第38話 図書館
昼休みの過ごし方は人それぞれだ。男子の大半はボールなりを使ってアクティブに遊ぶ連中が多いだろう。まあ、インドアなら読書とかあるいはノートの切れ端とか後ろの部分を使ってゲームなんて人もいるだろう。
女子に関しては俺はそこまで詳しくはないけど、話で盛り上がったり、ゲームなんて人もいるだろう。読書だって悪くない。
そうそう、男子の場合は昼を食べて少し昼寝なんてこともあるかもしれない。
さて、そんな各々の過ごし方をする昼休みにおいて、俺と琥珀の行動パターンは意外とランダムだ。友達との時間を優先させる時もあれば、中庭でのんびり2人で日向ぼっこをしたりもする。たまに運動とかだってする。
そして本日は図書室に来ていた。図書室でやることは2通りで勉強か本探しのどちらかだ。一応人気がある小説、漫画、ラノベはある程度網羅したつもりだけど、やはり抜けはある。
「あっくん、これ面白そう」
図書室なので小声でそう言う琥珀。囁かれると物凄く心地いいものだ。そんな琥珀が見せてきたのは恋愛小説だろうか。多分携帯小説の書籍化だろう。
「だね、読み終わったら貸してよ」
「うん。あっくんは何かいいのあった?」
「これかな」
「わぁ……料理の本だぁ」
俺が見てるのは家庭料理のレシピ本。こう見えて料理はそこそこ得意な方だ。まあ、とはいえ最近は琥珀に任せ切りだけど……結婚して琥珀が妊娠したり何か忙しい時のために準備は怠らない。
「私もそれ後でみたいなぁ」
「もちろんだよ」
「えへへ、ありがとう」
……あぁ、もう。なんでこの子はこんなに可愛いのかしら。図書室なのであまり大胆なことは出来ないけど……
俺は琥珀を見えない所まで誘導するとそっと手を握って手の甲に軽くキスをする。突然のことに驚いて声を出しそうになる琥珀だけど、図書室なのを思い出して必死に我慢する姿がなんとも可愛いものだ。
「ごめん、可愛いから我慢出来なくて。嫌だった?」
フルフルと否定する琥珀。顔が赤いけど、まだこのくらいの軽いスキンシップで照れてくれるのが嬉しすぎる。
「ねぇ、琥珀。他にも何か借りてこうか。帰り荷物重かったら手伝うからさ」
「……いいの?」
「当たり前だよ」
「あっくん……うぅ、凄く優しくてかっこいいよぅ……」
こう、恥ずかしがりつつもさりげなくかつ、ストレートに好意を伝えてくれる琥珀たんマジ天使。まあ、学生の頃って荷物が多いと登下校がめちゃくちゃ大変だけど、俺はそこそこ鍛えてるからそこまで関係ないかな。
そんな感じで本日も琥珀たんは俺の中で最高でした(当たり前だけど)。
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