第24話 破廉恥

「やっぱ付き合ってんじゃん!」


 予想通りに、横山は俺に突っかかってきた。俺としても予想はしていたが……どうにも面倒くさかった。


「……だから、違うって言っているだろう?」


「でも! プレゼント貰ってたじゃん! 付き合っているから貰っているんでしょ!?」


 なぜか無駄に迫ってくる横山。なんでコイツはここまで突っかかってくるんだろうか……。


「……じゃあ、仮に俺と前野が付き合っているとしよう。それで、お前に何か不便があるのか?」


 そう言うと横山はまたしても答えに詰まった。コイツはあまりものを考えずに喋っているのだろうか?


「……べ、別に不便はないけど……む、ムカつくから……」


「……は? ムカつくって……別にお前だって、彼氏とか、いるんだろ?」


 俺がそう言うと、横山は目を丸くして俺を見る。


「い、いるわけないじゃん! ウチがそんな破廉恥な女に見えるの!?」


 破廉恥……俺は言われて今一度横山を見る。


 短めのスカート、着崩したシャツ、そして、目立つ金髪……破廉恥かどうかは知らないが……遊んでいる感じではあると思っていた。


「……違うのか?」


 俺がそう言うと横山は何故か涙目になって、そのまま俺に背を向けて行ってしまった。


 ……アイツは、一体なんなのだろうか?

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