13.広範囲魔法・サンダーボルト

 ダンジョンへ向かう途中だった。

 この街に入ってから会ったあの清楚せいそな美少女ギルドマスター『リン』が十人ほどのギルドメンバーを連れているところを目撃した。


 どうやら、彼女たちもこれから地下へもぐるようだ。


 あんなにメンバーがいたんだ、本当に『ギルドマスター』だったんだ。


 俺たちは遠慮えんりょするように、彼女たちを先へ行かせた。

 まあ、一緒になる必要もないだろう。こっちはそれほど急いでもいないし。あわてることはない。常に冷静な判断をする、それがギルドマスターってものだ。

 さて、その間にアイテム整理をしておこう。


「でも良かった~。『+4ブーツ』になったよー♪ 見てみて~♪」

「うん、見てるよルペコ」


 先ほど【通常精錬】で防具の精錬値が上がったことにはしゃぐルペコは上機嫌だ。消滅がない安全圏内での精錬だが、耳をピョコピョコさせ、シッポも踊っていた。あんなに喜ぶ姿を見せられては、こっちも嬉しかった。

 これは『エクサニウム』をプレゼントした甲斐かいはあったな。うんうん。



 ◆



 【 ヘルインフェルノ - 地下164F 】



 たまに出現するHPの高い『ごっついゴーレム』の処理に時間が掛かりつつ、俺たちはどんどん地下へ向かっていた。順調だ。


「ふぅ。だいぶ進んだな。みんな、ハラペコは大丈夫?」


「少しお腹空いたくらい~」

「僕もです」


「オーケー。じゃ、キリよく【170F】で休憩しよっか」


「サンセー!」

「分かりましたー」


 二人の表情を見ると、まだ余裕はありそうだ。ちなみに、俺は【神器】の効果もあり、ほとんどハラは減っていない。数値で言えば『89』ってところ。


「よし、もうすぐ階段だ。あの『スーパーケロリン』のれを排除する」


 俺は【神器・ウォルフ】を手に持ち、けていく。

 だが、後衛のポルカが魔法スキル『サンダーボルト』を放った。有効レンジが幅広く、広範囲に攻撃が適応されるため、激しい落雷が『スーパーケロリン』を襲い、一掃いっそうした。


「うお、まぶしっ!」


 しかも『スーパーケロリン』は水属性モンスター。

 放った魔法は『雷』だから、つまり弱点属性・・・・だ。それにより、与えるダメージは『二倍』。気持ちいくらいのワンパンだった。


 モンスターははじけ飛び、大量のドロップを地面に落とした。


 ああ、そうだった。

 あれは『ルートモンスター』でもあったな。


 ちなみに『ルート』とは、ドロップアイテムを拾うモンスターのことである。その結果、地面には様々なアイテムが散らばっていた。ほとんど値打ちのない収集品だけど。


 何にしてもすごいな。そういえば、ポルカは『雷属性』の魔法が主体なのかな。前も『ライトニングボルト』だったし。


 で、しかも、ドロップアイテムをしっかり拾ってなさる。

 いつもの光景ではあるけど、うんうん、あんな必死に可愛いな。


 さすが『商人兼魔法使い』マーチャントウィザードだ。


「プラムさーん。手伝ってくださいよー」

「おう。じゃ、ルペコもね」

「はぁ~い」


 アイテムを全て拾いきり、俺たちは次の階へ降りた。

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