第2話 神界での出来事と残念な創造神

{俺はいつも通り、学校に通い授業を受け、学校が終わり、家に帰ろうとしていた。それからどこで歯車が狂ったんだろうか、俺はトラックにはねられて死んだ。これは別に自殺をしようして死んだわけではない。最愛の妹である沙姫を助けるために死んだのだ。トラックの運転手への恨みがないかと言われれば、ないとは言い切れないが、俺は後悔だけは全くしていない。沙姫が、はねられた俺のほうへ誰よりも早く駆け寄ってきてくれたことに、死ぬ間際にもかかわらず、自然と俺は安堵し、うれしく思っていたのだ。

 心は安堵とうれしさであふれており、満たされているはずなのに涙が出てきた。

 俺は、沙姫とずっと一緒にいたかったんだと主張するように・・・・・・}




「【神意魔法】ーーー聖魂転移ーーー」



 ・・・・・・最後に聞き覚えのある声が聞こえた気がした。




「零様、神界へようこそ。私は女神セレーネ。5つの世界の創造神です。以後お見知りおきを、、、」



「・・・うん?

 えええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」


 俺は自部自身のことを冷静なほうだと思っていた。そんな俺が、他者が見たらドン引きするような表情で叫んでいたのだ。

 俺はトラックではねられたときに頭を打って、頭がおかしくなって、幻覚を見ているんじゃないかと思った。しかしそれは、俺の目の前にいる人の言葉で幻覚じゃないと知る。


「あのーーー零様?どうかされましたか?」

「いやーでも、俺確かに死んだしなー」


 俺は目の前にいる女の人に聞くことにした。


「あのー、すいませんここってどこですか?

 もしかして、天国とかですか?」


 目の前にいる女の人は咳ばらいを一つして、


「ゴホン!ここは天国ではなくて神界ですよ」


 俺は今まで聴力検査にひっかかったこともないし、耳が悪いわけでもない。俺は、ついに幻聴が聞こえ始めたのかもしれないなと思ってしまった。確かによくよく考えてみれば死んだ俺の目の前に、女の人がいること自体おかしいのだ。


 なので、耳の穴をかっぽじって、もう一度聞くことにした。


「すいませんよく聞こえなかったんで、もう一度お願いします。」

「神界ですよ。私が、神意魔法であなたの魂をこっちによんじゃいました。」



 ・・・ん?今の言葉と目の前でドヤ顔している女の顔を見て、俺はある一つの答えを導き出した。だから目の前にいる女に聞くことにした。


「もしかしなくても、これって、よくラノベとかである神の世界によばれるやつ?」

「ラノベというのが何かはわかりませんが、そうですよ。ちなみにあなたをここに呼んだのは私です!」


 俺は目の前でドヤ顔している女殴りたくなった。

「俺は神谷零です。えっとーあなたの名前は何ですか?」


 俺はまだ目の前にいる女の名前をまだ知らないと思い、尋ねた。


「私は女神セレーネ。5つの世界の創造神です。」


 え、待って俺もしかして、創造神様に対して失礼な態度とってた!?もっと丁寧な態度のほうがいいのかな


「そうですよー。零様はもっと私に敬意を払わないといけないのです!」


 目の前でドヤってる女神を見て、俺は即座にさっき心で思ったことを取り消した。こいつしかも、何気に俺の心を読んでくるし、、、


「なぁ、えっとー、呼び方はセレでいいか?俺のことも零ってよんでいいから」

「・・・えっええ!いいですよ。では、私も零さんと呼びます」


 セレは少し驚いた顔で、そう答えた。

 俺はセレがなぜ驚いた顔をしていたのか、その時はまだわからなかった。


 すると、突然空間がねじ曲がり中から一人のかわいらしい天使が出てきた。

 俺が、あっけにとられて見ていると、天使はこちらを一度見た後、セレのほうに顔を向けた。


「セレーネ様、もう少しで神意魔法が切れます。要件を急いでください。」

「わかったわ。アイン、あなたもわざわざ伝えに来てくれてありがとう」

「いえ、では私はこれで」


 そういって、アインと呼ばれていた天使はねじれた空間に帰っていった。


「なあ、セレ、要件って?」

「零さん、あなたには、私の世界、零さんの世界でいう異世界に行ってもらい、大陸同士の争いを止めてほしいのです。それで、あなたのような澄んだ魂が必要なのです。」


 あのセレが真顔で俺にそう告げた。


「いまいち意味が分からないんだけど、どういうこと?

「零さんの世界でいう異世界、ディオルザルっていう世界があるのですけど、そこでは、250年前から、人族、魔族、獣人族、エルフなどの亜人族で領土争いをしています。それにより、世界はいずれ破滅します。そこで、零さんにはどのような方法でもいいので、争いを止めてほしいのです。」


 俺は、ありふれた魔王を倒す戦いとかなら断ろうと思っていた。しかし、それは全種族を救ってほしいというセレからのお願いだった。


 そして俺は沙姫が言っていたことを思い出した。


『私達は兄妹、たとえ時間、空間が違っても、もし自分が相手だったらどうするかを考えてから答えを出そうよ!どこにいても自分がした善行は想っている相手にも届くんだよ!まぁ、私だったらお兄ちゃんのことなんだけどね、』


 俺は決意した。

「わかった。そのディオルザルっていう世界に行くよ。ただいくつか聞きたいことがあるんだけど、まず、俺のはねられた体はどうなるの?できれば、現実世界と同じ体がいいんだけど、」

「本当にありがとうございます!もちろん、零さんの体は私が現実世界と同様のスペックで作ります。あとかるく向こうの世界のことを説明しておくと、向こうの世界では、自分のレベルを見ることができ、筋トレ、魔物の討伐など様々なことによってレベルが上がります。レベルには上限があって、その上限より上には成長しません。また一部の人は精霊と契約して精霊魔法という特別な魔法を使う人もいます。しかし、精霊とは基本話せないし、話せても精霊に気に入られないといけないので精霊魔法使いは基本いません。零さんは・・・精霊とそもそも話せませんね」

「なあ、セレ、俺がその世界に行ってもすぐ殺されるだけだと思うんだけど。」

「そのことは心配いりません、私が今から、零さんに与えることのできる範囲で恩恵を3つ与えます。最強の力、最強の頭脳、教会に行けば、私と話せる権利など、なんでも与えれますよ。」


 俺は、悩むことなく話を聞いていて思いついた恩恵を与えてもらうことにした。


「俺が欲しい恩恵は、精霊と話すことができる権利、レベル上限をなくしてほしい、・・・そして、最後にセレといつでも話すことのできる権利、どうだ?与えられそう?」

「そんなことでいいんですか?・・・分かりました。最後の恩恵は少し、条件付きになりますけど、零さんがそう望むなら」


 セレが俺に手をかざした。俺の体は金色の光に包まれた。



「特になんも変わらないな」

「特に変化するような恩恵じゃないですからね、零さん、そろそろ時間です。また零さんが向こうの世界についたら話しましょう。最後にどこで生まれたいとかありますか?」

「できれば、精霊がたくさんいる所がいいな」

「分かりました。では、時の森に1歳の状態で転移させます。あなたに神の祝福を」



その言葉を最後に俺の意識はどんどん下に落ちていった。

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