第14話 ゆうべはお楽しみでしたね

「あら、暁斗おはよう――って、あらあらまあまあ」


丁度部屋から出てきたタイミングで母さんとかち合ってしまった。俺の部屋から出てきた琥珀を見てからニヤリと笑って言った。


「ゆうべはお楽しみだったのねぇ」

「?」

「大丈夫だよ。今は琥珀が知らなくていいことだから」

「ちなみに私達もゆうべはねぇ――」

「言わなくていいから」


そのうち言葉の意味を知って顔を真っ赤にする可愛い琥珀の姿が目に浮かぶが……うん、耐えなくては。


「あ、あの……おはようございます。お母様」

「ふふ、おはよう琥珀ちゃん。昨日は暁斗と一緒に寝たのかしら?」

「は、はい……あっくんが優しく抱きしめてくれました」


えへへと笑う琥珀……ヤバい。ニヤケる顔を抑えるので精一杯だ。本当になんでこんなに琥珀さん天使なの?天使すぎない?もうさ、琥珀=天使の生まれ変わりでも疑わないよ俺。


「そう、それは良かったわ。それにしても琥珀ちゃん暁斗のこと大好きみたいで嬉しいわぁ」

「ふぇ!?………あ、あの……その……あっくんは優しくてカッコよくて、その……わ、私の王子様ですから」


顔を真っ赤にしてそんなことを言う琥珀……もうね、モジモジして顔を赤面させるだけで反則なのに言うことまで可愛すぎて本当にヤバいよね。


しかし王子様か……俺の柄ではないが、琥珀の理想がそれならそれらしく振る舞うべきか?いや、とりあえず今は琥珀の理想に近い行動を常に心がけるべきだろう。それでいて琥珀以外は眼中に無いとアピール出来ればなおよし。


「ふふ、大変ね王子様は」

「こんなに可愛いお姫様のためならなんでもするさ」

「か、可愛い……えへへ……」


うん、もうね、行動の全てが可愛すぎて琥珀がそばに居ると俺は理性を失いそうになる。理性的な王子様が理想なのに狼さんモードに入ってペロリと可愛い琥珀姫を食べちゃいたいという欲望が強くなりそうで怖い。


本当に俺は1秒ごとに琥珀のことを好きになってる気がするけど……好感度が見えたら多分俺だけ琥珀への数値がカンストしてて計測不能になるだろうという自信があるよね。


「さ、朝ごはん食べたら琥珀ちゃんの買い物に行きましょうか。あ、そうそう琥珀ちゃん下着は大丈夫?ブラジャーとか」

「えっと……そういうのよくわからなくて……」

「じゃあ、買いましょうか。琥珀ちゃんきっと巨乳になるから必要だわぁ」

「………ふぇぇ」

「母さん。とりあえず俺の前で話すと琥珀が恥ずかしがるから」


可愛い反応しながら胸を隠す琥珀。うん、まあなんだ……琥珀は発育いいから本当ならもっと早く必要だったんだろうとは思うけど、とりあえず今は俺の前で話すと可愛い反応してしまうから控えようねと注意するのだった。






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