第13話 寝起きのイタズラ

「すぅ……すぅ……」


可愛らしい寝息をたてる琥珀を見守る俺。ちなみに軽く琥珀を抱きしめているのはもちろんわざとだ。本当は起きた時は琥珀が俺の手を握りしめていた程度だったのだが……あまりにも可愛くて我慢できずについ抱きしめてしまった。もちろん苦しくないように加減はしてるが。


時刻は6時30分と少し早め。休みなのにこんなに早起きとか学生時代だったら部活くらいしか記憶にないが……なんというか、琥珀の寝顔を見たくて頑張って起きてみた。


「うぅん……えへへ……あっくんしゅきぃ……」


………叫ばなかった俺を褒めて欲しい。今本気で叫びそうになった。琥珀さんなんで寝てる時までそんなに可愛いの?もう食べちゃっていいかな?もう本当ね、本当ね琥珀が可愛すぎて辛い。


もう少しだけ強く、でも痛くないように優しく抱きしめると琥珀も無意識に俺に抱きついてきた。


「あっくんぎゅー……」


再三言おう。叫ばなかった俺を皆称えて。本当に琥珀これを天然でやってるとか本気で可愛すぎて辛い。いやぁ……早起きは三文の徳って言うけど桁違いの徳を得た気がするよ。やっぱり早起きいいねと、都合のいい解釈をしていると琥珀がうっすらと目を開けた。


「うぅん……あっくん……?」

「おはよう琥珀。まだ早いから寝ててもいいよ」

「うん……しょうしゅる……」


呂律が上手く回ってないな。なんかさらに幼くなった感じで可愛いんだけど……俺ってロリコンだったのかな?いや、今の琥珀に萌えなければ人として死んでると言わざる得ない。うん、そうだ。それに精神年齢考えれば今更ロリコンとか気にしても仕方ない。


うん、そうだ。好きになったら歳なんて関係ないよね。

まあ、今は一応同い年だから対外的にはなんの問題もないしね。


「よしよし、ゆっくり休みなよ」

「うん……」


またすやぁと心地よい寝息を立てながら俺に抱きついてくる琥珀。なんというか……発展途上なのに思ったより女の子って感じの体つきをしてて本当に理性先生がガチでやばい。


それに琥珀の匂いを嗅ぐとどうしても愛おしさが込み上げてきて仕方ない。俺って変態なのかな?まあ、でも琥珀がそばに居るという事実は本当に心から安心出来る。過去のことをなかったことには出来ない。でもさ、この琥珀を幸せにするくらいなら俺がやってもいいよね?


運命が仮に琥珀にとんでもない試練を課しても俺は琥珀の味方。だから絶対に琥珀を守ってみせると誓いながらもこの役得を楽しむのだった。いやぁ……これから毎日これは俺は幸せすぎるよな。



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