で、スク水なんだけど。

 上下式だから背中から少し脱がしてあげて?」

「ふむ」

「そして、たっぷりと日焼け止めを手に塗ったら、それを背中にスライドイン!」

「こうか」


 とはいえ、やると決めたら躊躇しないしどー君だ。

 スク水の後ろがめくられ、妹の背中にペタリ。


「ひゃん♡」


 妹が足がビクンと跳ね、艶めかしい悲鳴が周りに響いた。

 慌ててしどー君が周りに視線を巡らせるが、大丈夫、周りの人たちは気づいていない。


「初音……変わってくれ」

「やだ☆

 少しは背徳感を楽しみなさいな」


 ニヤニヤ。

 私も実の妹を彼氏に触らせているという背徳感を楽しんでいるのだ。

 またしどー君も妹も虐める……、こほん、仲良くさせることが出来て一石二鳥である。


「でね、こう背中の中を手につけた日焼け止めのヌメリを利用して隙間に入れていくわけですよ?

 塗りづらいなーとおもったら、首側は腋側から入れてあげて?」

「こ、こうか……」

「ひぁあん♡」

「妹よ、感じすぎ。

 確かにヌメヌメするので触られるとゾクゾクして気持ちいいのは判るけど。

 そういえばローションして水着使って刺激してあげると、男の人は大喜びだったわね」

「……」


 しどー君に微妙な顔をされる。

 なぜ、そんなこと知っているのか、聞きたいような、聞きたくないような半分ずつのようだ。


「そりゃ、しどー君。

 私がスク水でゴシゴシして抜いたことがあるからに決まってるじゃないの。

 下着やストッキングとか使うことも多かったけど」


 手でわっかを作って上下する。


「世界は広いな……」

「しどー君、しどー君。

 やったげよか?」

「……」


 これまた微妙な顔で返されたので、うん、今度試してやろう。

 さておき、


「あへぇ……♡」

「ほら、どきなさい」


 次は私の番だ。

 とりあえず、妹を蹴飛ばして横たわる。

 そして、水着の胸側のホックを外し、腰元のパレオも外す。


「お手柔らかにね?」

「……初音、みえてるみえてる、下が……」

「見せてんのよ。

 他の人に見えないように上手くやってね?」


 ただでさえ際どい水着だ、そうなるのはビー玉が坂を下るぐらい当たり前な話だ。


「ここで下も触っても良いのよ?

 ちょっと濡れてるでしょ?」


 ニシシと笑って挑発しておく。


「さわらんさわらん。

 濡れてもないし。

 とりあえず、下はパレオ被せとくな?」

「いくじなしー」

「そうなること、判っててやってる癖によく言うさ」

「てへっ♪」


 マジメな彼がいきなり暴走することは無いのだ。

 ちゃんと弁えるのが、マジメガネたるマジメガネの所以だ。今は眼鏡してないし、ゴーグルが頭に乗っているが。


「さて……」


 柔らかい手つきが私の背中をまさぐる。

 私の大好きなしどー君の手だ。

 その事実だけで気持ちいいし、嬉しい。

 毎日とは言わないが、もう何度も逢瀬を重ねているからかもう触ってくれるだけで何を考えてるのかも判る。


「緊張してる?」

「そりゃそうだ。

 こんな人が居る所で」

「といいつつ、ちゃんとやってくれるよね、しどー君」

「そりゃそうだ。

 僕はマジメガネだからね」

「胸もやってみる?」


 ギリギリ見えないラインまで上半身を起こしながら、しどー君を観て、意地悪い笑みを浮かべる。


「……やらん」

「知ってる。

 後で、ローションプレイしよっか?

 いつも触ってる私の胸が更に触り心地がアップして楽しいぞい!」


 頬を赤らめて、反応してくれる。

 決定だ。


「二人だけで世界作らないでください!」

「あ、居たの妹」


 正気に戻った妹が文句を言ってきたので、ぞんざいに扱っておいた。

 背中触られただけで逝ってしまう淫乱はこれぐらいでいいのだ。


「さて、しどー君の番よ」

「……自分のは自分で濡れるぞ?

 というか、少し焼こうかとだな……!

 後でとは言ったが家の話かと……!」


 指をワキワキと動かしながらにじりよると後ずさるしどー君。

 私の考えを察してくれたらしい。さすが、彼氏彼女である。


「燦ちゃん、確保!」

「任された!」


 しかし、私と妹は年子姉妹だ。

 既に後ろに回っていた妹が、しどー君を羽交い締めにする。


「……っ!」 


 もがくしどー君だが、妹に気遣ってかパワーが出せないようだ。

 また、もがく度に後ろの妹の巨乳がしどー君に押し付けられ、どうしたものかと悩んでいるようにも見える。

 楽しめばいいのに……くくくっ!


「初音?」

「私も妹も前塗らなきゃならないし、ついでよついで!」


 私は自分の胸に日焼け止めをたっぷり垂らす。

 そして前からギュッと抱きついてやり、妹の胸にも手を回し、垂らす。


「姉妹サンドイッチだ!」


 巨乳美人姉妹の贅沢盛りである。

 二人で立ったままの形でおっぱいで挟み込む姿はまるでソープとかのプレイであり、男にとっては夢のような状況だろう。


「しどー君、気持ちいいでしょー?」

「誠一さん痒いとこはないですか?」

「……っ! ……ぁ!」


 なお、マジメガネなしどー君には困惑半分でパニックだ。二人で前後から耳元で問うても、しどー君は口をパクパクさせるだけだ。


「続けるわよー」


 そして意外とたくましい腕、足、太ももをゴシゴシフニフニと丸洗いしていき……大きくなったご立派様へと、


「必要ないだろ!」


 流石に怒られて私たちは頭を捕まれる。


「大きく成ってるから一発抜いてあげようと思ったのに、残念。

 おっぱいヌルヌルして気持ち良かったから興奮したのよね?

 あるいはインモラルのシチュエーションに興奮しちゃった?

 ふふふ」


 私がニヤニヤとからかうとばつが悪そうなしどー君は、


「確かに両方だが……、やるなら家でな?」


 私たちから距離を置き、冷静さを取り戻そうと頑張るマジメガネが微笑ましい。

 私も本気でやろうとは思ってないが、気分が乗って悪のりしすぎた。反省。


「はぁ……はぁ……」


 そんな中、私でも、しどー君のものでも無い熱を帯びた吐息。

 見れば、妹が顔を赤くさせ、胸元の突起を大きくさせながら、瞳を潤ませてしどー君の股間を捉えている。

 完全に発情していた。恐らく擦り付けで火が入り始めて、極めつけのビックボーイだろう。

 自分をコントロール出来ないビッチはゴミだと教えた筈なんだけど、致し方なし。

 今、隙を見せると一人でもおっぱじめかねない。

 端とはいえ、人に見られる可能性はある。流石に誤魔化せないのは不味い。


「しどー君?」

「解った」


 とりあえず、妹の手足を掴み、二人で海に投げ飛ばした。

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