第4話 異世界のことを知った


 俺は、時空をつかさどる精霊クロノと本契約をするために、時の森で、1000年間修行をすることになった。まだ、どんな感じの修行をするとかは聞いていないし、想像すらできない。けど、これで力を得られると思うと少しずつ不安感もなくなっていった。


 〈零君、おーい、零君!聞いてる?〉

 〈あっごめんごめん。ちょっと考え事してたよ。〉

 〈はぁー、じゃあもう一回聞くね。零君はこの世界のことをどれくらい知ってるの?〉

 〈この世界は、ディオルザルっていう世界で、ここでは、250年前から、人族、魔族、獣人族、エルフなどの亜人族で領土争いをしているってことぐらいかなー?〉

 〈もうびっくりするぐらい知らないんだね、予想はしてたけどここまでとは、、、じゃあ、いまからとりあえずこの世界のことを、簡単に説明するから、ちゃんと聞いててね。〉


 クロノはやれやれという顔をしている。

 えっ、これ俺のせいなの?


 〈なぁ、クロノ、修行はいつするんだ?〉

 〈はぁー、そんなの説明の後からに決まってるじゃん。時間はたっぷりあるんだから、そんなに焦らなくていいよ。〉


 クロノはあきれるような視線をこちらに向けている。


 〈じゃあ、話すよ。・・・この世界には、人族、魔族、獣人族、エルフなどの亜人族、そして僕たち精霊がいるんだ。零君の言った通り、僕たち以外の4種族は領土争いをしているよ。でも、領土争いって言っても、その根本にあるのは、差別意識だからね。零君が、もしこの世界を統一したいのなら、各種族間にある差別意識を撤廃するところから始めるといいかもね。っと、今の世界の情勢はこんな感じかなー。・・・じゃあ、次は各種族について説明していくよ。まず精霊からね!僕たち精霊は、全部で数えきれないくらいたくさんいるんだけど、その中でも特に力を持った精霊のことを、大精霊っていうんだ。大精霊は全部で8人いるから順番に言っていくね!〖炎の大精霊サラマンダー〗、〖水の大精霊レイン〗、〖風の大精霊シルフィーネ〗、〖大地の大精霊レノーラ〗、〖光の大精霊ライラ〗、〖闇の大精霊クーネ〗、〖創造の大精霊オリジン〗、そして僕、〖時空の大精霊クロノスタス〗、だよ。〉


 俺は唖然とした。クロノって大精霊だったの!?今の、クロノからは全然想像できなかった。


 〈ねえ、零君、心で考えていることが顔に出てるんだけど、〉

 〈まあまあ、で続きは?〉

 〈僕は全然、納得してないんだけど。あっそれでね、僕たち大精霊は、全員住んでる場所が違って、それぞれの個性が最も強く出る場所に住んでるんだよ。僕だったら、この時の森とかね!あっでも、零君は、今は他の大精霊のところには行けないよ。〉

 〈うんっ?なんで?〉

 〈それはね、零君が今、他の大精霊のところに行っても、周りの環境に耐えられなくなって死んじゃうからだよ、ちなみに、いま零君がこの時の森で生きていられるのは、僕が常時、魔力の結界で、零君を守っているからだよ。だから、他の大精霊のところには、1000年後の修行が終わって零君が、強くなったころに案内するよ!〉

 〈なおさら、修行頑張らないとダメじゃん!〉

 〈そうだね!でも、僕がちゃんとサポートするから心配しなくていいよ。・・・えーっと、じゃあ次は、人族から順番に説明していくね!人族は、特に、魔族や獣人族と敵対しているよ。これは、多分、昔の魔王が生きていた時代に、魔族が人族と亜人族を大量に殺したからだろうね。あっでも、今の魔王全然関係なくて、一応、友好条約を結んでいるよ。獣人族に関しては、昔から人族が彼らを見下していたから、詳しい起源はよく分からないんだ。亜人族に関しては、人族と割と仲がいいから、特に争いは起きてないよ。でもね、人族の全員が、魔族や獣人族と敵対しているわけじゃないんだよ!人族の中でもプライドの高い王族が、そういう風に言ってるからしょうがなく従っているっていう感じだね。魔族と獣人族はそれに、反抗しているだけだから、この争いの発端は、人族の王族だともいえるね。まぁでも、一部の上位魔族の中には、人族を痛めつけてる奴らもいるからどっちもどっちなんだけどね。上位魔族っていうのは、魔族の中でも少し強い部類に入っている人たちのことだよ!ちなみに、その上には、超位魔族、王位魔族がいるよ。今、王位魔族なのは、魔族の王族の姫である、ミュウっていう子だけだね。〉

 〈じゃあ、この問題を解決する鍵は人族が握っていそうだな〉

 〈そうだね、零君には、気の毒だけど、同じ人族に、しかるべき判断をとる必要があるかもしれないよ。〉

 〈そうならないことを願うよ〉


 俺は苦笑いしながら、クロノにそう答えた。しかし、俺はその時に何となく感じていた。この問題が、ただの話し合いだけでは、解決しないことを。

 それにしても、クロノの話を聞いてる限りでは、獣人族に関しては完全にとばっちりだな。俺は、獣人族のことを気の毒に思った。もうこれで全部聞いたかな?あれっ・・・まだ、亜人族のこと聞いてなくね!?


 〈なぁクロノ、亜人族はどんな感じなんだ?〉

 〈あー、これから説明しようと思っていたんだよ!決して、忘れていたわけじゃないから!!!っとその前に、話し忘れていた、、、じゃなくてこれから話そうと思っていた人族以外の種族の特徴を先に説明するね!人族の特徴を言わないのは、人族の特徴は複雑で、一言で言い表せないからだよ。これに関しては修行の合間にでも話すよ。じゃあ、まず、獣人族から話すね!獣人族は動体視力や身体能力がすごく高いよ。肉弾戦になったら、やっかいだよ!次に亜人族なんだけど、亜人族は魔法の適正がすごく高いよ。魔力量も多くて精霊魔法を使える子もいるから、戦うのは、骨が折れるね。それに、亜人族のなかには、生まれた時から零君でいう称号みたいな特殊能力を持っている子もいるから、戦いにくいよ!魔族は、今言った獣人族と亜人族の特徴をほとんど全部持っているよ。まぁ、獣人族には身体能力で劣るし、亜人族には魔法適正で劣っているけどね。でも、戦うときに一番厄介なのは、魔族だよ。っで、零君が気になってた亜人族だけど、亜人族は魔族とだけ、敵対しているよ。これも原因は昔の魔王だね。〉


 また原因は昔の魔王かいっ!っていうか、ちょっと待って、なんで、クロノは戦うこと前提で話を進めてるの!?もしかして、戦ったことあるのかな?


 〈なぁ、クロノもしかして獣人族や亜人族や魔族と戦ったことある?〉

 〈あるよ!みんなめっちゃ強かったよ!〉

 〈えーっと、それは何で戦ったの?〉

 〈ふふーん、今は秘密かな。このことも、零君の修行の合間とかに話すよ。まだ、この世界にあるギルドとか大会とかの、細かい内容も話せてないしね。〉

 〈今話せないの?〉

 〈今話してもいいけど、もうすぐ、夜だからね。零君はこの世界に来たばかりだし、早く寝たほうがいいよ!〉

 〈それもそうだな、でも俺どこで寝ればいいの?〉

 〈ふっふーんっ、なんとこんなこともあろうかと、零君のために、布団を用意しておいたよ!だからそれを使って眠ればいいよ!〉


 クロノは空間から布団を取り出して、俺に渡してきた。いやっ、いまどこから出したんだよ!って、つっこみたくなる気持ちを俺は必死に抑えた。


 〈クロノ、ありがとう〉

 〈どういたしましてっ〉


 俺はクロノの気の利いた優しさに相まって、ニコッと笑ったクロノの可愛い笑顔に、一瞬胸がドキッとした。


 そして俺は布団を敷いて寝ることにした。


 〈おやすみ、零君〉


 クロノは優しい声で、俺に囁いたささや。


〈おやすみ、クロノ〉


 俺は、今日、いろいろなことがあったなーっと思い返しながら、あったかい布団で就寝し、夢の世界へ意識を落としていった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます