17.盾神器の第三効果・超火力

 インフェルノボス『メイルシュトローム』の触手は『四本』――存外ぞんがいにも少ない。だが、それぞれが手であり足であった。そしてひとつひとつが【神器】に相当する凶器であり、兵器。一撃でも浴びれば即死はまぬがれない。



「っらぁぁぁぁぁぁッ――!!」



 俺は、武器神器【ウォルフ】と【シャーゴッティ】のダブル神器の『持ち替え』連撃をヤツに浴びせた。その度に特殊効果『粉砕』と『バーニング』がインフェルノボス『メイルシュトローム』の触手あるいは巨体に命中した。



 だが、敵の表面ボディは想像以上にかたく、なかなか思うようにダメージが通らない。あんな軟体なんたいな見た目をしているクセに、なんてヤツだ。


 さすが、地下【6000F】相当のインフェルノボスってことか。



「触手攻撃がくるぞっ……!」



 飛んでくる触手を、俺は盾神器【ドレイク】を構え攻撃を防いだ。

 しかし、その衝撃は尋常じんじょうじゃないほどに重く、ノックバックしそうになるが【神器】のおかげでそれは回避された。



 あぶねぇー…!



 もしもノックバックしていれば後ろへ吹き飛ばれ、ポルカとルペコを巻き込んでいたはず。その場合、リンと同じ末路を辿たどっていただろう。



 さて、そうなればそれほど怖いものはない。

 盾神器【ドレイク】の効果が発動し、敵のダメージを反射した。

 そこから更に反撃を加えた。



『オオォォォォォ……!!』



 メイルシュトロームに『反射ダメージ』と【ドレイク】の効果によるカウンター、闇属性攻撃『グラヴティ』が発動。

 盾から強大な『重力波』を放出し、敵をゆがめ、変形させ、圧迫し、猛烈な破壊力で地面へ押し込んだ。それにより特大のダメージを与え、触手をようやく一本使用不能にした。



「おし……なんとか!」



「プラムすごーい! 回復するね、ヒール!」



 ルペコが『ヒール』を発動した。

 近頃は間違えることなくまともに回復してくれる、今ばかりは『毒』じゃなくて助かる。ナイスだ。



「ライトニングボルト――!!」



 防御にてっしていれば、ポルカが詠唱を終えて魔法を発動。

 稲妻はボスモンスターにヒット。弱点属性だから大ダメージを与えた。しかも、ポルカの魔力はかなり高いようで、さらに触手一本を使用不可能にした。



 すごい! あの『ライトニングボルト』かなりレベルが高いと見た。



「触手はあと二本……! 全部潰せばこっちのモノだ!」


 盾で防御しつつ、俺はかなりの距離を取る。



「ポルカ、こんな時だけど悪い! 回復剤をありったけくれ!!」

「わ、分かりました! でも、ルペコさんの『ヒール』じゃ間に合わないんです?」



「ああ、間に合わない。これからしようとしているのは、HPをぐ行為だからな。だけど、威力は絶大だ。保証する!」



「りょ、了解です。では在庫全ての『中回復ポーション』×1080個です!!」



 俺は全てを受け取った。重ッ!!



「これなら……! ルペコ! 俺のタイミングに合わせて『毒』を頼む!」


 俺は部屋のかなり隅にいるルペコに指示を出した。



「分かったー!!」


 遠くからの返答。あんなジャンプして叫んで……



「いい返事だ!! じゃあ、行くぞ!」



 これでいくしかない……


 盾神器【ドレイク】第三の効果を使う!


 任意で自身のHPを半分消費・・・・させる代わりに、敵に与える一撃のみのダメージを『十倍・・』にするものだ。HPは半分減ってしまうので、使うと圧倒的に不利になる。つまりこれは諸刃もろはつるぎ



 だけど、減った分を回復ポーション連打で回復しまくればいい! かなり危険度の高い行為だけど、威力は抜群だ。確実にダメージを与えられる。



「盾の効果発動……『リミットブレイク』! いくぞ、ルペコ!」


「いくわよ! 『デッドリーポイズン』!!」



 ルペコは『猛毒』を敵にまき散らした。


 あんな遠方からでもきちんと命中する。精度高すぎだろう。おかげで、メイルシュトロームは絶叫し、激しく苦しんでいた。……すげぇ、ヤツのボディが紫色に変色してやがる。


 じわじわと、しかし確実に毒が回っているんだ!


 おいおい、ルペコの『毒』また強くなってないか!?


 いや、それよりだ!

 俺はヤツを倒す!!



「っらああああああああああああ!!」



 俺はひたすら武器神器【ウォルフ】と【シャーゴッティ】で『十倍・・』のダメージを与え続けた。【神器】だから大丈夫だとは思うが、持ってくれよ耐久値!



「はぁっ!! っりゃあぁぁ!!」



 HP半分と回復を繰り返しまくり、ボスのHPをけずりまくった。



「これで、終わりだああああああああッ!!!!!」



 神器【ウォルフ】で最後の一撃を与えた。



『グォオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!』




 【 VICTORY 】




「…………った……やったぞ」



 けど、


 さすがに……かなり無茶しすぎたようで……


 ああ、意識が遠のく……



 俺は……その場に倒れた。

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