14.地下200Fにて

 【 ヘルインフェルノ - 地下200F セーフティゾーン 】



 特に大きなトラブルもなく、体力を温存してここまで降りてきた。

 みんな、顔に疲れはなかった。ギルドっていいものだな。こんなにも余裕があるだなんて、当初は思いもしなかったな。


 いや、でもきっとルペコとポルカが優秀なんだ。


 俺はずっとソロだったからそれで良かったと思っていたけれど、その考えはもうガラリと変わっていた。世界観すら変わっていた。


「よーし、セーフティゾーンだ。ボス前に休憩ね」

「やったー! ちょっとお腹減ってたし、なにか食べよー。ポルカ、なにかない~?」

「それじゃ、この『干し肉』どうぞ」


 差し出された干し肉は、ここにやってくるまでに倒した『モーギュ』という地面のトラップを投げてくる牛系モンスターのドロップアイテムというか、肉だ。

 これがなかなかに絶品ぜっぴんだった。


「わぁ、おいし~! これ、おやつに最適よね。普通にお腹にもたまるし、ハラペコも維持いじできるし、最高~」


 はむはむと肉を頬張るルペコの姿は、なんだか小動物みたいだった。シッポを振り子のようにリズムよく振って、あんなに幸せそうな顔しちゃって心が癒されるなぁ~。こっちも思わず顔がほころぶ。


「しかも、かなり大量にゲットしましたし、干し肉なので保存もしばらくしておけますよ。すこしの間ですけれど、ハラペコをおさえられますね♪」

「いいね、ポルカ。俺にもくれよ」

「はい、どうぞ」


 俺は『干し肉』を口に入れた。

 ちゃんと肉の味があって、うまー!


 腹を満たしていると、階段から集団がゾロゾロやってきた。


 あれは……。


「あ、リンさん」

「プラムさん。お久しぶりです。『黄金の街・イザヴェル』以来ですね。まさか、あなた方が先にこの【200F】におられるなんて。これから、ボスに挑戦ですか?」


 リンは明らかに疲れた……いや、やつれた顔をしていた。

 あんまり寝てないような感じにも見受けられた。髪のツヤもあまりなく、ボサボサっとしている。せっかくの清楚せいそが台無しになっているな。


 さすがにギルドメンバーを十人以上も引き連れていれば管理や指示も大変だし、ストレスにもなっているんだろう。他の仲間たちはなんだか気の強そうな人もいるし。あんまり一枚岩な雰囲気もないし……どこか不安定さを感じた。


「そんなとこ。俺たちはしばらくここで休む」

「そうでしたか。私たちもお邪魔しますね。それでは」


 お辞儀じぎして、リンは仲間たちと共にいているスペースに座った。


 みんな疲れてるな。あとお腹も随分ずいぶんと減っているように見える。



 うーん……大丈夫かなぁ。

 なんか無茶をしているような。

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