第9話 本当に幸せだった

 ここが、ドリヤードさんの花畑かー、手入れがしっかり行き届いてて、綺麗だなー。もし、沙姫かクロノとデートするならこんな場所に行くといいんだろうな。


・・・あれっ、なんで俺今クロノとデートすることを考えたんだろ。・・・もしかして、俺、クロノのことが・・・いやっ、まさかそんなことはないよ、な?


 〈レイさーん、久しぶりですー〉


 柄にもなくそんなことを考えていると、向こうからドリヤードさんが走ってきた。


 〈ドリヤードさん、お久しぶりです。ここの花畑すごくきれいですね!〉


 〈レイさんがほめてくれて、私もうれしいです!〉


 そう言って、ドリヤードさんはクルクルあたりを飛び回っている。

 ・・・なんだろう、この守ってあげたくなるような、かわいい精霊は。


 〈それにしてもレイさん、前会った時より、めっちゃ魔力量増えてますね!最初魔力だけじゃ誰かわからなかったですよ。〉

 〈そう?頑張ったからかな?〉

 〈はいっ!多分そうですよ!〉


 俺はドリヤードさんとそんな感じの話をしながら、お花畑を回った。


・・・

 〈おいっレイ、そろそろ次の場所に行きたいんだけどいいか?〉

 〈大丈夫ですよ!・・・じゃあ、ドリヤードさん今日はありがとうございました〉

 〈いえいえ。私もレイさんと話してて楽しかったので、これは、ほんのお礼です!〉


 そう言って、ドリヤードさんは俺に、粉が中に入っている小瓶をくれた。


 〈これは何ですか?〉

 〈それは、私がレイさんのために今作った、フラワーティーの粉ですよ!〉

 〈!?これ、もらってもいいんですか?〉


 やっぱりドリヤードさんも精霊なんだな。これを一瞬で作るとか、普通出来んわ!


 〈はいっ!クロノさんと一緒に飲んでください!〉

 〈ありがとうございます!しっかりと味わって飲みますね!じゃあそろそろ行きますね!今日はありがとうございました!〉

 〈はいっ!またいつでも来てください!レイさんなら歓迎しますよ!〉


 その後、俺はバアルさんにいろいろな場所を案内してもらった。どの場所もたくさんの植物や動物がいて面白かった。


 〈バアルさん、次はどこに行くんですか?〉

 〈行く場所は次で最後だ。次は妖精の広場に行く!〉

 〈バアルさん、妖精って?〉

 〈いたずらが好きな連中だ。人を森に迷わせたりしているが、この時の森全体の管理をしている。〉



 ・・・

 〈ほら着いたぞ!〉


 俺はあたりを見回したが、どこにもそれらしいものはいない。


 〈レイ、魔力をまとってみろ。そうしたら分かる。〉

 〈えっ、、、なんでわかったんですか?〉

 〈ふっ、顔に出すぎだ。〉


 バアルさんは鼻で笑ってそう言った。

 俺そんな顔に出てるのかなー


 俺は修行していた時のように、体全体に魔力をまとわせた。

 すると、さっきまでそこには何もいなかったのに、突然、絵本で出てくるような見た目の妖精たちがたくさん現れた。


 〈ねぇねぇ、これって君の魔力?〉


 妖精のうちの一人が話しかけてきた。


 〈えっ、ああ。そうだけど、〉

 〈へー。君たくさんの魔力を持ってるね。君、名前はなんていうの?〉

 〈神谷レイだよ〉

 〈ふーん、神谷レイねー。じゃあ、カミヤンって呼ぶね。私は、ミツネ。呼び捨てでいいよ!今をもって、私とカミヤンは、友達ね!これからよろしく。〉

 〈うん、分かったよ。こちらこそよろしくね、ミツネ〉


 ミツネと名乗った妖精はそう聞いた後、笑顔になった。

 なんだ、今まで、不愛想だったからよくわからなかったけど、笑ったらかわいいじゃん!


 〈ねぇカミヤン、私たちと遊ぼうよ!〉

 〈いいけど、何して遊ぶ?〉

 〈レイ、悪いんだけど、そろそろ時間だから、遊ぶのはまた今度でいいか?〉

 〈えっもうそんな時間なんですか!?分かりました。・・・ってことで、帰ることになっちゃった、ミツネ。ごめんね。次来たときは遊ぶから。〉

 〈そんな理由があるんなら仕方ないし、今日は帰っていいよ。〉

 〈ありがとう、ミツネ〉

 〈でも、カミヤンが次来たときは私達とかならず遊んでね!約束だよ!〉


 俺は名残惜しかったけど、バアルの背中に乗って、妖精の広場を離れた。


 〈レイ、今日はどうだった?〉

 〈時の森のことをよく知れて楽しかったですよ!〉

 〈そうか、じゃあ、クロノスタスのところに行くぞ〉



 ・・・

 〈ほらっ、着いたぞ。〉

 〈なっ、、、〉


 俺はその変わり果てた光景を見て、絶句した。

 いつも明るい場所が、真っ暗で何も見えなくなっており、クロノの姿がどこにもないのだ。


 〈バアルさん、クロノがいません、、、!?!?!?!?〉


 なんと隣にいたバアルさんもいなくなっていた。


 〈バアルさん、いるんなら返事をしてください〉


 しかし返事が返ってくることはなかった。


 俺は、これからどうしようと呆然とその場にたたずんだ。


 〈〈〈〈〈〈レイ君、ちゃん、さん、2歳の誕生日おめでとう!   パーン、パーン〉〉〉〉〉〉


 突然あたりが明るくなり、クロノとホイップさんとバアルさんとシャルルさんとマリンさんとドリヤードさんが現れた。


 〈って、えっえええええええ!?どうしてみんなここに?っでもさっきはいなかったし。あれっ、どういうこと?〉


 〈ふふっ、レイ君驚きすぎ。サプライズだよ!2歳のお誕生日おめでとう!これからもよろしくね!〉

 〈レイさんだます形になってすいません。お誕生日おめでとうございます。これからもよろしくお願いします。〉

 〈レイ、だまして悪かったな。誕生日おめでとう!これからもよろしくな!〉

 〈レイ、だます形になってごめん。あと誕生日おめでとう。これからもよろしく。〉

 〈レイちゃんだましてごめんね。誕生日おめでとう!これからもよろしくね。〉

 〈レイさんだましてごめんなさい。でも驚かしたかったから、、、誕生日おめでとうございます。これからもよろしくお願いします!〉


 この場にいるみんなが、俺のことを祝ってくれている。

 ああー、なんて幸せなんだろう。

 俺は気づかないうちに涙が出ていた。


 〈みんな本当にありがとう!俺は、こんなに祝ってもらえてすごく幸せだよ!〉

 〈レイ君、どうだった?レイ君を驚かせるためにみんなで頑張ったんだけど、〉

 〈すごくうれしいよ、クロノ。。。〉

・・・

 〈なあクロノ、よければでいいんだけど、250年後の俺の誕生日は、俺とデートしてくれないか?〉


 次の瞬間、俺の口からは自然とそんな言葉が出ていた


 クロノは少しの間、目を丸め、すぐに俺のほうを見て言った。


 〈もちろんいいよ!楽しみだね!〉


 俺はその言葉を聞いて、無性にうれしくなった。


 〈レイ君!ご飯たくさん作ったから、せっかくだし一緒に食べよ!ほら行くよっ!〉


 クロノは笑顔で俺の手を引いて、椅子まで連れて行ってくれる。

 俺はそんなクロノの笑顔がとても輝いているように見えた。


 それで俺は気づいた。


 あー、俺って、クロノのことが好きなんだ。



 俺の誕生日パーティーは朝まで続いた。

 クロノのこともあって、その日は俺のとって忘れられない一日になった。

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